第二章 スニーカーブルース

スニーカーブルース

――夢に挑む代償を考えたことはある?


果たせなかったときに背負う痛みを想像したことはある?


鳥かごの中で外を夢見ながら、与えられた種子を啄んでいれば死ぬまで生きていられる。


自分を殺して生きてりゃ人生は上々。 仮面を被っていりゃ誰かを演じられる。 


それが普通。それが常識。それが一般的。それが幸福で誰からも好かれる条件。


だけど俺は、自分を殺せないで大空に飛び立とうとするヤツが好きなんだ。 あとは落ちるだけと知っていながらも。


さぁさ、これから語るのは夢を追う若者の顛末劇。 行き着く先は悲劇か喜劇か、皆様こぞって御覧じろ。


大友晃司

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