第3編 2017/5/10

遊歩道は緑の中に延びていた。同級生達の声が遠ざかる。周りの新緑は目に煩かった。

君は何も言わず、次第に歩みを速めていった。小さな背中が前に出る。揺れる手は固く握られていた。

何を言っても聞かないだろう。それでもせめて気づいてほしくて、板張りの歩道を強めに踏んだ。

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