城ヶ根とのメールは疲れる

 放課後のバイトが終わり、家に帰って部屋に戻った瞬間、一通のメールがきた。差出人はなんと城ヶ根からだった。


 『先輩。今日はお疲れさまでした。明日からも頑張りましょうね!』


 『おう』


 俺は当たり障りないような返事を返した。これならもう返してこないと思っていた俺だが、またすぐにメールが届いた。


 『おうってなんですか。もう少しまともに返事が返せないんですか、まったく』


 『なら、何て返せばよかったんだよ』


 『それはですねぇ、城ヶ根も一緒に頑張ろうぜ!みたいなことを書けばいいんですよ』


 『そんなこと書いたらキモがられるだろうが。傷ついちゃうだろ、主に俺が』


 『確かに、先輩がそんなこと書いてたらキモいですね』


 『そんなはっきり言わなくてもよくね?!』


 『冗談ですよ。それより、言いたいことがありメールしました』


 『どうした?』


『えっとですね、明日からも一緒にお弁当を食べれないかなぁと』


 『嫌なんですけど』


 『そう言うと思ってましたよ。それでも、ダメですか?』


 『はぁ、仕方ねぇな。どうせ断ってもくるんだろ?』


 『よく分かってますね。ということで明日からもよろしくお願いしますね』


 『おう!』


 そう返事し、やっと城ヶ根とのメールを終えることができた。一時間位はだまってメールしてたんじゃないんだろうか? 今まで、迷惑メールや家族からのメールしかきたことない俺だったため、びっくりしたのも事実だ。


 「って、なんであいつが俺のメアド知ってたんだよ!!」


 少し怒鳴ってしまった。そのため、隣の部屋の国見先輩が俺の部屋に来た。


 「どうしたんだ? 野雫目。少しうるさかったぞ? ははぁん、なにかあったんだな。俺に教えてみろよ」


 などと楽しげに言ってきた。言いたくなかったが、言わないと帰ってくれないと思い、渋々言うことにした。


 「ただ、バイトの後輩がなぜか俺のメアドを知っていたってだけですよ。教えてもいなかったのに知ってたんでびっくりして大きな声になっただけです」


 「その子ってもしかして女か?」


 「まあ、そうですけど」


 「モテモテですなぁ。邪魔できないんで、もう俺は撤退でもするかな。あ、そうそう。嬉しくても、そんなに大声はだすなよ。周りの迷惑になるからさ」


 「モテるわけないじゃないですか。ぼっちな俺がモテるんだでったら、世の中の男子全員がモテてますって」


 「そんなことはないさ」


 「そうやってからかわないでくださいよ。心臓に悪い」


  「まあ、半分は面白そうだったから言ってみただけだよ。まぁ、あまり大きな声はだすなよ」


 国見先輩は笑いながら俺の部屋を後にした。

 国見先輩がいなくなった後、俺は風呂にはいり夜ご飯を食べ眠りについた。寝た頃にはもう十二時をまわっていた。

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