第61話 最悪

ここはへいげんちほー…ライオンの城である

カズはライオン…ではなく部下に呼ばれていた

「なるほどね…ライオンが行方不明…あいつがそう遠くに行くとは思えねえな…」

「頼む…大将を探してくれ!」

「わかったよ、出来るだけ探してみるさ…」

カズは城を出た

そこへ…

「見ぃつけた!」

ジャキン…

突然人型セルリアンが爪で攻撃して来た

カズは間一髪で躱す

「おいおい危ねぇじゃねぇか、いきなり来やがって」

「ひひ…あんた…人間だろう…匂いがするよ…フレンズとは違った匂いが…」

「嗅覚が鋭いセルリアンか…あまり意味ねぇんじゃねぇのか?」

「そんな事はない、目くらましされても相手が見えるからねぇ…」

カズは木刀をセルリアンは爪を構える

「悪いが俺は今探し物してるんでなお前に構ってる暇はない、さっさと片付けさせてもらう!」

「あんたはあの方の計画に邪魔なんだよぉ!」

ガキィン!

木刀と爪がぶつかり合う

カズは爪をセルリアンは木刀を躱しながら攻撃を加える

(なんだ…なんだこの感覚は…俺はこの動きを知っている…どこだ…思い出せ…思い出せ!)

ザク…

「うぐ…」

カズは肩に攻撃をくらってしまう…肩からは血が滲む

「おいおいどうした?血が出てるよ、ダメじゃないか戦いの最中に考え事をしちゃ」

しかし今度はセルリアンの手から血が…

「おいおいどうした?血が出てるぜ…待てよ…セルリアンなのに血…まさか!」

「ふふふ…気づいたかい?さぁどうする?俺は今すぐあんたを消したいねぇ…あんたからはあの方と似た匂いがするからねぇ…目障りなんだよ!」

セルリアンはカズへ攻撃を仕掛ける


場面は変わりさばんなちほー

「カワウソは大丈夫なのか?」

ジャガーが訊く

「えぇ、トモカズさんからいただいたサンドスターの結晶を治療に使いましたからね、あと少しで目を覚ましますよ」

ゼロが答える

「突然血だらけで来た時はびっくりしましたよ…あなたを助けてくれって」

「そうか…かばんはどこに行ったんだ?見当たらないが」

「ああかばんさんならへいげんに行きましたよトモカズさんが心配だと」



へいげんでは…

「クソッタレがぁ…」

「どうした?息が上がってるよ?攻撃も弱くなってる、手加減してるのはバレバレなんだよ」

「て…てめー!」

「じゃあそろそろ終わりにしようねぇ!」

セルリアンは力を込め始め…爪を思い切り薙ぎ払った

カズは木刀で防ぐが…

バキッ…砕かれた

「ぐはっ!」

カズは後ろへ吹き飛ばされ城壁にぶつかる…そして

ブシャアアアア…

カズの腹から血が飛び散る

「おいおいこりゃヤベェ…」

目の前にはセルリアンが迫っていた…

ズドォン…

セルリアンは爪をカズに突き刺した、壁にはヒビが入りカズの口と腹から血が噴き出す

「ふふふ…もう終わりだねぇ…そんなもんじゃパークは護れないよ…」

「……………」

「だんまりかい?残念だねぇ…」

セルリアンはカズから爪を引き抜き…トドメを刺そうと腕を挙げる

「さよならだよ…」

セルリアンは爪を振り下ろすが…

「はあああああああああああ!」

かばんが木刀…ではなく刀でセルリアンの腕を弾いた

ドサ…腕が宙を舞い地面へ落ちる

「あーらら、腕がとれちまったよ酷いことするねぇ君」

「それ以上近くつもりなら次は首を刎ねますよ」

かばんは刀をセルリアンに向けるが、カズがかばんの腕を抑える

「やめろ…こいつに手を…出すな…こいつは…」

カズは血を吐きながら喋り出す

「カズさん!無理しないでください!」





「こいつは…ライオンだ…」

「え?」


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