4回目:嘘:レンタルライフ

 結婚して三年。夜は寝ずに待っててくれる。朝はどんなに早くても食事を用意し起こしてくれる。急な飲み会も嫌な顔せず、休前日には……その、なんだ。本当にいい嫁だ。子供は要らないと思っていたけど、彼女となら。

「契約満了です」

 生まれたばかりの我が子を抱いて告げられた言葉に目の前が暗くなる。ちょっと待てよ。レンタルライフ、嫁オプション、延期だ延期!

「お支払能力を超えています」

 彼女は言う。淡々と言う。俺の目の前、手の届くそこで。

 仕事でも人生でも、払えるものならなんでも払う。だから。

「お支払いは真実・事実に限らせて頂いています」

 彼女は笑う。薄らと笑む。

「元より借金として生まれたあなたの何処に本当があると?」

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