第89話 最後の決戦

「来ましたか…」

「ああ…待たせて悪かったな…ようやく冥土に行けるぜ?あの世への片道切符だ」

カズは刀…ではなく木刀をスターに向ける

「天国か地獄か行き先はわかりゃしねぇがな…」

ガキィィィン!

2人は剣を交える

しかしその実力差は大きく…

「やはり君では私を倒せない…」

カズは地面に叩きつけられた…しかし…

「やはり立ちますか…」

カズは何度地面に叩きつけられても何度吹き飛ばされてもスターに攻撃をしていく…

最初は余裕を見せていたスターだったが…

(何だ…この感覚は…恐れ?私はこの男を恐れているのか?いや違う私は感情などとうの昔に…)

「おいおいどうした?動きが鈍くなってるぜ?」

「…………」

「だんまりか…だったら!」

カズは全力を込め木刀でスターを突き飛ばした

「な…」

「反撃開始だああああああ!!」

カズはスターの顔、腹、腕、足と猛攻をかける…そして…

「どうしました?まさかここで反撃終わりですか?」

「…いくつか聞きたいことがあってな…てめー何でさっさと切り札を出さなかった…初めから出してりゃ確実にパークを消せたぜ?」

「別に理由なんてありませんよ」


「本当は止めて欲しかったんじゃねーのか?」

「何を…言っているのですか…」

「パークを憎みながら心のどこかで止めて欲しいと思ってたんじゃねーのか?」

「まさか…そんなことは…」

「だったら何でコウリュウを殺さなかった、あいつはお前の邪魔になるほど強かったはずだ…」

「………」

「フレンズを殺したくなかったんじゃねーのか…本当は…」

「違いますよ…」

「本当は好きだったんだろパークがフレンズが…だからてめーは…」


「黙れ…」

ガンッ!

スターはカズに斬りかかる

「図星か?随分ムキになってるじゃねーか」

「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れええ!」

スターは攻撃をやめない

「感情的になった今のお前じゃ俺は倒せねーよ!」

「黙れええええええええええ!」


「こいつで終わりだ…」

カズは木刀でスターを吹き飛ばし…

ガンッ

スターは船にぶつかる

カズはすぐにスターと共に船へ乗り込み…


「今だ!ポンコツ!」

「ワカッタ」

「ラッキービースト…いつの間に…」


カズ達が図書館から遊園地に向かう前に遡る…

「おいポンコツ」

「ラッキービーストダヨ」

「今からお前に頼みがある…断っても構わねぇ…スターを殺すにはこれしかねえ…」

「………」

「俺が乗って来た船はポンコツとリンクし動かす事が出来る…俺があいつを誘導して船に乗せる…そしたらすぐに船を動かしてくれ…だがお前も一緒に沈む事になる…やってくれるか…」

「…ワカッタヨトモカズ…」



船が動き出す

そこへかばん達が到着する

「カズさん!」

「さっき天国か地獄どっちに行くかわからねーと言ったが訂正だ…一緒に地獄行きだ…俺が案内してやるよ…地獄への船旅ツアー一名様ご案内!たっぷりもてなしてやるぜ!」


ガシッ!

カズはラッキーを掴んだ

「ア…」

「やっぱりお前を巻き込むわけにはいかねーよ…悪かったな今までポンコツって呼んで…それと…」

カズは小声で

「今までありがとうよ…ラッキー…」

カズはラッキーをかばん達に向け投げる

「受け取りやがれええええ!」

ドン!

かばんはラッキーを受け止めた

「カズさああああん!!!!」


船はあっというまに見えなくなった…


「一体どういうつもりですか?まさか海に沈めるわけではないですよね?」

「んな事しねーよ…そろそろ来るはずさ…」

「何を…これは!」

スターの体から光が

「フレンズはパークから出ると元動物に戻るサンドスターから生まれたお前はどうなるか…答えは簡単だ…」

「消える…それは私が死ぬという事ですか…なら君を殺し船をまたパークに戻すだけ」

「戻す?言っただろ?俺が地獄へ案内してやるって…」

カズはそう言うと船に火を放つ

「悪いがここから先は一方通行だ!俺もお前も!」

「…だったら君を殺し私は自力でパークに……」

スターはカズに斬りかかろうとするが…

「…これはいったい…」

「どうした?固まっちまって」

(体が…動かない…それに勝手に…)

スターが突然…


「トモカズ…強くなったな…」

「…親父…」

「久しぶりに会えて嬉しかった…母さん達にもよろしく伝えてくれ…今までありがとう…幸せだったと…」

「親父いいいいいいいい!!!!」


スターは…消えていった…


そしてカズは船と共に…



一ヶ月後…

「はあああああああ!」

パッカァーン!

かばんはセルリアンを倒していた…

カズはあれから帰って来ることは無かった…


次回パークを護る者…最終回

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