第9話 それぞれの夜と神のお告げ?
「ここは...」
ふと気づくと見覚えのある白い空間にいた。
ここで何があったかを思い出し苦笑する。
「あの時はなかなかやばかったなー」
「そーじゃな!」
ふぉっふぉっふぉっと笑いながらあの
「あれ、あんま驚かんのじゃな」
「どー考えてもあんたが来るテンプレだろ。これ」
「あちゃーバレとったかー」
「で、何のようだよ?人の安らかな睡眠を邪魔してよー」
「いやなに、げんきかのと思ってな?」
「そんなけ?」
ジイさんにジト目を向ける。
「そんな目で見んといてくれんか!?あとはほれ、これをやろうと思ってな」
ジイさんは青い雫のような形の石のネックレスを2つ投げてきた。
「これは?」
「それは魔力の雫と言ってな。装備者の魔法使用時の魔力のロスを集めて凝縮して魔力回復ポーションを作るネックレスじゃ。付けておきなさい。いざと言う時に役に立つ」
「あぁありがとう。助かる」
「うむ。どーいたしましてじゃ」
「あ!なんであんなとこ初期リスポーンなんだ!あとこの身体の見た目なんだ!」
「いやまさかあの大帝国がそんな遺跡になってるとは思わんくての...すまぬの...」
申し訳なさそうだしまぁ許すか。
「身体の件は伝え忘れたけじゃ!すまんの」
やっぱやめた。
「ったく...それで神やってけるの?」
「幸い、部下が優秀なもんでの」
「ダメな上司じゃねえか!」
思わずツッコむ。
「なんじゃ、最低限仕事はしとる」
だめだこのジジイ。もうやめろよ...
「帰る」
「まぁ待て待て、本題はこれからじゃ」
本題あるのかよ!
「朱槻 白夜よ、白の大陸へ向かえ。そのにお前の求めるものが有るだろう。ただし危険もある。気をつけよ」
「おい、どーゆーことだよ」
「では、さらばじゃ、またの」
「おい!俺の求めるものってなんだよ!待てよ!おい!」
すーーっと創造神が離れていく。
それと同時に周囲が暗くなっていく。
「おい!」
フッとろうそくの火に息を吹きかけて消したように白夜の意識は暗闇に飲まれた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
[華音Side]
今日も色々あった...いやありすぎた、かな?
「ふふっ」
自然と笑いが漏れた。誰かに聞かれたら変な人になっちゃうなー。
変な人に刺された時は痛かったし殺されちゃったのは悲しいけどまた生き返ってこんなとこ来れたしあと、なによりハクが一緒だし!
ハクがいれば私はどんな世界でも生きていける。
それとなんかすごいホテルみたいなところですごいふっかふかの布団で寝れるし?いいこといっぱいだね!
うん。明日も頑張ろう。
「おやすみ、ハク」
「ん?ここは?ーー」
見覚えのあるこの白い空間はーー
「ワシの世界じゃな」
「やっぱいた!おじーちゃんさん!」
「のぉ、やっぱその呼び方変えんか?」
「え?でもこれおじーちゃんさんが呼べって」
「確かにわしはつい出来心でおじーちゃんって呼んでって言ったがまさかおじーちゃんさんって呼ばれるとは思わなんだ...」
「で、おじーちゃんさん何か用事?」
ふふっ、おじーちゃん面白いなー。
わざとさんつけて呼んでるの。
「無視かいっ!?まぁ、いいとするかの。いやまぁな、少し様子見じゃよ。上手いことやっておるか?」
「うん、楽しいよ!」
「ならいいんじゃよ(ハクよりは喋りやすくて楽じゃ)」
「で、なんの用なの?」
「え、だから様子見じゃよ?」
「ふーん、じゃあ帰る。帰して?」
「い、いやちょっと待って欲しいんじゃが...」
「だって何のようもないんでしょ?」
「はぁお主ら二人とも似たもの同士じゃのぉ(うん。ちっとも楽じゃないの。前言撤回じゃ)。ほれ、これじゃよ」
おじーちゃんがなにか投げてきた。
「これは?」
「それは神の息吹と言ってな。お主の神の装具に本来あるべき物じゃよ」
それは指輪だった。凝った装飾のシルバーリング。
「さて、じゃあ、帰るかの?」
「うん!帰る!」
「朱星 華音よ、お主の大切な物はお主が思っている以上にお主に根付いておる。大切にしなさい。ただ今は守ってもらいなさい。いつか肩を並べる日が来るのだから」
「なにを...言ってるの?」
「では、さらばじゃ」
スっという音がしそうなほど綺麗に華音の意識は消えていった。
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