彩菜と遊びに行ったが、はぐれてしまった?!
今日はまちにまった休みだし、ゆっくり寝るか。そう決意した俺は、ベットにダイブする。といっても、まだ日が上って間もない時間に起きてしまったため、寝るという選択しかないんだがな。なんでこう休みになると早起きになってしまうんだろう。どうせなら学校の時に早く起きろよ、俺の体。なんて言っててもしょうがないか。折角の休みなんだから、寝るぞ! そのまま寝る俺であった。
何時間くらいたっただろうか。目を覚ますとお腹の上に違和感を感じた。
「お兄ちゃん! 起きて。起きないといたずらしちゃうぞ!」
「なんで彩菜がここにいるんだよ。ていうか、どうやって入ってきた?」
昨日ちゃんと鍵はかけたはずなんだが。
「お兄ちゃんに会いたかったから、来ちゃった! 後、鍵はかかってなかったよ?」
「なん、だと。ちゃんと鍵かけてたはずなんだけどな」
もしや、ここのたてつけが悪いから、うまく鍵がかからなかったとかか? 最悪だ。
「お兄ちゃん! どこかに連れてって!」
「いきなり来てそれかよ。俺は疲れてるから動きたくない」
「そんなこと言わないでよ。連れてってよ。......ダメ?」
上目遣いで言われたため、断ることができなかった俺は、渋々承諾した。上目遣いは反則だよな。
「いいけど、どこに行きたいんだ?」
「お台場行きたい!」
「お台場とかいつでも行けるじゃん。ていうか、わざわざこっちに来ない方が近いんじゃねか?」
「お兄ちゃんと遊びたかったんだもん。お兄ちゃん、最近帰ってこなくて寂しかったんだよ?」
「それは悪かった。色々と忙しくてな、帰る暇もなかった」
「あのお兄ちゃんが忙しいって何かの間違いでしょ?」
「いやいや、俺だって忙しい時もあるからな?」
「嘘だぁ。まあ、あいや。お兄ちゃん、早き着替えて行くよ!」
「おう」
「そういえば、前あった咲久野さんと水瀬さんは?あんな仲良くしてたのにどうしたの?お兄ちゃんの名前言ったら急に黙ってしまったんだけど?」
「俺にもよくわからん」
ここで彩菜に喧嘩してて今は話すらしてない、なんて言えるわけないよな。まあ、水瀬なら仲直りしてるけど、あいつは咲久野と一緒にいるしな。なによりも、めんどいことになるしな。
「言えるときがきたら、言ってね? 相談に乗るよ?」
「......おう」
「それよりも今は出掛ける準備だよ! ほら、はやくはやく!」
「少し待っててくれ。今行くから」
彩菜にせかされ、急いで着替えた。着替え終わったと思ったのもつかの間、彩菜に手を引っ張られた。
「そんなに急がなくても大丈夫だろ」
「だって、少しでも早く、お兄ちゃんと遊びたいんだもん!」
そう言われてはなんも言えなくなってしまう。黙ってついていくしかなかった。
電車に乗った俺は、珍しく携帯ゲームをした。最近始めたモンスタが面白すぎてずっとやってしまっている。気づけば深夜になっているってこともしばしばだ。
「お兄ちゃん、ゲームばかりしてないで話そうよ」
「少し待て、今いいところなんだから」
ゲームしていると携帯の充電が五パーセントをきっていた。まあ、大丈夫だろ。どうせこのあと使わないし。
「そういえばお兄ちゃんに言ってなかったけど、私、彼氏出来たんだよ! 今度紹介するね!」
「なんだと......ちょっとそいつの名前教えてくれ。俺がボコってくるから」
「嘘だよ、お兄ちゃん。今は誰とも付き合う気はないから安心してね!」
「そういう冗談はやめてくれよ。お兄ちゃん、びっくりして死んじゃうからさ」
「お兄ちゃんってシスコンだよね」
「当たり前だろ。こんな可愛い妹がいたら誰だってシスコンになるだろ」
「可愛いって、またそういう冗談いわないの。でも、嬉しかったよ! ありがとね、お兄ちゃん!」
ニコッと笑った彩菜は本当に可愛かった。
そうこうしているうちに目的の場所についた。やはり東京は人が多い。どこを見ても人、人、人。休日だけあって、人がわんさかいた。
その光景をみて唖然としていた俺だが、すぐに彩菜と行動しようとした。だが、彩菜はそこにはいなかった。はぐれてしまったらしい。まあ電話すればいいか。ここは圏外になることもないしな。そう思い携帯を開いて電話しようとしたが、充電がなく、電源がきれてしまった。
「クソッ」
俺は急いで彩菜を探した。多分そんなに遠くには行けないだろうと思い、近くから探したがそこにはいなかった。
あいつはどこに行ったんだよ。そう思いながらも、走る速度はおとさずに探していた。街中を探してもいなく、お店の中も探したがいなかった。途中、いろんな人にも聞いたが、情報はえられなかった。このまま会えないのかと思ったが、探すことはやめなかった。ここでやめたらお兄ちゃん失格だしな。
ふと、公園が目にはいった。もしかしたらここにいるんじゃないかと思った。中にはいると、ブランコのところに彩菜が座っていた。しかもいまにも泣き出しそうだった。
「こんなところにいたのか。はぐれるなんて駄目じゃないか」
「お兄ちゃん!」
そう言って彩菜は飛び付いてきた。俺は、それをうまく抱き締めた。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん!」
「おいおい、どうした。甘えたくなったのか?」
「後ろ見たときにはお兄ちゃんがいなくて、探したけど見つからなかったからもう帰っちゃったのかなって思って」
「なわけないだろ。俺が彩菜に一言も言わず帰るわけないだろ」
「しかも携帯も繋がらなくて。お兄ちゃんになんかあったんじゃないかってずっと不安だったんだよ?」
「あーそれは電源がなかったんだ。悪い」
「なぁんだ。そうだったんだ。安心した! それじゃあさ、帰ろっか」
「そうだな」
俺たちは帰る時ずっと手を繋いで帰ったのだった。
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