廿日陽介に関するレポート②
監視対象、
彼の修得した、第2級指定秘匿魔術、仮称『ハーメルン』について。
現状、一部から彼自身が考案したものではないのではないか、という疑問が出ている。検討の結果、その真偽を確かめることは必要だと判断する。
対象は、『試練の塔』への挑戦を希望している。
そのためペンドラゴン校長との面談を経て、真偽を確認。
校長によれば対象自身が考案し、その意志によって実行したものと判断している。
ペンドラゴン校長の魔術を突破できる能力が、対象にない限りは嘘を突き通すことや、心の内を隠すことはできないものと思われる。
少なくとも、彼が何者かに操られている可能性は非常に低い。
当然、そのような形跡をペンドラゴン校長が見逃すはずはない。
『試練の塔』への挑戦を許可。
対象の資質や、その能力を探るには良い試金石となると判断。
なお、ペンドラゴン校長からの聞き取りによれば、対象の精神性は異常である。
「少なくとも、11歳の子供が持ちうるものではない」とのことである。
信念や正義のような強固な理由がなくとも、自分の精神や命を簡単に犠牲にできる性質が読み取れたと言うこともあり、危険性を秘めていることについては継続して留意すること。
もしも、彼がなんらかの組織によって、影響を受けていることが示唆されたり、あるいはその支配下にあるとなれば、その魔術の特性上事態は深刻となりかねない。
なお、いかに一般教員が集団で訴えたとしても、第2級指定秘匿魔術ハーメルンについての詳細な情報は絶対に公開しない。その内容をあらゆる方法で探ることもまた禁ずる。
もし、違反した教員がいた場合は、この一件に関する記憶除去だけでなく、それ以上の罰則が与えられる可能性があることをここに明記する。
追記:監視対象に、3年生フォルセティ・アンブロシウス・ウィスルトを付ける。
同時に、英雄セデンの息子である北村翔悟からの護衛役、兼監視を解任。
北村翔悟をサークル『炎の番人』へ入会させることで、身柄の把握を測る。
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