第50話 決意
遊園地での事はすぐにパーク中に広がった、悲しむフレンズ、怒るフレンズがいたが彼女達は何も言わなかった…誰が一番悲しんでいるか知っているからである
あれからパークには雨が降り続く…
雨にもかかわらず遊園地に1人誰かが立っていた…そこに近づくもう1つの影が…
「やれやれ、こんな雨の中居たら風邪を引いてしまいますよ、かばんさん」
「……………」
かばんは何も答えない
「そんな事してもトモカズさんは生き返りません、さぁ早く家に帰りましょう、サーバルさんが待っていますよ」
「僕が…僕が付いて行くって言わなければ…カズさんは…カズさんは…」
「あなたのせいではありませんよ、あのセルリアンが選んだのがあなただっただけの事、気にする事ではありません」
「でも!ヒグマさん達なら反撃できたはずです…僕は何もできませんでした…」
「嘆いてもしょうがないです、あなたにはやるべき事があるでしょう」
「僕に…僕に出来ることなんか…なにも…」
その言葉を聞きゼロはため息をついた、そして
「トモカズさんは腰抜けだったのですね」
「なっ!」
「あなたとトモカズさんは師弟関係と聞きました、弟子がこのような腰抜けでは師匠であるトモカズさんはもっと腰抜けでしょうね」
「カズさんは腰抜けなんかじゃない!これ以上カズさんを悪く言うな!」
かばんは目を光らせゼロへ摑みかかる
「…それでいい、あなたは言い返すことも出来ない状態だと思いましたが…心配はいらないようですね」
「………そのためにわざとカズさんを…」
「えぇ、不本意ながら」
「ですが…僕は何もできない…弱虫です…」
「いい加減にしてください!あなたはまだそんな事を言うのですか!師匠の役目は弟子に何かを教えることです!なら弟子の役目は何ですか!師匠からそれを受け継ぐことでしょう!あなたが受け継いだのは強さだけじゃない、パークを護ろうとする魂も受け継いだはず!」
ゼロはさらに続ける
「あなたはこのまま何もせず終わるつもりですか!あの人のたった1人の弟子でしょう!」
「そうですね、僕は弱気になってました…ゼロさんの言う通り、僕はあの人の代わりにパークを護ってみせる!」
その時雨が上がった
「それなら一度帰りましょう、私は後で行きますよ」
「はい、わかりました」
かばんは遊園地を出て行く
「やれやれ…仇は取りたいですが…あの人に譲りたいのでお引き取り願いますか」
ゼロの後ろにはセルリアンが立っていた
「お前に話があってきた、どうだ俺たちと手を組まないか?」
「つまり、あの人たちを裏切れ…と」
「セルリアンであるお前だからこそ頼んでいる」
「裏切り者…ですか…フフフ…」
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