4話目 終着駅は終の地に
指定された別荘地がある駅に着いた。改札は自動ではなく「乗降の際には
窓口まで」と張り紙が書いてある。それに従って窓口に行くと、人の良さそうな初老の男性が出てきた。
「大きな荷物だねぇ。キャンプかい?東京の人?」
「えぇ、まぁ」
「ここはなんもないけどねぇ。いい温泉があるんだよ。それとね、鹿料理が美味しいよ。都会じゃあまり食べないだろう?」
「そうですね」
「あぁ、ゴメン、ゴメン。都会の人は人嫌いなんだよね。はい、処理しといたよ」
「ありがとうございます。それじゃあ」
「あぁ、キャンプするならね。天竜の方にいいところが」
「あの……。バス停ってどこですか?」
「あぁ、ゴメンね。ついね。あっちだよ」
係員が指さした先に、バスストップが見えた。私は礼を述べて、そちらに向けて歩いていく。
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