最底辺からの成り上がり

@Kawasakiyousuke

第1話 プロローグ

雲ひとつない快晴の日、少し肌寒い風が吹いていた。その風を肌に受けながら俺、斎藤 帆風は腹を思いっきり蹴られていた。


「ギャハハハハハッ!きったねーーwwこいつ口から血吐きやがったwww」


そう言いながら笑っているのは洞口 響(ほらぐち ひびき)イケメングループのリーダー的存在だ。


「うわマジかよwwこいつの血を浴びた地面が可愛そうだわwww」


次にそう言ったのは早川 雄二(はやかわ ゆうじ)古典的な響の取り巻きだ。そのほかにもグループの人達に囲まれボコられていた。

こいつらにボコられるのはいつものことだ。まだパシリにされないだけマシだ、なぜなら俺には余分なパンを買うこともできないほど金がないからだ、学校では苛められ、家に帰ってすぐにバイトに行き深夜までしごかれるそんな生き地獄を毎日送っていた。


なぜいじめられてるのか?

それは今から2年前 父親が人を殺したからだ。理由は飲酒運転でひき殺してしまったらしい。それから家庭は崩壊していった毎日毎日イタズラ電話がかかってきて時には石を投げ込まれたりして精神的に追い詰められていった ついには耐えられなくなった母親が俺を捨てて夜逃げした。それからというもの俺は周りから白い目で見られはじめ苛められるようになった。。。

なんとか生活費と学費を稼ぐためにバイトをしギリギリで生活していた

正直数え切れないほど自殺しようか迷ったでも怖くてできなかった。そのままいじめられ続けて今に至るのだ...


「あなた達!!なにやってるの!!!!!」

「やべぇ!委員長が来た!」

「おい!教室に戻るぞ!」


今助けてくれたのはクラス委員長の吉田 歩香(よしだ あゆか)だ。俺に普通に接してくれる数少ない人達の1人だ 歩香がいるから学校に通ってると言っても過言じゃない。


「帆風! 大丈夫!?」

「あぁ、大丈夫だ歩香、多少血が出ただけだ。毎回ありがとうな 」

「「血が出ただけ」って重症じゃない!!」

「いつものことだろ。大丈夫だ 」

「いつものことって... まぁ、いいわ そろそろ朝のホームルームが始まるから早く来なさいね!」


そう言って歩香は教室に歩いていった。


歩香はめちゃくちゃ美人で。芸能界からスカウトが来たくらいだ。けれど彼氏はいないらしい、多分俺と話しているからだろう... 悪いことしたな...


俺は肌寒い風を受けながら「なんで俺は生きてるんだろう?なぜ俺がこんな目に...」と呟きながら教室に向かって歩いていった。。。




教室の扉を開くと「チッ!」と舌打ちをする者、友達同士でコソコソと話をする者、「うわwクズが入ってきたww」と大声で馬鹿にする者

様々な人達が教室に入ってきた俺を蔑んだ目で見てきた。しかしもう慣れているのでそのまま俺はみんなの机より離れた場所に用意されている自分の席に座りホームルームが始まるのを待っていた。


いつもだったらホームルームが終わったあと普通に授業を受け、普通に学校から帰るはずだった。。。。。。




クラス全員が席についた途端急に目が開けられないほどの強い光が俺たちを包んだのだった。。。





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