第2話 クラス転移
クラス転移
あまりにも眩しい光に両手で目を覆い、目もギュッと閉じていた。ざわざわと周りが騒がしくなり帆風はそっと目を開けた。そして、目を疑った。
なぜなら、自分の目には今までいたはずの教室ではなく巨大な空間が写っていたからだ。
「教室にいたはずじゃ...ここはどこなんだ?」
そう言いながら帆風は周囲を見渡した、素材は大理石だろうか?滑らかな白で、それにとても美しい光沢がある石で作られた建造物のようで、巨大な柱に支えられ天井にはシャングリラがぶら下がっていた。思わず
「...綺麗だな」
と口にしてしまうほど綺麗だった。まるで大聖母と感じてしまうほどの雰囲気をもった広間だった
「皆様、お待ちしておりました!」
何処からもなく、そんな声が聞こえた。帆風は声の発信源を見つけるためにもう一度周囲を見渡した。なんとそこには綺麗なドレスを纏った美しい女性が立っていた。
年は大学生くらいだろう、髪の色は綺麗な金髪で長さは肩までかかったくらいで、まつ毛は長くとても美しい女性だった。周りの男子たちはその女性を見た瞬間顔を赤く染め見惚れているのが一目瞭然だった。女性はあまりの美しさに嫉妬している人もいれば、感嘆の声をあげている人もいた。
でも正直美しいと思うけど、歩香の方が何倍も美しいと思ってしまった。
そして、その女性の後にはあからさまに異彩を放って剣を持っている騎士みたいな人がついていた。顔には大きな傷があり、いかにも百戦錬磨の戦士って感じだ。
「私はエルシア王国王女クリスと申しますます。ここは皆様のいた世界とは違う、別の世界''アーケス''と言います。古代の本に記されていた勇者召喚の儀式を得て別の世界から皆様を勇者として召喚しました!」
そう言って、クリスと名乗った王女はまるで天使のような微笑みを見せたのだった。
俺はそれを聞いて騒然としていた。まだ父親が人を殺す前に小説で異世界転生ものを読んだことがあるからだ。
「こ、こんなことが 現実で起こるなんて...俺は夢でも見てるのか...?」
実際に腕をつねって痛みを感じることができた。つまり、これは夢ではなく現実に起きているってことを突きつけられたのだ。
「勇者様に、この世界に呼んだのはこの国を攻め滅ぼそうとしている魔王を討ち取ってほしいからです!」
そのあと王女はこの国の現状を説明し始めた。その話を要約すると、
・今この国は魔族によって攻めこまれている
・その魔族を率いているのが魔王
・魔族は人よりも戦闘力が高いがそのぶん数
が少ない
・この世界には魔物がいる
・元の世界に帰るためには魔王を倒すしかない
そして最後に
''別の世界から召喚された勇者は一般の人より強い力を持って召喚される''
これを聞いた瞬間一部の男子がニヤニヤとニヤケだし、他の人は顔を少し緩めた。
勿論、文句を言おうとしている生徒もいたが後ろに控えてる騎士の纏う覇気が圧倒的すぎて文句を言うことの出来る状態ではなかった。
「皆様にはこのステータスプレートを受け取ってもらいそれに血を数滴垂らしてもらいます。」
そう言うと、待機していた人達が扉の方ステータスプレートを持って出てきてみんなに針と一緒に配り始めた。
ちなみにステータスの表し方はこうだ
LV:強さの階級
HP:生命力、0になると死亡
MP:魔法使用量、魔法を使うと減る
筋力:攻撃力、物理的な攻撃の威力を決める
体力:持久力、どの程度戦闘力を維持できるか
魔力:魔法攻撃力、魔法の威力を決める
防御:物理的な衝撃に対する防御力
魔耐:魔法や状態異常に対する抵抗力
敏捷:素早さ、回避力にも影響する
スキルの横についているスキルレベルはスキルの習熟度を表していて。スキルに関連する作業を行えば、スキル経験値がたまり。スキル経験値が一定を超えるとスキルレベルが上がる。最大レベルは10で、個人で上限の違いはなく。ただし、スキル経験値の取得速度には個人差があるらしい。
「血を垂らすとステータスが見えるようになるのでそれを報告に来てください。ちなみに一般的な騎士のレベル1の状態だと、平均で100くらいですね」
王女がそう言った瞬間 響 が大きな声をあげて叫んだ。
「やべぇ!!俺めっちゃ強いじゃん!!!」
それを王女に報告すると王女は目を見開いて言った。
「こ、これは! まさかこれほどまでにすごいとは......」
響のステータスはこんな感じだ
==============================
洞口 響 18歳 男 レベル1
職業:勇者
HP:500
MP:500
筋力:500
体力:500
魔力:500
防御:500
魔耐:500
俊敏:500
スキル:聖剣召喚Lv-・剣術Lv4・限界突破・光魔法Lv4・聖魔法Lv4・言語理解
==============================
まさにチートだった。
「ほお~、流石勇者様だな。他の5倍のステータスとはな……スキルも普通は1つ2つなんだがな……規格外な奴め! 頼もしい限りだ!」
そういったのは後ろで凄まじい覇気を纏っていた騎士だ。
「こちらは王国騎士団長、ジャックです」
王女が説明してきた。
それにしても5倍はすごいな...
ちなみに王国騎士団長のステータスが
==============================
ジャック 40歳 男 レベル65
職業:騎士団長
HP:1700
MP:1000
筋力:2000
体力:1800
魔力:800
防御:1600
魔耐:1400
俊敏:1500
スキル:剣術Lv6・身体強化Lv5・闘気Lv5・火魔法Lv4
==============================
この世界でもトップレベルの強さだ。しかし、響はレベル1で既に約3分の1に迫っている。成長率次第では、あっさり追い抜いてしまうだろう。
ちなみにその他の生徒のは 響 にはおよばないものの十分高かった。
そんな中俺は
==============================
斎藤 帆風 18歳 男 Lv1
職業:??
HP:10
MP:10
筋力:10
体力:10
魔力:10
防御:10
魔耐:10
俊敏:10
スキル:??Lv-・言語理解
==============================
だった。
「??」は気になるけどステータスが最底辺だった。俺は瞬時に悟ったのだった。
「この世界でも最底辺か。。。」
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