綺羅星先輩は変な人?!

 寮につくと、玄関にはなぜか綺羅星先輩がいた。なぜこんなところにいるんだよ。


 「綺羅星先輩、なんでそんなところにいるんですか?」


 「なんとなく、野雫目くんが帰ってくると思ったんだよ! だから玄関で驚かそうかなって思ってたんだよ!」


 なんで帰ってくることが分かったんだよ。てゆうか、驚かそうとするなんて意味がわからん。普通にしてほしかったよ。

 

 「おやおや~? 咲久野も一緒ということは、二人で出掛けてたのかな?いいねぇ~」


 俺の隣をみてそう言ってきた先輩は、正直うざかった。咲久野は一人でいれないってことを知っているのに、わざわざ言わなくていいだろ。と思いながら隣にいる咲久野を見る。咲久野も同じことを思ったのか、苦笑いしている。


 「綺羅星先輩、俺たち、もう疲れてるので早く部屋に戻させてください」


 「いやだもーん。これから野雫目くんには私と遊んでもらうもーん」


 「人の話聞いてました?俺、疲れたって言いましたよね?」


 「聞いてたよ!それでなにして遊ぼうかな~」


 ダメだこの先輩。人の話を全然聞いてくれない。もうこれは人間じゃないって感じだ。宇宙人だろこの人。俺は心のなかで綺羅星先輩のことを宇宙人と呼ぶことにした。


 「それじゃ今から野雫目くんの部屋でゲーム大会をするんだもーん。ホラーゲームにする? それとも格闘ゲーにする? いやどっちもやるんだもーん」


 「結局どっちもやるんですね」


 はぁ、とため息がでてしまった。こりゃ徹夜確定だな。そういえば、咲久野はどうするんだ?俺たちがゲームしてる間ただ見てるだけか?かわいそすぎだろ!


 「先輩、咲久野も一緒にやってもいいですか?流石に見てるだけだとつまんないと思うんで」


 「大歓迎だよ!なら、3人だからすごろくゲームにしようか。それともデュマッシュブラザーズでもやっちゃう?」


 うりうり。と楽しげに言ってくる。こっちは全然楽しくないんですけど。それよりはやく休みたいんですけど。

 ていうか、咲久野はそこで固まってるし。なにがあったんだよ。


 「おーい、咲久野? 大丈夫か? 」


 俺は咲久野の目の前で手を降る。それに気づいた咲久野は顔をぶんぶんふっていた。


 「大丈夫だよ! 少し話についていけなかっただけだから」


 そりゃーそうだろうな。俺もこの先輩なに言ってんの? って思ったくらいだからな。ついてこれなくてもしょうがない。


 「それじゃ、早速ゲームしに部屋に行くぞー!おー!!」


 綺羅星先輩だけとても張り切っていた。なんでそんなに張り切ってるんでしょうかね、この先輩は。こちとら、憂鬱でならないからな。

 先輩は一人ですたすたと俺の部屋に向かう。俺たちも置いていかれないように、後をついていった。


 ーー部屋につき、早速ゲームをする体制になった。そういえば、このゲームどこから持ってきたんだ?間違いなく俺のじゃないぞ?


 「このゲーム、全部あたしが持ってきたんだよ!」


 「そうだったんですね。ていうか、いつの間に持ってきてたんですか?」


 「うーん......忘れちゃった!」


 悪びれるようすもなく、そう言ってきた。いつ俺の部屋に入ってきたんだ?まさか無断で入ったのか?


 「今はそんなのどうでもいいじゃん!早くゲームするんだよ!」


 「はぁ......わかりましたよ。ほら咲久野も一緒にやるぞ」


 「う、うん!」


 咲久野はわけがわからず、楽しんじゃうぞ~!などと言っていた。これから過酷なことが始まるとは知らずに。そうはいっても、ただゲームするだけなんだけどね。


 「デュマッシュブラザーズやるよ!」


 「わかりました」


 俺と咲久野は早速ゲームのセッティングにはいる。まじでゲームすんのかよ。と思っていた俺だが、なぜか咲久野はやる気だったため、なにも言えなかった。


 「私、ファルカン使いなんだよね~。使いやすいしね」


 いけ、ファルカン!なんて言っている先輩。それをみて軽く引く俺。ていうか、腕振り回してるからパンチ喰らいそうになってるんですけど。まじ勘弁。

 

 「俺は断然カーフィーだな。滅多に落ちないしな」


 「私は、ゼクダかな。他にも使うけどね」


 皆楽しそうに話しながらゲームしていた。最初はなんでゲームなんかしないといけないんだ! なんて思っていた俺だが、やっていくと案外楽しくなってきた。

 俺たちは寝るのも忘れるくらい、ゲームに没頭していた。


 

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