純愛とキモさの狭間で。2
飲みに行くことが決まったのは朝の6時近くで、こんな時間にやっている飲み屋はもうあそこしかないという事で隣り駅にある24時間営業の居酒屋に行くことになった。
その居酒屋はうちらみたいな深夜バイトを終えた人達には打ってつけの溜まり場であり、例に
よって誰しもが迷わずに現地にたどり着けた。
居酒屋に入ってからの私はタカヒロの情報を何一つ逃してはなるものか!と意気込み、見た目は平静を装いながらも耳はダンボ、心の目は血眼になって会話に集中したwww
メンバーはタカヒロを含めた男子3人と、私を含めた女子3人で、皆それぞれ年齢が近いもの同士ということもあって出る話題と言ったら趣味や学業、バイト先の話で持ちきりになった。
話し始めて数十分、タカヒロは雑学や勉学にも
タカヒロは周りの会話を旨く
かと思いきや自分の長袖のシャツを七分丈になるところまでズリ上げ、ちょっと気だるそうではあるけれどスラッとした手でツマミやお酒を口に運んでいく。
その優雅な姿は丸でどこかの王子様のようだった。
本物の王子様だったら人前で気だるそうにはしないのだろうけれど実乃果アイズにはそういう風に映ったらしいwww
私は未成年なのでウーロン茶を飲んでいるのだけれど何故か酔っぱらっている模様。
あ~至福の時ぃぃぃ♪(*´﹃`*)
タカヒロと同じ空間で息をし、こんな間近でタカヒロを見ていられるとは何て幸せ者なんでしょう。
ていうかタカヒロが王子様に見えてる辺りで重度の病いかも(ノ∇ ≦*)キャッ!
………。
……おおぅッッッ!!
こーしてる場合じゃない!
ワタクシメにはイケメン・タカヒロの情報をGETする使命があったんだったぁ!!
一人お花畑で あはははは~♪となっている所から帰ってくると運良く恋愛の話しに切り替わるところだった。
やはり皆もタカヒロの恋愛には興味があるみたいで本人に聞こうと一点集中していた。
男「 で、タカッチはどーなん?」
タカヒロ「 ん? アサコ? あんまり旨くいってないかな…。」
と言ったタカヒロは他には何も語ろうとはせずに口を
彼女がいることはショックだったけどイケメン・タカヒロにだったら居てもおかしくないかぁ、と冷静に考える自分もいた。
しかし彼女がこんなにも近くにいたのに全くそれに気が付かなかったなんて全くどこに目が付いてんだよな…。
とはいえタカヒロの「旨くいってない」という発言は朗報だった。
朗報だなんて私ってばホント小さい奴…と思いながらも少しばかり望みが出来たのも事実だ。
そういえばタカヒロのことを気にはなってはいたもののタカヒロの好きなタイプについては全く考えたことがなかった。
この『アサコ』というは同じバイト先で働いている女の子のことで、
一方の私は人見知りでネガティブで、居ても居なくても周りに心配されないような存在だ。
うぅぅ…。
どう考えても真逆なタイプだ(´;ω;`)
しかしアサコが彼女だったんだぁ。
アサコねぇ………。
二人の馴れ初めや付き合ってどれくらい経つのかなど聞きたいことは沢山あったけれど私には発言権も無ければ切り出す勇気も無かった。
なので何も聞き出せずにこの日の飲み会は終了した。
今後このアサコの存在に大きく苦しまされる事になろうとは、この時の私には知る
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