城ヶ根がバイト中、倒れた!?

 今日も今日とてバイトがある。はぁ、だるいなぁ。休めないかなぁ。まあ無理なんですけどね。それにしても休日にバイトとか、最悪だわ。


 「おはようございます」


 「以外とくるの早いですね、先輩。てっきりサボるかと思ってましたよ」


 何この子、いきなりディスってきたんですけど。なにそれ、少し泣きそう。


 「そんなとこでつったってないで早く着替えてきてくださいよ。他の人の邪魔になってるとかって思わないんですか?」


 「あ、あぁ。着替えてくるわ」


 最近、城ヶ根の俺に対する態度が酷い気がするんだが。前まではあんなに慕ってくれてたと思ってたのに、今じゃこんな感じだ。俺、なにかしたっけ。まあいい、早く着替えていかないとまた怒られるし、着替えますか! 

 俺は着替え終わり、城ヶ根がいるところに戻った。


 「遅かったですね。まあいいです。早く仕事しますよ!」


 「しょうがないだろ。ていうか、着替えってこのくらいかかるものなんじゃないのか?」


 「知りませんよ、男子の着替えの時間なんて」


 「そりゃそうか」


 「それじゃ仕事しますよ!」


 「そういや城ヶ根、いつもより顔が赤いきがするんだが、熱でもあるのか?」


 「だ、大丈夫ですよ。赤くみえるのは多分化粧のせいですよ」


 「そんなもんなのか? ていうか、城ヶ根って化粧してたんだな」


 「意外でしたか? ていうか、大半の女子は化粧してますよ?」


 「まじでか。女子ってみんな化粧してたのか。わからないものなんだな」


 「そりゃそうですよ。薄いだけで、よく見てみればわかりますよ。それはそうと、話ばかりしてないで、仕事しますよ」


 「そうだな」


 今時の高校生って化粧してたんだな。意外だったわ。ていうか、女子の顔まじまじと見たことないからわからん。それでも、なんか今日の城ヶ根の顔はいつもより赤いきがするんだよな。俺の勘違いなのかもな。


 「先輩、何してるんですか。早く仕事してくださいよ」


 「わあったよ。んで今はなんの仕事をすればいいんだ?」


 「今は皿洗いですね。それが終われば机ふきですね。それも終わったらまた指示します」


 「了解」


 ちゃっちゃと終わらせますかね。そう思い皿洗いしようとすると、何故か隣に城ヶ根がいた。というか、城ヶ根も皿洗いをしようとしていた。


 「城ヶ根も皿洗いなのか? いつも違いのやってたのに」


 「いいんですよ。ていうか、今はこれしかやるのないんですよね」


 「そうなのか」


 それっきり会話もなく、淡々と洗っていた。ていうか、さっきから肩とか当たっちゃってるんですけど。こんなに広いのになぜ近くで洗ってるんだよこいつは。


 「なあ城ヶ根、少し近いきがするんだが、広いんだしもうちょっと離れてくれないか?」


 「......わかり......ました」


 そう言って離れようとした城ヶ根だったが、足がおぼつかないでいた。何故かフラフラしていて、今にも倒れそうだった。


 「おい! 大丈夫か? 顔、めちゃくちゃ赤いぞ?」


 「大丈夫ですよ。これくらいで休めないです」


 「無理すんなって。ここで倒れられても困るしな」


 「大丈夫ですって、早く終わらせましょ......」


 言い切る前に倒れそうになった城ヶ根は倒れてしまった。それからの記憶は城ヶ根にはなかった。

 俺は自分の仕事を終わらせ、家に帰っていた。


 「すみません、今何時ですか?」


 目が覚めた城ヶ根は、そこのいた緑川さんに聞いた。


 「今は夕方の6時頃だね」


 「わかりました。そういえば、私が倒れた時、誰がここに運んだんですか?」


 「それは野雫目がやってくれたよ。あいつには言うなって言われてたが話してやる。あいつ、お前が倒れた後、この部屋まで運んで仕事の合間に看病してたようなんだよね。しかも、お前の仕事は全部あいつがやってくれたんだよね。後で野雫目にお礼でも言っておくんだね」


 「そうだったんですね。教えてくれてありがとうございます」


 「どういたしまして。今日はもう帰っていいから、しっかり休みなよ」


 「はい!」


 そう言って私は帰っていった。明日、先輩にきちんとお礼を言わないとなと思っていた私だった。


 

 

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