第55話 平和

「…終わったな…」

「帰りましょう…平和なパークに…」


カズ達が山を降りるとフレンズとセルリアンがいた

「どうやら終わったようだね」

「ああ…これでしばらくは大丈夫だろ」

「カズ、オオカミから話は聞きました…何故あのような危険な真似を…」

「止め方があれしかなかったのさ…黙ってたのは悪かったよ」

「図書館でこれからパーティを開きます、そこで料理するのです」

「別に構わねぇがもう少し大きいフライパンを用意してくれ、あれでパスタを茹でるとビーフンになっちまうからよ」


その後カズ達は図書館で大いに盛り上がった

料理も無くなりフレンズ達は帰っていったがカズはある事に気づく

「…どこ行きやがった…かばんあいつ

「かばんさんなら先ほど1人でどこかへ行きましたよ…あの方角は港でしょうね」

「サーバルも連れずにか?いくらなんでも危ないだろ」

「おや?心配ですか?もうすでに安心できるほど強くなってると思いましたが」

「それでも危ないのは変わらねぇよ…」

カズはスクーターに乗り港へ向かった

「やれやれ…素直に言えばいいんですよ…かばんさん…」


かばんは浜辺に座り海の向こうを見ていた…その隣に港に着いたカズが座った

「どうした?海の向こうなんか見て、何か見つけたか?」

「何も見つけられ無いから見てるんですよ…言いましたよね?前は途中で電池がなくなって帰ってきたって…」

「そうか…お前は人間を探してたんだったよな…すっかり忘れてたぜ…」

カズは話を続ける

「だがいいのか?探しに行かなくて、ここに人間は俺とお前しか居ない…なんだったら俺の船使ってもいいんだぜ?」


かばんは少し考え…そして


「このパークで生まれて僕はいろんなものを貰いました…名前を…勇気を…思い出もたくさん…それにいろんなフレンズさん達にも…サーバルちゃんにも…カズさんにも出会えたんです…」


かばんは少し笑いながら


「だからいいんです…僕はパークで暮らします…守って行きたいんです」

「そうか…なら何も言わねぇよ…お前の人生だお前が決めろ」


「ですが、もしカズさんが外に帰るときがきたら…その時は僕に海の向こう側を見せてください」

「ああ見せてやるよ…必ずな」

「約束…で…す…よ」

かばんは眠ってしまった

「やれやれまだまだってところだな…まあ今日はいろいろあったしな…」


カズはかばんを背負いさばんなに歩き出した

「スクーターは明日取りに来ればいいか」



「くっ…こんな所で…俺は…」

山では朧が這いずっていた、そこへ

「やれやれ…まだ息がありましたか…手酷くやられたものですね…」

「もう一度チャンスをください…次こそは必ず…」

「…あのセルリアンを仲間にできなかったばかりか人間にやられるようなあなたに…二度目はありませんよ」

黒い影は手にした刀で朧の石を砕いた

「さて…人間にフレンズよ…しばらく仮の平和を楽しみなさい」

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