第82話 正体

セルリアンの刀はコウリュウ…ではなく砂浜に刺さる…

「…何故殺さない…」

「あなたの様な強い者を殺せば楽しみが無くなりますからね…」

セルリアンは刀をしまい歩き出す

「…敵の情けで生かされるとは…不甲斐ないのぉ…」

コウリュウは気を失った…


「これは…研究室か?」

「さあ?私も見つけたばっかだからわからない」

「でもこの扉…何か書いてありますよ?…パスワードを入力してください…」

「なんじゃ…パスワードなぞ知らんぞ…我の炎で焼き払ってやる」

「やめろそなたの炎で中まで燃えたらどうするつもりだ」

扉のパスワードに苦戦していた…そこへ

「よお?手がかりは見つかったか?」

カズが図書館へやってきた

「手がかりがありそうな扉を見つけたんですけどパスワードがわからくて…」

「あ?パスワードだぁ?ちょっと見せてみな」

カズは扉を見つめ…

「パスワードはこれだろうな?多分」

4つの数字を打ち込んだ

0111

扉が開く

「何でわかったんですか?」

「…パークにとって大切な日さ…」

カズ達は中へ入る

「何かの研究室らしいな…」

中には様々な器具…そして檻があった

机の上に一冊のノートが置いてあった

「…これに書いてあるかもな…」

カズはノートを読み始める


1月14日 サンドスターロウの原石の一部及びサンドスターの原石の一部を手に入れる


1月20日 研究は成功だサンドスターロウとサンドスターを合成し一体の生命体が誕生する我々はこれをスターと名付ける


そのページには写真が挟まれていた

そこには少女が写っていた…


1月25日 スターはフレンズの生態、セルリアンの生態2つを兼ねそろえている…素晴らしい研究材料だ


1月28日 セルリアンの調査が始まる我々はスターを使いセルリアンの討伐方法を研究する


2月3日 スターの研究は続く、セルリアンは石を保有しそれを破壊すると消滅するらしい…何故かこいつは消えない…他のセルリアンは消えたはずなのに…


2月10日 我々はスターを恐れ始めたセルリアンの弱点である石の破壊、海へ沈める…これらを試したがこいつは死なない…


2月20日 セルリアンに食わせ消滅を計るが…元々のサンドスター保有量が多いのかセルリアンは奴を消す前に破裂していく…


2月27日 スターは何をやっても死なない…火で燃やしても…海へ沈めても…セルリアンに食わせても…石を破壊しても…サンドスターそのものから作られたからか保有量が普通のフレンズの530000倍…更に異常な再生力…


3月4日 試しに他のフレンズと合わせてみた最初は戸惑っていたが次第に仲良くし始める…理由はフレンズの心理を確かめるためだ…


3月8日 種明かしの時だ我々はスターと仲良しのフレンズ全員にスターの正体を明かした…だがフレンズ達はスターを軽蔑しなかった…どうやら生まれなどは関係ないらしい


3月15日 あれ以来スターは我々に攻撃するようになった…やれやれ…ただ仲良しのフレンズを解剖しただけだろう?


3月17日 ついに恐れた事が起きた…いつものように餌を与えに行った研究員がスターに殺された…仲良くしていたフレンズの形見の刀を隠し持っていたらしい…これからは気をつけなくては…


3月20日 スターは我々の手には負えない…もう一度あらゆる方法を試した…だがあいつは死なない…我々はあいつのサンドスターロウの濃度を上げた…フレンズを大量に食わせ破裂させるために…


3月21日 あれだけのフレンズを食ったのに破裂しなかった…どうやらサンドスターがサンドスターロウの濃度を戻す事で上手く消費したらしい…スターは前より我々に攻撃的になった…更にサンドスターロウが無くなればサンドスターを勝手に変換することもわかった…その逆もだ


3月29日 あの日以降あらゆる方法を試した…だが死ぬことはなかった…我々はスターを檻に閉じ込めた…そしてこの研究も終わりだ


「何だよ…これ…」

「酷い…酷すぎます…」


次のページをめくるとまた文字が…しかし前の文字とは少し違う

「この字は…親父の…」


俺は恐るべき事実を知ってしまった…まさか40年前にこんな恐ろしい事が…しかし檻には穴が…スターと呼ばれたフレンズは逃げ出したのだ…マズイことになった…


ついにパークから完全撤退…だがまだスターは見つからない…


あれから2年後俺は上の人間に全てを話した…そして再びパークへ…なにが起こるかわからない…だから俺は全てをここに記す…


「…………」

カズは無言でノートを閉じた…

「カズさん…」


「行くぞ…遊園地へ…」

「…ですが…」

「あいつにどんな事情があるか知らねーがパークを崩そうとしてるんだ止めねーと…」


カズは歩き出す…

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