第20話 10年前

「あれは10年前、ここに年齢というのがあるかわからねーがあの時俺は12歳…まだガキだったのさ」

カズは続ける

「俺の両親がパークの職員でな休みの日にはよく連れてってもらったよ」

「じゃあパークには何回も来たんですね」

「ああ、何回か来るうちに友達が出来た、そいつとはよく遊んだよ、あの時が一番楽しかった…」

「だがそこにセルリアン大量発生事件が起きたのさ」

「ツチノコさんが言ってた例の異変って…」

「セルリアン大量発生の事だろうな、客はすぐに避難、残ったのはフレンズと職員だけだった」

「フレンズと一緒に戦ったらしいが結果は今の現状を見ればわかるだろ」

「つまり…負けたという事ですか」

「俺がまだガキだったからお袋は一緒に外へ親父がパークに残った、帰って来るのは一週間に一度だけ、俺はある日こっそり親父についてったのさ」

「危ないのに…ですか?」

「職員がパークから完全に撤退すると聞いてな別れの挨拶をあいつとするために行ったが…行かなきゃ良かったと後悔したよ」

「どうしてですか?」

「まず俺は一緒に戦えなかった…もっと強ければ…と何度思ったか…」

「結局パークを捨てることになった、人間は…俺たちは逃げたのさセルリアンから、フレンズ達を置いて…」

「そんな事が…」

「もう会えねーと思ったが外へ出るときあいつはやって来た…だから約束したのさ」

「約束…ですか?」

「必ず強くなって帰ってくるってな、だけどよ」

「あいつは…俺の友達は食われた…セルリアンにな」

「そんな…」

「あの時の事は今でもたまに夢に出るよ」


(約束だよ!絶対強くなって帰ってくるから!)

(うん!またね!カズ君を待ってるから)

二人は指切りをした、そこへ

(あれは…セルリアン!逃げてカズ君!)

カズは押されて船に乗った

(ダメだよ!食べられちゃう!)

(ごめんね…私が約束破っちゃった…じゃあねカズ君)


「いつか仇はとるさ…あのセルリアンの姿は今でもこの目に焼き付けたままだ…」

「普通のセルリアンじゃないんですか?」

「あんな雑魚にやられるやつじゃねーよ…龍みたいなセルリアンだった…」

「龍…ですか」

「だから俺は帰って来た、あいつからはいろんなものを貰ったのに返せてねーからな、約束ぐらい護らねーと」

「いろんなもの?」

「あぁまずカズって呼び名はあいつがつけたのさ…俺はおかしいと言ったんだトモカズならトモじゃねーのかと、するとあいつは」


(だって職員さんにいっぱいトモさんが居るから友達は違う名前がいいかなって)

「だとよ」

「素敵じゃないですか、僕も友達から名前貰ったんですよ」

「なるほどな」

「そういえばまだ聞いてなかったですね友達は何ていうフレンズさん何ですか?」

「ああそれは…」

しかし

「大変なのだー!」

アライグマとフェネックが走って来た


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