自由漢詩 ~ 方陣絶句

ねことバス

闇夜声走

雷来轟夜 雷来たりて轟く夜

音響々嵐 音は響々の嵐

吠如吹荒 吠える如く吹き荒ぶ

空光風舞 空は光と風に舞う


雷来轟夜

音て々の

の響と嵐

吠く吹の

え如く荒

るく風ぶ

空光 る

 り 舞




渇いた風は姿を隠し

張り付く潮風

星は輝きを失い

月は雲隠れ


天空は色を失ったのですか

もしくは、すべての色が絶頂に達したのですか

そのさまは暗幕が降ろされた舞台のようで

(けだし、波は反って騒がしくあります)


いわば、光と色を失った世界の余韻と言うのでありましょうか

終わりというものが幻想ならば

それは新たな幕開けを期待するものでもございましょう

(ただし、波と風はそれを知ってるかのようです)


空には月も星もありません

激しい潮騒と

果ての見えぬ暗闇というものがただあるだけでございます

いわば、この舞台に立ってるのはワタクシ独りであり

人生のどん底を表しているのやも知れません


しかし、終わりというものが幻想であるならば、これは新たな始まりなのかもしれません


暗闇をイカヅチが走ります

刹那に漆黒に染まった世界に



光を与えるのです



それは歓喜になり得るでしょうか


それとも、狂喜となるのでしょうか


空には


月も


星も


ありません



ただ、暗闇の中を

荒々しく駈けていく光の線が

生き延びようとする獅子の如く

ワタクシの目に映ると言うだけであります



月も星も在りません


嗚呼、嗚呼、光の粒子の一つで在れば


それでいいのです


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