久しぶりに実家に帰った俺は

 今日は久し振りに実家に戻る日だ。彩菜に会えるし、久し振りにのんびりしよう、と思った俺は準備をして寮を後にした。

 今日は彩菜のお願いならなんでも聞こうかな。前回は帰ることを忘れてたし、そのお詫びもかねないとな。俺は内心、うきうきしていた。

 電車やバスを使って東京まで行く。長いはずの移動時間が短く感じた。俺はそれくらい楽しみにしていた。一応彩菜にもうすぐつくって事を教えないとくか。そう思い俺はメールをする。メールを送ると、すぐ返ってきた。「わかった。待ってるね!」とメールが返ってきた。妹のメールの返信速度が早いことにびっくりする。そんなやり取りをしているうちについてしまった。


 「たでーま」


 久し振りの家の戸をあけると、満面な笑みの彩菜がいた。メールをしたときからずっと待っていてくれていたらしい。


 「お帰り!お兄ちゃん!! 」


 そう言いながら俺に抱きついてくる。妹よ、その年にもなってお兄ちゃん離れできないのはお兄ちゃん的にちょっと心配になってきたぞ。まぁ、俺は嬉しいからそのままでいいんだかな。なんならもっと甘えてくれてもいいんだがな。

 ーーうん、気持ち悪いな俺。俺、妹好きすぎだろ。そう考えて、自分で落ち込んでいた俺に、


 「どったの、お兄ちゃん? なんか悩みでもあるの? 」


 「いんや、少し考えてただけだから大丈夫だぞ」


 そう言いながら彩菜の髪をわしゃわしゃと乱暴に撫でる。


 「や、やめてよ。お兄ちゃん」


 彩菜は嫌そうな口調で言っていたが、顔はそれに反して嬉しそうだった。


 妹の髪を撫でるのをやめ、リビングに向かった。彩菜は少し残念そうに落ち込んでいたが、彩菜もリビングに向かった。


 「彩菜、なんか飲むか?」


 「じゃあアイスコーヒー頂戴!」


 「あいよ」


 俺は妹の分もいれてやることにした。まあ、俺は安定のアイスココアなんだがな。これだけはやめられん。


 「そういや、親父たちは?」


 「なんかねー、急遽(きゅうきょ)仕事になったんだって」


 「そっか、ならしょうがないか」


 「そんなことより、学校はどうなの?あの二人となんか進展あった?」


 「......なんもないぞ」


 急に話題を振られ、俺は焦った。それも今は仲が悪いため、余計言いづらかった。


 「お兄ちゃんが言いたくないならいいや。どうせ何度聞いても答えてくれないんでしょ?なら、言ってくれるまで待ってるよ」


 「サンキューな」


 ほんと、妹には感謝してもしきれないな。


 「それよりも、どこかに行こうよ!折角帰ってきたんだしさ」


 「いいぞ。そもそも、今日は彩菜の言うことを聞くっていうことにしてたしな。前のお詫びもかねてだがな」


 「ほんとに?」


 「ああ、本当だぞ」


 「やった!これでお兄ちゃんに一日中甘えられるね!」


 彩菜は跳び跳ねて喜んでいる。そんな姿をみて、俺も嬉しくなった。可愛い妹のためならなんだってしてやる。とそんなことを思っていた。


 「ならさ、デクジニーランドに行こうよ!今からでも、沢山遊べるしさ!」


 「まあ、いいけどよ。ほんとにそれでいいのか?服とか買わなくていいのか?」


 「服はまた今度お兄ちゃんが来たときに、一緒にみに行くからいいよ!それよりも今は遊びたい気分なのです」


 「まあ、彩菜がいいなら別に構わないけどよ。なら、準備急げよ。もう出発するからな」


 「あいあいさー!」


 そう言って彩菜は部屋に戻り準備を始める。そういや、久しぶりだなデクジニーランドに行くのは。確か小学四年に行ったのが最後だったか。やべぇ、楽しみになってきた。

 そう思っていると、彩菜が着替え終わったみたいだった。ショーパンを履いているため、かなり脚の露出が多かった。太ももまで見えていた。絶対これ、周りの人、彩菜の脚をみるでしょ。断言できるね。


 「どったの、お兄ちゃん。ほら、早く行くよ!」


 そう言って俺の手を引っ張ってくる。


 「ちょっ、そんなに急がなくてもいいだろ」


 俺たちはデクジニーランドに向かった。移動中、彩菜と色々なことについて話をした。学校が楽しいだとか、運動会の時の話なんかもした。楽しく話していたため、デクジニーランドにつくのが早く感じた。


 「お兄ちゃん、沢山遊ぼうね!」


 「程々に頼むわ」 


 俺たちはデクジニーランドの門をくぐった。勿論、入場料は全て俺持ちだ。彩菜と楽しければそれでいい。なんて思っていた。

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