世界バランスを壊されてはたまらないので転生者を返還してやる
ヌンティ
第1話
僕の名前は根岸勇輝。至ってどこにいても不思議ではない男子高校生さ!
そんな僕は不幸な事に通り魔に刺されそうになってた彼女を庇って死んでしまったんだ…だけど気がついたら召喚陣の中にいた僕はどうやら最近流行りの異世界転生というものに遭ってしまった様だ。王様とお姫様に頼み込まれて異世界転生特典の聖剣と戦士のキリュー、魔法使いのラミネ、弓使いのサテルと共に魔王を倒しに行くのさ!
ーーーーーーーーーーーーーー
なんでだ?何が間違ってた?僕達のパーティーが弱かったのか?いやそんな訳ない!だって魔王直属の3幹部最強のラスティーンを倒せたんだ。そんな弱いなんてあるはずがない…
瀕死な状態の中どうやったら生き残れるかを必死に考えていると僕達のパーティーを壊滅させた張本人が
「全く、神様も酷いことするもんだよなぁ。根岸勇輝クンよぉ」
?!何でこいつ僕の名前を知っているんだ。
「クッ、ホントだよ!お前みたいな強敵にあったんだからさ!」
張本人は1つ間を置いて
「あぁ、スマンな。酷いことをされたのはお前みたいなぽっと出の奴らじゃなくて俺だよ」
はぁ?!
「お前らみたいなぽっと出の異世界転生者がバンバン世界バランスを壊してくれちゃうからよぉ、俺みたいな返還者がお前らみたいなはぐれ者を元いた場所に還すんだよ」
自分の名前が知られていた事も圧倒的な強さも自分の世界に帰れる事を知った衝撃と比べてしまったらとてつもない威力だ。
「驚いている様だけど安心しろ。ちゃんと還してやるよ」
帰れるんだ…あのいつもの光景が在るあの場所に。シホ、もうすぐ会えるよ…
そう帰れることに涙を流してる俺にサテルが
「騙されないでよユウキ!!魔王の手先になんて迷わされないで!」
ラミネとキリューが
「ホントだぜ。お前は勇者何だからよ。俺達のことを導いてくれよ!」
張本人は
「とか言ってるんだが、転生者で勇者で主人公な勇輝君はどうする?」
…
「そうだよな…お前らの言う通りだ」
聖剣を敵に向け
「僕達はお前を倒す!そしてこの世界を守るんだ!!」
僕達は残りわずかの力を振り絞り敵に攻撃をする…
語り部はやはり主人公に戻さなければ話は始まらないな。
たくっ…弱いくせに何故転生者とか言うのは勇ましく、いや愚かに立ち向かうのか。折角元の世界に還してやろうとしてるのに。
自己紹介と行きましょう。
俺の名前は特別には無いため、返還者と呼んでもらいたい。
最近どうやらどの世界でも異世界に転生して俺TUEEEEやのんびり異世界生活をとかが流行ってるようだ。
夢を見るのはいいことだが、俺はたまったもんじゃない。転生者のせいで滅んだ世界が幾つもある。だからこそ必要なのが返還者。可哀想だが虐められていたとしても殺されそうになっていたとしてもそれはソイツらが住んでいる世界の話だ。それなのに転生して、しかも神様の恩恵やら転生特典とか言って武器や体質を受け取るなんて都合の良い世界があってたまるか。
返還者はそんな奴らを元の世界に還す事が仕事。さっきみたいな根岸勇輝みたいにその条件を承諾しなかった者はその仲間ともども全ての世界に転生する事も生まれ変わることもない様にこの世界から存在を無かったことにする。何?そしたらこの世界は魔王に支配される世界になるんじゃないかって?いや、他の世界では生物が死滅した世界や外来種によって人間が滅ぼされた世界もあるんだ。ましてやこの世界は何千年前までは人間が魔王を滅ぼそうとしてたんだぜ。世界なんてそんなもんだ。
まぁ、そんな感じで今日も俺は転生者を元の世界に返している。
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