第9話 死の境

ならべく速くここを終えた方がいい。俺は直感的にそう感じた。 機能はついている。なら何とかなりそうだ。まだ戦う相手もいなさそうなので、戦わずここを抜けられそうだと思った瞬間目の前に何かが現れた。しかし俺は無視することにした。

「高ジャンプモード!」

俺は目の前の敵?を高くジャンプして避けていった。少しチートぽいかもしれないが今はそんなの気にしない。みんなを助けるためだ。

ジャンプしている間、下を見てみるとあいつはいなくなっていた。どこへ行ったのだろうか。

と、突然上から俺は攻撃をくらい、下へ落下していった。

土埃が舞い、視界が見えづらくなってしまった。攻撃したやつは・・・・・・さっきのやつだよな。俺は赤外線モードを起動し、辺りをくまなく見ていった。あいつはいない。またどこかへ消えた。

いや、目の前にいた 。こいつは赤外線に映らないらしい。

「お前1人だけか?」

俺は余裕を持っている。相手は見た感じひとりだ。相手は喋れないのか、全く返事をしない。なら―

「怪力モード!」と叫びながら俺は相手にパンチを食らわせた。

「やったか!?」

しまった。フラグを立ててしまった。

俺は勝ちを確信してしまっていたが、相手は1ミリも効いてなさそうだった。

俺の手は捕まれそのまま180度捻られた。

俺はその捻りを利用し相手に蹴りを入れた。

しかしそれも通用しなかった。

相手はもう片方の手で俺の足も掴み、握りつぶした。

右手と左足を失い、俺はもう戦力外。ここは逃げるしかな――

光のような速さであいつの手が目の前に現れた。俺はギリギリで避けたが、今度は相手の右ストレーとパンチが来た。

まずい、これは避けられない!

俺はストレートに決められてしまい10mほど吹っ飛んでいった。

(強い・・・・・・)

相手は休ませてくれもせず、すかさず俺の顔めがけて殴ってきた。

(もうダメだ)

あいつの拳が俺の顔に当たった

(もう死ぬ)

あいつは手加減なく何度も俺の頭を殴っていった。

俺が戦闘不能状態となった と知ったあいつは今度は頭を引きちぎろうとしている。

これをやられたら終わりだ。しかしもう手がない・・・・・・。

俺は必死で何か機能を探した。

一番下の欄には『自爆モード』と書かれているのがあった。仕方ない。もう自爆するしかないのかもしれない。俺は自爆モードを起動した。

起動した瞬間、俺の頭が引きちぎられるのと同時に俺の体は爆発し、俺は意識が飛んでいった。





いや、俺の意識が飛んでいるのではなかった。俺の体はもう無くなっていたが、俺は助かっていた。よく見ると、俺の体は容器のような体になっていた。俺の体の一部に俺が意識を転送し、爆発ギリギリに飛んでいったらしい。 そして飛んでいった先は神秘の世界だった。





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