第3話 最底辺

最底辺



俺がステータスの低さでショックを受けてこれからどうするか悩み、不安になってる時に話しかけてくれた人がいた。

そう 歩香 だ。歩香はいつも俺のそばにいてくれる心の支えだった。今までも苛めを耐えてこられたのは歩香の支えが大きかっただろう。こういう時に声をかけてくれるのは歩香だけだった。。。


「帆風!ステータスどうだった?」


「ああ、良くなかったよ...」


「だ、大丈夫だよ!なんとかなるって!何かあっても私が守るから!」


歩香が言った言葉を聞き自分は決してひとりじゃないと、心に余裕ができたのを感じた。そして、帆風は歩香に守られないといけない自分の力の無さを悔やみ、

(いつか自分が強くなって歩香を逆に守れるようになる!)

と心の中で密かに決意したのであった。。。


「帆風はもうステータスの結果を、

報告したの?」


「あぁ、まだこれを見せる勇気がなくて報告してないよ…...王女の話だと俺のステータスはこの世界の一般人よりも劣ってるらしいし、これを知った国は、俺をどんなふうに扱うのか想像しただけでも怖くて...」


「で、でも相手が無理矢理召喚なんて真似したんだからそんな酷い扱いはされないはずだよ!」


歩香がそう言ったところで、王女から声がかけられた。


「あと報告してないのはあなただけですよ。ほかの人も皆、素晴らしいステータスですので、今からあなたがどんなに素晴らしいか楽しみです!」


そう言いながら王女は俺に微笑みかけてきた。


(やばい、ハードルを上げられた…...。

しかもだんだん他の生徒達がこっちを見てきた…)


「い、いや俺は本当に、本当に低いですよ...」


「ご謙遜は結構です(笑)

ささ、どうぞ私にステータスを教えてください!」


俺はもう逃げ道がないことがわかり、

(もう、どうにでもなれ!!)

という気持ちで王女にステータスプレートを見せることにした。

案の定、王女の表情がだんだん変わっていき俺を見る目がいつも見慣れている"ゴミを見る目"に変わっていた。

そこに、王国騎士団長のジャックと話していた 響 がこっちに来て、


「王女様、俺にそのステータスプレートを見せてもらってもいいですか?」


とニヤニヤしながら尋ねた。

すると王女は


「はい... いいですよ...」


と、本人である俺に確認をとるわけでもなく勝手に 響 に見せ始めたのだ。

ステータスプレートを見た 響 は腹を抱えて笑いこみ、涙まで流していた。何もそこまで笑わなくても...


「ブハッ! ちょっ……!ギャハハハハハッ!

ヤベェ、 は、腹がいてぇぇーーーwwwwww」


「おい、どうしたんだ?」


ほかの生徒達も大爆笑している響を、困った表情で見ている。


「おーい!お前らも見ればわかるってwww

これは本当に笑えるってwwwww」


響がそう言うと、他の生徒達も響の周りに集まり出して、俺のステータスプレートを見ては、響と同じように


「「「アハハハハハハッ!」」」

全員が笑い出した。

それだけではなく、俺をゴミのように見てくるやつ、そして安心しているやつなど色々な反応をしていた。



「ブハッ! これは、本当にやばいwww」


「やばい、笑いすぎて涙出てきたwww」


「こんなステータスで生きていて恥ずかしくないの??」


「まじ、お前死んじまえよ。ちょうどこの世界なら捕まることもないしww」


「そうだよ!さっさと死ねよ!」


「早く死ねよ、ゴミが、」


「「「死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ねよ死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね」」」


「ど、どうして......」



帆風は昔の事を思い出していた。保育園時代から小学生、中学生、そして高校時代。様々な思い出が駆け巡るが、いじめられた記憶が大半を占めていた。しかし、最後思い出したのは……"歩香"と些細な会話をし、笑いあった時間だった。傍から見たらなんの変哲のない、しかし俺にとっての人生で一番幸せだった時間だった。

俺は気づいたら涙を流していた、皮肉なことに心はすべてがこおりそうなくらい冷えきっているのに頬を流れる涙はまだ暖かく、まるで""心に残っている最後の温もりが外へ流れ出ているようだった""。


俺は"絶望"した。


笑われたことにか?


いや違う

ゴミを見るような目で見られたことか?


それも違う...

死ねコールをされたからか?


全部ちがう!!!

信じたくはなかった。

俺は夢であってほしいと強く、強く、人生で1番強く願った。しかし、現実は非常で理不尽だった。































なぜなら...


死ねコールをした中に"歩香"がいたからだ...


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