第8話 未来へ繋ぐ
「ここが惑星エドネス・・・・・・?」
俺は戸惑った。想像とは違い、ここには水も食料もいない気がした。
「ここは我々 デルッジの星だ。」
その声は突然聞こえた。
よく見ると、俺の体はある。しかし体はロックされていて動かなかった。
「お前は今から"死の境"へと行き、そこで生き延びろ。そして神になれ」
意味がわからない・・・・・・ 死の境?どこだそれは。それにお前は誰だ。なんで言葉が通じる?
「ふっ。全く、お前はどんな顔をしているんだ。」
またそいつはしゃべり出した。
「おい、ジーザス!お前がすべて説明してやれ。」
ジーザス――確か俺の付属AIだったよな・・・・・・ここまでついてきたのか
"了解。らいと様 。あなたはには今から本当の事を話させていただきます。"
本当の事・・・?
"ここはデルッジと呼ばれる特殊生命体の拠点である"チムンです。地球では彼らを"宇宙人"と呼んでいます"
宇宙人――本当にいたのか
"はい。彼らは記憶力がとてつもなく良く、一度学んだことは忘れることはありません。
人間は彼らと裏で繋がっていました。
元々、SPACE PROJECTなんて計画は地球を離れ、別の惑星へ移住することが目的でした。しかし、それはほぼ2050年の地球の科学でも不可能であったのです。ここでダアクが出現します。ダアクも人間ではありません。彼もデルッジであり、デルッジのトップに立っていました。ダアクは人間に宇宙の真実を教えました。しかし人間は信じなかった。あなたを除いては。彼の発言を信じたあなたはデータ化し、ダアクの元へ、そしてここまで来ることが出来ました"
俺は何て言えばいいか分からないほど混乱していた。
「俺はそんな記憶は探しても見つからないぞ」
"はい。あなたが目を覚ました時、その記憶が残っていると計画に不具合が生じるかもしれないと思い、消去しておきました。"
なんだよそれ・・・・・
"ゴールまであと少しとなっています。あなたは今から最後の試練、死の境と呼ばれる場所で戦わなければなりません"
「なんだよ!戦うってなんだよ!いきなり過ぎるぞ!」
俺は怒りを隠せなくなった。
"後のことは任せます。デルッジの皆に"
「了解。ほれ行くぞ、人間。」
しばらく無言で俺はついて行った。
俺は怒りや悲しみ以上に恐怖があった。
詳しいことを聞こうとしてもきっと何も教えてくれないのはもう分かっている。覚悟を決めて最後までやりきるしかない。勝ってみんなを助ける。これだけでいい。そう思いきかせた。
「着いたぞ。ここが死の境だ。ここを通って向こう側へ行けば神秘の世界へと行くことが出来る。」
空は赤く、道は平らで所々に岩がある。
左右には崖があり、道幅は10m位だろうか。ここが死の境――ここを通っていけば俺は神になる・・・・・・のか?よく分からないがきっと神になれば地球のみんなを助けられる。そう言い聞かせた。
「お前の体はダアクと一緒にいた時の体と一緒だ。AIはもう機能しないが、走ったり攻撃やジャンプなど身体能力の機能はしっかりついてある。俺ともここで終わりだ。後は頑張ってくれ」
俺は深呼吸をして死の境の向こう側にむけて走っていった。
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