ライバルは秀才

呼んだか?」


蓜島が教室で悔しがっていると、突然廊下からこっちに気が付き、入ってきた。


「お...お前は!!」


なんと、蓜島が勝ちたがっていた時雨の友達だったのだ!


「優樹!」


彼の名は、的場優樹。

時雨の幼なじみで、超努力家で、吸収力がすごく、勉強も運動もできる秀才だ。


「お前、何しに来た?」


蓜島が聞いた。

αクラスの人がΘクラスにくることなんて、滅多にない。

特に、学年1〜5位の人は。


「何って、安藤先生に用があって来たんだよ、それ以外でこんなとこ来るか」


3年6組の教室は、よほど用がある人以外来ないくらい端っこにあるのだ。

特に、3年1組とは縁がなさそうなくらい遠い。


「安藤先生なら、職員室にいると思うよ」


「そうか、わかった」


そう言うと、優樹はスタスタとその場を去った。


前々回とキャラが違うって?


的場優樹は、勉強中と練習中などは、ものすごい集中するため、少しでも邪魔されると、機嫌が悪くなります。

今はおそらく、何も集中すべきものがなかったのかもしれません。

でも、昔はもっと優しい接し方をしてました。


「お前、的場とは本当に仲いいんだな」


「まぁね、幼なじみだし」


あの期末テストの頃は、いつしか壁ができてたけど。


「あいつって昔からあんなに秀才だったのか?」


「まぁ、そうだね」


蓜島は、頭を抱え込んだ。


「チックショー、俺もあれくらいの能力が欲しい」

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