嫌われた2人はなにかを考える
寮に戻った俺は部屋に戻った。自分の部屋だが、咲久野たちがここで寝るため俺は邪魔になる。あんなことあったしな。あわせる顔がねぇよ。そして俺は部屋を変えよう。それかリビングでいいかな。どうせ寝るだけだしな。バイトするっていう手もあるな。確か前親父にも言われてたしな。
そうと決まれば早速なんのバイトを募集してるのか確かめないとな。調べていると、色々なバイト先があり、その中でもファミレスでのバイトに目を引かれた。ぼっちが接客なんかできるわけないだろ。そういわれてもしょうがないが、確かに接客なら無理かもしれない。だが裏方なら出来るだろう。こうみえて、家事全般はできるしな。他にもなにかないかななんて考えていた。
そうこうしているうちに、夕方になってしまったため、そろそろ咲久野たちが帰ってくる。なんでも水瀬は体育祭が終わった後、ひまわり荘に住むことになったらしい。
これで咲久野の面倒もみてくれるし、俺はなにもしなくていいから、楽である。その前に嫌われてるからなにもできないね、はい。まあいいや、早く荷物もって下に行こう。まぁ、あんま荷物っていう荷物はないんだがな。制服とパジャマくらいで今は大丈夫だろうしな。そんなことを思いながら急いで荷物の移動に移った。その間も咲久野たちは帰ってきている。
ーー咲久野と水瀬の帰り道、二人は野雫目くんに言われた事について話していた。
「なんで野雫目くんはあんなこと言ったのかな?」
「もう、そこはどうでもいいよ。私嫌われたんだ。確かにこんな面倒がかかるやつ、嫌だと思うよね」
「それ言ったら、私も嫌われたんだったね。なんかここまでずばっと言われると、あんまり悲しくないよ」
震えた声で水瀬は晴香にそう言った。咲久野も梨花が本心で言っていないという事を察した。また、私の事を気遣って言ってくれていることも分かり、私はその事が嬉しかった。光太なんて要らない、梨花がいればそれでいいんだ、と思ってしまっていた。
その後から、会話がほとんどなかった。歩いてる途中、水瀬は野雫目くんは本心であんなことを言っていないんじゃないか、と思うようになっていた。
そうこうしているうちに、寮についたため、部屋に戻っていく。正直野雫目くんがいたらどうしよう、と思っていたが、そこにはいなかった。ほっとしたが、悲しくもなった。いないことに、やはり前言われたことは本当だったのだと実感してしまった。私は泣いた。前言われたときは泣かなかったのだが、なぜか今になって泣いてしまった。泣いていたのを晴香に慰めてもらっていたのだけはわかったが、その後のことはよく覚えていない。
泣いた後、眠ってしまっていたみたいだ。晴香に起こされるまで気づかなかったが、もう随分と時間がたっていた。
「梨花、一緒にお風呂入ろうよ!」
「う、うん、わかった。ちょっと待ってて、準備するから」
起きてすぐに言われたため、慌てて返事をし、そのままお風呂に入る準備をする。野雫目くんは居ないと安心しきっていたのが間違いだった。下におりたら野雫目くんと遭遇してしまった。
「......」
「......」
お互いなにも話さずにそのまま通りすぎる。私たちはそのままお風呂に入った。晴香とのお風呂では、洗いっこなどしたてお風呂からでた。その後は寝ることにした。今日は色々ありすぎて疲れたため、ぐっすりと寝れるだろう。晴香も疲れていたのか、横になった瞬間寝てしまっていた。いつか野雫目くんと仲直りが出来ればいいな、と思いながら私は眠りについた。
俺はまさか水瀬と咲久野に遭遇するとは思わなかったため、遭遇したときはびっくりしてしまった。それでも顔にはださなかったがな。明日も早いし、そろそろ寝るか。俺はリビングで横になり、寝る体制になった。明日も静かに過ごせればいいな、と思いながら俺は眠りにつくのだった。
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