第4話なんだ・・・冴嶋さんもいるのかよ!?

 教室に座っていると、やけに騒がしい。みんな本当に勉強しにきたのだろうかと、疑ってしまう。こんなことを考えていると、おれもまるで優等生にでもなったような気分になる。やる気満々で勉強しにきているのはおれだけだろうか?

 だけど、たぶん一番緊張しているのはおれだ。それくらいビビっている。みんなよく騒いでいられるなあと、ぼうっとながめていた。おれもリラックスしなきゃなと思うものの、つい下を向いてしまう。

 知った顔もほとんどいなかった。見たことあるなあってぐらいのやつだけだ。

 そんな中で、この目のつりあがったおかっぱのキツネ顔だけは忘れるわけがないという、同じクラスの冴嶋さんがいた。

 冴嶋さんは、三年になって新しいクラスになった当初から、なにかとおれに声をかけてきた積極的な女の子だ。がつがつしていて好みのタイプじゃない。だから最初はさけるようにしていた。。。

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