第22話 後悔と覚悟
かばんは長と話をしている
「そうですか…わかりました」
「打ち所が悪かったのか、まさか頑丈なサーバルが目を覚まさないとは…」
サーバルはあれから眠り続けている
その頃カズの元へヒグマが訪れる
「すまない、あのセルリアンを取り逃がしてしまった」
ヒグマは謝罪するがカズは
「いや逆にありがたいね、あいつだけは俺が
静かに言った
そこへかばんがやってきた
「サーバルちゃんはまだ目を覚まさないみたいです…」
「…そうか」
「カズさん話があるんですが」
「なら私たちは席を外そう」
ヒグマ達は部屋を出た
「で?話ってなんだ」
「さっきのセルリアン…あれがカズさんの友達を食べたセルリアンですよね」
「あーそうだよ…」
「教えてください、あの話の続きを」
「……あいつからは名前だけじゃねー、勇気、思い出、あまり関係ねーが木登りも教えてもらったよ」
カズは続ける
「木登りが得意なのにおっちょこちょいでな、よく木から落ちたり、川に落ちたりしてたな、しまいには氷水の中にも突っ込んだ…寒いのが苦手なのによ…」
「それってまさか…」
「ああサーバルだよただし先代のな、いやもしかしたらもっと前かもしれねー」
「だからあんなに…」
「世代は違うが重ねちまってな、つい感情的になっちまった」
「あんだけ切れたのは先代のコノハズクとワシミミズクにあいつを馬鹿にされた時以来だな、いやその後にもあったか」
「だからあの二人に不味い料理を…」
「違うってわかっちゃいるんだがな…俺もまだまだガキって事だ」
「パークを出た後は強くなろうとした、運がいい事に親父は剣道の達人でなよく稽古をしてもらったよ」
「へーいいお父さんですね」
「だがそんな親父ももう一度ここへ来たきり行方不明、ポンコツを連れて来たらしいが戻って来たのはポンコツだけだった…」
(なんだよ…!ラッキーがいれば大丈夫じゃなかったのかよ!返せよ…父さんを返せよ!ポンコツ!)
「だから必死に強くなろうとした…あいつとの約束を護るために…親父を探すために…だが俺はまだまだ弱かった…」
「カズさんは弱くなんかありません…強いです、だからお願いがあります!僕を弟子にしてください!強くなりたいんです!」
かばんはカズに頭を下げた
「僕が強ければサーバルちゃんも、カズさんもこんな事にはならなかったんです…だから…お願いします!」
カズはため息をついた
「駄目だ…悪いが俺にそんな資格はない…諦めな…おまけに厳しいぞ生身の人間が
「それでも構いません!どんな事にも耐えてみせます!」
「……どうやら覚悟はあるらしいな…いや俺が逃げてただけか…よしわかった!やるからにはとことんやるぞ!絶対に弱音を吐くなよ?」
「はい!」
かばんの修行が始まった
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