2/11日(日) あの赤保留は外れたけど当たりだったんだね

テーブルを挟んだ先の兄ちゃんは、思いつめた顔をしている。兄ちゃんは心配性だよね。楽させてあげたいなぁ。


「なんでお前はニヤニヤできるわけ?ねぇ、なんかいいアイディアでもあんの?」

「そうツンケンすんなよ兄ちゃん。んで、なんでも屋やるの?」

「手っ取り早く稼ぐにはこれに賭けるしかない…」


しょうがないなぁ。まぁ、兄ちゃんが本気でやりたいことを応援するのも弟の務めか。それに、罪悪感感じちゃうよね。兄ちゃんの金だったわけだし……


「んじゃ、チラシ作ろう。キャッチコピー考えるよ」

「えっなにそれ怖い。どのタイミングでやる気スイッチ入ったの?」

「よくよく考えたら面白そうだし、ネタ拾えそうじゃん? 作家としては、ネタが命だしね。 たまには下々と触れ合わないと」

「時々お前が怖くなるよ。なんで罪悪感ないの?なんで遊び感覚なの?ねぇ、お前のせいなんだよ?分かってる?」

「支払いっていつまで?」

「来週の金曜」

「んじゃ、今日日曜だから早くしないと。もう実際、月曜みたいなもんだよ?さ、兄ちゃんやろう。とりあえずタイムチケットとかさ、無料で募集掛けられるとこ、SNSも含めて告知してね。俺は文面考えるから。んじゃGOーーーー!」

「あ、はい」


~そんなこんなで、よろず屋「大友家」が開店したってわけ。まったく。赤保留には夢が詰まっていやがる。あそこで外れてなきゃ、俺は今でも兄貴の金くすねてパチンコ屋に行ってただろうな~

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