第2話

初っ端から自分の名前が無いとか言い出していて何か痛い人だと思われるかもしれないが、あいや待たれ。

容姿の話をしなかったのにも少しばかり理由がある。

まず俺の名前が無い理由からであるが、生まれた日も場所も覚えてないので名付け親なんている訳もない。だから先程も張本人としか呼ばれなかった訳だが。そして容姿の件だ。これは単純な話、俺の姿は決まっていない為である。転生者はどの世界に転生するかわからない。剣と魔法の世界、科学の発達した世界はては獣しかいない世界。その為のどの場所にでも適応できるよう姿は決まってないのだ。

転生者を返す事が出来るのだから自分を自分の住処に返して俺は俺の生活をする訳だ。

何故にこんなめんどくさい事をやっているのか分からないしやらなければいけない理由も思い出せないがなんとなくやらなければならないのでやっている状態である。

おっと、別の世界に転生者が来て世界バランスを壊しかけているようだ。行ってみよう。

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今回の世界は…いやぁ、あまりにもこの世界に住む人達が殺されている。このままではほんとにこの世界は消えてしまう。因みにこの世界、竜人という種族が獣人という種族と度々戦争をしている世界みたいだ。

で、本題の転生者は…あ、獣人の中にオーガの姿をした巨体が竜人薙ぎ倒してやがる。この場合おそらく前回の根岸勇輝とは違うタイプだろう。根岸勇輝は彼が転生した世界の人間に情が湧くタイプ。今目の前にいるやつは転生してから元の世界に返してやると言っても反抗してくるタイプだろう。

あのオーガの転生前の名前は…あれ?

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読者の方々には申し訳ないが今回の転生者は例外中の例外である。その為俺は自分の姿を竜人に変え件のオーガを捕まえた後竜人達の見えないところで人の姿に変え自分の世界に連れて帰る。

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「てめぇ!!一体どこの転生者だよ!俺は味方なんだぞ!!」

と男は荒々しい口調で叫ぶ。これだけだと勇ましく見えるが腕と足を縛られているところも含めると滑稽である。

俺は自身の姿を竜人から人の様な姿へと変身した。これで少しは話をまともに聞くことだろう。

「おぉ、やっぱり変身出来るんじゃねーかよ。なんで俺を襲いやがった!命令違反だぞ!」

命令違反?この男は誰かの命令を受けているのか?この口振りだと複数人いるようだ。

「いい加減なんか喋れよ!さっきから仏頂面決め込みやがってお前何様のつもりだ!」

そこで俺はキレた。考えてみて欲しいのだが、もし読者諸君らが犬や猫に馬鹿にされたとしよう…ものすごく腹が立たないか?自分より立場がしたのものが自分を馬鹿にしたのだから。

(注意馬鹿にされたかどうかを決めるのは個人の主観です。あくまで個人の主観ですので!!)

「さっきから黙って聞いていれば、お前の口調の悪さにはイラつきさえ覚えるよ…なぁ、惑星デオトラント出身の大量虐殺者ケルナティ・テオーン。何をそんなに驚いた顔をしている。俺がお前の名前を知っていたことか?それともお前の罪状もしくはお前の転生前の住処を知っていたことか?」

男(これからはテオーンと呼ぶ)は先程まで怒りで真っ赤になっていた顔は一気に血の気が引いたように青くなり

「お前!一体誰なんだよ?!なんで俺の転生前の名前を知っていやがる!!あの場にいる奴らは自分以外の転生者の転生前なんて知らされてないのに!」

分かった。こいつは余程のバカなのだろう。さっきからボロボロと自分達の情報を漏らしやがる当たりそうとしか思えない。

バカの相手をしていると頭が痛くなる。しばらく休むこととしよう。

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