観察開始。2

 これは一体何の集まりだね?w

 私はタカヒロに片想いをしている拉致られた被害者だし、その恋敵であるアサコはいつもと違ってばりばりテンション低いし、Y君はアサコを誘えて密かに舞い上がってるし。

 もう『異類な人物がしょうがなく集まって残念なトリオを結成しちゃいました』ていう感じがぬぐえなーいwww

 この三人で居るのは正直しんどそうだけど、アサコと二人で居るよりはずっとマシですわ ( ´ ω ` )♪

 ということで逆にY君をえさにアサコをじっくり観察することにした。



 まずはY君が唄う。

 つづいて何だかんだで徐々にモチベーションを上げてきたアサコが唄う。







 アサコ「 ~♪」



 う、上手すぎる★

 ドリカムの曲をここまで抑揚をつけて完璧に唄える知り合いに今まで出会ったことがないぞ!

 ……ちょ!

 Y君もいつも以上に目がハートになってるしwwwww



 アサコにつづいて私も曲を入れてみた。

 けれども何を勘違いしたのか全く覚えてもいないaikoの花火を入れてしまったのだ★

 イントロが流れた瞬間に青ざめる私( º言º; )







 アサコ「ミノ唄えるんだぁ(ニヤニヤ) 」



 出た!人を小馬鹿にした笑い方!

 そうやって人の気持ちを逆撫でするような人が一番嫌いなんだよ!(ʘ言ʘ╬)

 あわわわ★となって私が曲を消そうとすると







 アサコ「しょうがないなぁ~。

 私が唄って上げるッ♪(^O^) 」



 とそのままマイクを離さず、これまた上手~く唄い上げられてしまった。

 私のバカ!ドジ!

 少しでもアサコを見返せるチャンスだったのに…。



 そのあと何回か私の番が回ってきては唄うもののアサコとは雲泥うんでいの差だった。

 カラオケが終わるころにはアサコもY君もいつものテンションに戻っていて、何のわだかまりもなく明るい雰囲気で帰っていった。

 わだかまりが残ったのは私だけ……。







《この日の格付け発表》パンパカパーン♪



 実乃果=平凡以下でおっちょこちょい。

 アサコ=未知数な魅力の持ち主。

 Y君=論外(笑)







 ダメじゃん、自分!!

 ……。

 ……………。

 ふっふっふっ……ふははははははは!

 上等じゃーい!

 もっと闘争心がいてきたぜーい!wwwww

 と思えるワケもなく凹みに凹んだ。



 アサコに完敗…やぁ…。ぐふっ バタン。

 と布団に一体の死体が埋葬された。





 それでもバイトには行くゾンビ化状態の私。

 蘇生もちゃんとできていないのにまたもやアサコとの接触の機会が訪れた。



 神様ぁぁぁぁ!!

 今は観察どころではないのです★

 私が悪うございましたぁぁぁ!

 だからしばらくはそっとしといておくんなましよぉぉぉ!(´;ω;`)





 ---------------





 カラオケに行って数日後のバイト明けのこと、更衣室に向かっている私の後ろからパタパタと駆け足で向かってくるアサコを目撃した。



『後方数メートル、使徒を肉眼で捕らえました。』

 うわーーん★なんで走ってくんのーー⁉︎

 今にも目から光線が発射されそうで怖いんですけどぉぉ!

 もうマジで逃げたいよーぉぉおお!! (ノTωT)ノ



 けれども「逃げちゃダメだ…。逃げちゃダメだ…。」と勝手にシ○ジモードに切り替わる私www

 女子更衣室は二畳ほどの広さしかなく、流石さすがに沈黙のまま着替えるは気まずい…と思った私は「今日も疲れたねぇ(^ ^;) 」と軽く先制攻撃をしてみた。

 すると







 アサコ「ねぇ、ミノってタカッチのこと好きでしょ?」







 実乃果「 ‼︎‼︎ なっ★なに言ってんの!!? 」




 まさかのカウンター攻撃にパニックになる○ヴァ初号機。

 つーかなぜバレた!!?

「動け!動け!動けぇぇ!! 」と必死に抵抗するシ○ジ。







 アサコ「やっぱそーなんだぁ(ニヤニヤ) 」




 だからそうやって人を小馬鹿にする態度が苦手なんだってばぁ!

 もぅやめてくれーーー!! \(@Д@;)/

 と思っていると










 アサコ「私タカッチと別れたから付き合っちゃえばぁ?(ニヤニヤ) 」





 だーかーらー!! そういう態度が苦手だって言ってるやろぉぉおおお!




 …………。




 ……ん?

 今何て言った?



 タカヒロと別れた、だと??……

 なにゆえー!!!? Σ(゜Д゜;)

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