双子の対比。お互いにないものねだりで根底には羨望があったのでしょうか。
近すぎる関係で、複雑な思いがあるんですね。
普通でありたい。少し母親の気質を引いているわたしはユウタがいたから、なんとかまともにやれたんでしょうか。
両親の愛情のない二人の描写が面白かったです。どちらが幸せかと考えたら答えは見えないですね。
作者からの返信
象徴としての双子なんですよね、きっと。
人って、他人とじぶんをまるで同じように思い込んでるところがあると思うんですよ。じつは違うのによく分かってでもいるかのように。
一方的な思い込みから「裏切られた」とか「わかってもらえない」とか、怒ったり傷ついたりする。
そういうのを描いてる……んだと思うんです(自作なのに!)。
SFとメルヘンと現代ドラマがミックスしたような味わいがある物語ですね。
双子である渚と静が性格や行動や進む道が違っても精神的絆で結ばれていることが物語が進展するほど伝わってきて、遠く離れても思い合える深い関係性を象徴的に表現していて物語全体に優しい空気を生み出していると思いました。
作者からの返信
いかにもSFでございますって感じの小説はわたしには書けません。書いても楽しめません。だから、わたしの書くSFはこんな感じで。
あと、渚と静については、もっと価値観の違いのようなものが描けたらよかったのになと思います。相互理解が難しいという話はこれからも書くと思うので、次はもっと上手に書けるようになります。
なんか最後はみんなで大団円で良かったです。一息についつい読み上げてしまいましたが、幼い頃に始まり、学生から大人になり、親となり、その中で複雑な心の中を、うまくまとめています。静はとても凄いし、逆境にめげずに夢を叶えて素晴らしいと思う。でも、読者の大多数の一般的日本人は渚に共感する。特に、最後の渚の独白は一番のヤマ場かな。で、それを受け入れてしまうのも、やはり日本人的と言うなら悲しいかな。でも、そんな日本人は複雑な思いで静に憧れるんだろうなあ。
作者からの返信
渚は普通の人。
静は特別な人。
双子なのに特別に生まれた人と、普通に生まれた人との相克と和解――一言で書いてしまうとそんな感じですかね。
普通に共感するというのはおっしゃる通り、そう書けていればいいのですが。