第63話 追跡

騒動が起こった次の日さばんなのカズの家に客が来ていた

「怪我はどうだトモカズ」

ヤタガラスである

「あんたの応急処置のおかげでだいぶ良くなったさ、ライオンはどうした?」

「今はまだ寝ておる、あの様子ならもうすぐ目を覚ますだろう、今日はその方に話があって来た、余がその方に会いにいけなかった訳を話そう」

カズ達はリビングへ移動する

「お茶でございます」

「すまぬな、しかしセルリアンが仲間とは10年前を思い出す」

「それより話があるんだろ?思い出話はその後にしようぜ」

「いや、話が終わればすぐに行く」

「そうかい、で結局なんの話だ」


ヤタガラスは話を始める

「実は…ある者を追っていてな、余は最初ただの人間と思い放っていたがそいつは人間ではなかった」

「…人間を食ったセルリアンか…」

「ああ、あれは危険すぎる…だから今まで追っていたのだ」

「なるほどな、俺たちが倒したから追う必要がなくなった訳だ」

「違う、その方らが倒したのとはまた別のやつだ…」

ヤタガラスはセルリアンについて話し出した

「仮面をつけていた…なぜかは分からぬが…その方らが倒したのは仮面をつけていなかったろう?」

「…見てたのかよ…」

「ちょうどその時あの山で奴の痕跡を見つけてな…追っていたのだ、今までは必ず奴が通った痕跡が残る…だがついに奴を完全に見失った…」

「痕跡?」

「………セルリアンだ…奴が通った後にはセルリアンが大量に発生する…しかもそのうちの一体が人型セルリアンだ…」

カズは深刻な表情で…

「じゃあ今まで人型セルリアンを作ってたのは…」

「ああ…たった一体のセルリアンだ…そして…」

そこへゼロが

「女王様を作り感情を与えたのもそいつですよ…トモカズさん…」

「なんだと…」

「感情を与えられた女王様は側近であった私に感情を与えた…」

「それだけではない…10年前の異変…その元凶がそいつだということもわかった…」


「…つまり、10年前に失敗したから今になってまたパークを…」

「そうだ…だから余は奴を追っていたのだが…神出鬼没、そこにいたという痕跡しか見つからなかった…」

ヤタガラスはカズへ問いかける

「その方、どうやらそれ以外に気になることがあるらしいな」


カズは悩み…そして


「あの寄生野郎…黒幕と俺の匂いが似てるって言ってたのさ…もしかしたら…」

「行方不明になった親父殿か…それはないな、奴が現れたのは10年前、親父殿が行方不明になったのは8年前であろう?」

「だったら…何故だ…」

「それは分からぬ、とりあえず話しは終わりだ余は引き続き奴を追う、ではさらばだ」

ヤタガラスは家を出た


「………」


「悩んでいても仕方ありませんよ?トモカズさん」

「ああ…そうだな…」

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