第4話

[2014/4/14(Mon) PM5:01]


「流石に、二百三本はキツいな」

二階堂 瀬那(にかいどう せな)は、肩で息をしている。

「そういえばお前、なんでスパイク履かないの?」

「めんどくせぇから」

「マジか」

桐原 新(きりはら しん)は苦笑した。新は元々短距離専門だったが、今は走り幅跳びだ。

「23秒07、23秒32、24秒60」

瀬那は特に反応しない。ストップウォッチを見ながらノートにタイムを記入している。

「ちょっと待って、インターバル何分?」

「二分」

新が思わず吹き出した。

「意味無ぇ」

「いや、無くはないだろ。意味」

気持ちのいい風が吹いてきた。新入生がスターティングブロックの使い方の説明を受けている。

「そういえば、弟って部活どこ見学してんの?」

一瞬不意を突かれたような表情を見せたが、すぐに答えた。 

「遼登?分かんないけど多分......吹部かな」

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昔物語(仮) せいや @mc-mant-sas

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