第12話 魔法訓練-6
朝何時もの時間に起きる、顔を洗って朝食を摂りにレストランへ、リエさんが来ていたので隣の席に座る、
「おはよう、昨日はお疲れ様」
「おはよう、リエさんは手首飛ばされたの大丈夫だった?」
「手首が飛ぶくらいの大けがって初めてだったから驚いたわよ」
「俺も中級の時マレー教官がいきなり手首を切り飛ばしかけた時はあせったよ」
「あのときはまだくっついていたよね、」
「うんそうそう、でも今回は手首を2回も切り落とされたから」
「あの不意打ちは危険すぎだよ~」
と、昨日の事を話していると奇異の目で見てくる人達がいるが、ここは華麗にスルースキルを発動させ、俺達はギルドに移動する、そして裏手の練習場へ集まっていた皆に挨拶をする。
「おはようございます」
「「「「「「「「「「「おはようございます」」」」」」」」」」」
「じゃあ今日は各自移動でいこう、競争するもよし走って行くも良し現地集合と行こうと思います」
「はい、その心は?」ラビノスケが問うてきた、
「うん、この間マレー教官からちょっと言われたんだ、中級に上がってハジケた感じになってる未だに身体強化出来ない人がいたら手を貸して欲しいって事なんだ、なので俺はリエさんと走って行く事にするのでグスタフ君ベクター君ハンス君に午前はみんなの事任せたいと思うんだ、いいかな?」
「「「はい」」」
「おはようございます、サキ教官」 そこには何度か顔を合わせている熊獣人のサキ教官がいた、
「コウ、遂に飛行魔法出来る様になったんだってな、おめでとう」
「有難うございますサキ教官、でも珍しいですねカウンターの中に入ってるなんて」
「ああ、ステファニーがちょっとコージィの所に行ってレクチャー受けてるからな、その間外回り専門の俺達がこっちに入ってるんだよ」
このギルドには外回りと呼ばれる職員がいるんだ、冒険者のサポートをしたり、犯罪者を取り締まったりとまあ、警察の様な事も職務の内になっているらしい。
「そういえばコウ、この頃よく聞く噂が有るんだが知らないか? 採石場と街の間で鬼が出るって話が有るらしいんだ、」
「い、いや それはきっとキノセイデスヨ」
「そうか、ならいいが、妙なモンスターでも現れたら駆除しないといけないからな」
俺はスルースキルを発動させて移動する、
「コウ君こわいね、鬼が出るんだって、気をつけて行かないとね」
「ソウデスネ、キヲツケテイキマショウ」
「コウ君何で声の調子が堅くなったの?」
「イヱ、ナンデモナイデス」
とりあえず俺達は軽く街道を流していく、ちょっとハジケた感じの兄ちゃんが一人ダラダラ走っていた、身長は180cmを超えた位モヒカンで革のプロテクタが付いた袖なしジャケットを着こなしてヒャッハーな感じの冒険者受講生だった、
「「おはようございます」」
「お、おう」
「魔法学院の受講生の方ですか?」
「おう、そうだ、っでおめえら何か用かよ」
「はい、教官から身体強化がまだ出来ていないハジケた人がいたら手伝ってくださいと言われまして」
「へっ 余計なお世話だぜ」
「そうですか、では必要になったらいつでも遠慮なく声かけてください、僕たちはこの街道を巡回してますから」
モヒカン男はその場に座り込み煙草に火を付けた...
この採石場に向かう道には鬼が出る、今日も獲物の尻を叩いている、
「オラてめえキリキリ走らんかい、煙草なんぞ吸ってるからすぐ苦しくなるんだよ」
「ずべばぜ~ん、もうがんべんじでぐだしゃい~」 半泣きで走って行く男がいた。
ちょっと太めの木の棒を振り回しながら受講生を追いかけ回す般若のような鬼がいた、木の棒には血が付いている、男の革のパンツは破れているが傷口が出来たと思ったらもう一人の鬼がヒールを掛けてすぐに治してしまい又走らされてしまう、そして彼は午前中ずっと走らされることになる、
「あ、もうお昼になったようなので続きはまた明日と言う事にしましょうね、」そこにはいつの間にか般若がいなくなり、普通の清楚な感じの女性がいた。
「そうだね、もうお昼だし、サリーさんも現れる頃だから俺達もみんなの所にいこうか、じゃあモヒカンの人また明日一緒に採石場を目指して走りましょうね」愛想よく挨拶をするコウの姿がそこにあった。
そこには真っ青な顔をしてチワワのようにプルプル震えながら恐怖に引きつらせた顔の男がいた、
「ダメだ、とんでもない鬼たちに魅入られちまったよ~」 このモヒカン男名前はボルグと言う、モヒカンと呼ばれて以降冒険者の間でその名が知られることになる が愛称はも~ちゃんと呼ばれる。
「サリー教官、お弁当取りに来ました~」今日のお弁当当番はベクター君とミーナさんだった。
「はい、12個のお弁当ね」
「え?僕たち11人だったんですが、」
「あたしも一緒させてもらうから12個でいいのよ~」
「サリー教官...わかりました。」そう言って二人は弁当を運んでいった。
「今日はカイ教官とご一緒じゃないんですか?」
「今企画書作ってる最中だから出来上がってから食事するみたいよ~」
ちょっと離れた所に椅子と机を土魔法で作って企画書を作っていた、
「何の企画書何ですか?」
「飛行魔法についての講義予定とかかな」
「本格的に飛行魔法の講義を始めるんですか?」
「やっと人員が育ってきたから、そろそろね」 にっこり笑いながら答えてくれた、
「そうなんですか~」
昼食が済んで午後の実習を再開した。
現在各自でアイテムボックスの練習をしている、落ちている岩をどんどん収納してみる、今のところ1立方の土の塊を作ってどのくらい入るのか試しているんだ、5個くらいでいっぱいになった。慣れてくるともっと入るいるらしい。
アイテムボックスを確認したあとグスタフ君達はゴーレムで対戦ゲームをしていた、みんなそれぞれ好きな事をやり始めたのでちょっと気になっていた冒険者を見る事にしたんだ。
時刻は2時前くらいかな、俺達は教官に午前の続きを申請してから上空より街道を見渡す、もそもそ動くヒャッハーな男を発見する、モヒカン発見。
ぐだぐだ歩くように走っているモヒカンをそ~っと追尾してみる。
「モッヒカ~ンさん!」 肩をぽんと叩くと、
「うっはあ~勘弁してくださいゆるしてください~~~~~~っ」
「え?まだなにもやってませんよ~やだな~あははは」 俺は陽気に挨拶をしてみた
「そうですよ~やるのはこれからですよ~」リエさんがにこにこしながら言っている。
「ちょっと時間が空いたからお手伝いしますよ~」
≪地獄の悪鬼共が又現れた~≫(心の声)
「みんなでやればきっと楽しくできますから~大丈夫ですよ~」
≪楽しいのはアンタらだけだろうが~≫(心の声)
「モヒカンさんは声が出ない位頑張ってるのかな」
「きっとそうだよ~」
≪こいつらとはもうかかわりたくないんだよ!≫(心の声)
「じゃあ、今朝の続きはじめよっか」
「じゃあコウ君ヒールでサポートお願いね~」
「じゃあモヒカンさんいくよ~でも モヒカンさんって名前長いからも~ちゃんでいいよね」
「も~ちゃん何ちんたら走っとるんじゃいこのダボが~」
尻から血がにじんでいても叩かれるも~ちゃん、お昼に食べた物を全てリバース、更に胃液もだしてたんだ、っでその場で倒れ込む、
「も~ちゃん疲れたのか? 眠いのか? まだ走れるんだろ?どれにするんだ?それともこの場で永眠したいのか?」 げろまみれで倒れている男にリエさんが問う、
「あう あ...」
「え?なんだって?聞こえねーんだよボケが!」 そう言いながら木の棒を地面に叩き付けると木の棒が粉々になった。
その瞬間も~ちゃんは飛び起き足を引きずりながら街道を歩くような速度で走る、
「前を見ろ!胸を張れ!足を上げて動かすんだ!」
急に足が高く上がったと思った瞬間逃げ出すように走り出していった、
「も~ちゃん身体強化出来たよ~このまま採石場まで行こう」
「お、おう」
採石場に着くと丁度タイガーマスクが中級の卒業検定をしている所だった、
「次誰かいないか?いなければまた明日臆さぬ者はかかって来い」
そう言い終わったマレー教官がこちらにやって来た。
「ボルグ、身体強化は出来たのか?」マレー教官が問う
「お、おう」
「そうか、コウ、リエさん手間かけてすまなかったな、」
「いえいえ、先輩として当然の事をしたまでですよ」
「マレーあんたの差し金だったのかよ」
「ははっ、まあそう言うこった、ちゃんと身体強化できただろう? お前のおふくろさんから頼まれてな真っ当な職業に就かせてやってくれって言われてたんだよ、ちゃんとここを卒業出来たらお前の就職先は決まったようなもんだからな」
「なんだそりゃぁ!俺の意思ははいってねぇのかよっ!」
「あ~ないない、そんな事もの有ると思っていたのか?お前はこのギルドの職員になる事は決定事項なんだからな」
「...」
「さあ、わかったら次いくぞ次!」
「...」
今日も上級の検定は無しだった、俺達のチームは全員でV字飛行体型を取りギルドに到着、練習場のエリアに着陸した、全員で受付に行きカウンターの人に報告をする。
「サキ教官11名只今戻りました」
「うむ、御苦労さん、それとな あ~俺はサキじゃあなくて弟のシキだ、」
「これは失礼しましたシキ教官」
「いや、良いって事、見慣れた奴らじゃないと区別がつかないからな俺達って」
「そうでしたか」
「まあ、強いて言えば俺の耳の先が魔物に齧られてちょっと切れた跡があるんだよな、」そう言って切れた右耳を見せる、
「はい解りました、」
俺達は人員点呼の後に今日の怪我の有無を報告して各々解散していった。
「リエさん、晩御飯いかない?」
「今日は何が出るんだろうね、楽しみだな~」
「セキさんが作る料理は美味いよね、なんだか好みを合わせてくれてる様な感じで好きだな、あそこの料理」
「コウ君もそう感じたんだ、」
「うん、もしかしたら味割をやってくれてるのかな?」
「え~こっちの世界でアレを知ってる人っているのかな」
「行ったら聞いてみようか、」
俺達はレストラン・セキのカウンターテーブルに座る、よく見るとセキさんの位置からお客さんの様子が見える様にテーブルが配置されてるんだね、ここって
「こんばんは、今日のお勧め2人前と俺はエールで」
「私は紅茶でお願いします」
厨房の中で作業をするセキさんの作業を見ながら聞いてみる事にした。
「セキさん味割してるの?」
「へ~ よく味割なんて言葉知ってたね~ うん お客さんに合わせて塩加減とか色々変えてるよ~あとうちは香りを重視して組み立てるかな~」
「へ~そうなんですか、」 ちょっと謎が解けてすっきりした、
「やはり味割してたんだ~凄いですね...」リエさんが呟く
「っで、今日のお勧めはなんだろう、楽しみだな、」
「今日はお肉とお魚が選べるけどどっちがいいかなぁ~?」
「俺は魚が良いな、」「あ、わたしも」
「じゃあスズキのパイ包み焼きでパンかパスタかライスがあるけどどれがいいかな?」
「俺はパスタで」「私はパンでお願いしますね」
野菜たっぷりスープとスズキのパイ包焼きにパスタがセットになっていたんだね、
リエさんはセキさんと料理談義に花を咲かせていた。
ゆったりとした夕食を済ませ部屋に戻る、そして魔力を無駄に消費する為に風呂につかりながら爪の先に火を灯す、湯船に浸かって過ごしていたら軍資金が無くなって来る頃なので、ちょっと考えないとな~何かバイトでも始めるかな。
って事で俺は考えた、朝一で採取のクエスト受けてから講習に行こうかと思う、丁度飛行魔法も出来るようになったしね、よし!明日は早起きして行ってみよう。
朝5時俺はギルドに行き採取品目を確認する、10束で銅貨5枚 ポーションの材料ラニーの採取ってのが有った、これを受付に行って申し込む、10本一束としてそれを10束だ、
「グェンさん、おはようございます、」
「コウさん今日は早いんですね」
「はい、今日は採集クエストを朝だけやろうかと思いまして」
「丁度今ラニーの採取を強化してる所なんですよ、ご協力頂けると助かります」
「そうだったんですか、っでその見本とかって有りますか?」
「その鉢に植えてあるのが見本なんですけれど、よく似た草が有るので気を付けてくださいね、」
「え?毒か何か何ですか?」
「いえいえ、ただの雑草でよく似てるんですよ、葉脈の数が違うんですが間違えて沢山持ってくる方がいるのでお気を付けくださいね、あと採取するときは土に埋まっていない茎の部分からでお願いします、根を抜いてしまうと生えてこなくなってしまうので、」
「はい、わかりましたよく、注意して見ます」
俺はグェンさんに大体の場所を聞き早速移動する、まだちょっと暗いんだよね、っで草原を上空から見ると少し光ってる草があちこちに有ったんだ、それをよく見て見るとラニー草だった、俺はチャンスと思い手あたり次第に少し光る草を摘んでいく現在7:30ちょっとすぎ位だ、1時間少々で50束集めることが出来た、何気に効率いい仕事かもw時給にして25000円相当の25000Gだったよ。
俺はギルドに戻ってラニー草をグェンさんの所に運ぶ、
「グェンさん今戻りました、」
「おかえりなさい、もう集めてきたんですか?」
「はい、これでいいんですよね?」
そう言って俺はアイテムボックスからラニー草を取り出した、
「あの時間でこんなにですか、では試薬に付けますので、よろしいですね?」
「はい、お願いします。」
グェンさんは試薬の入った樽にラニー草を漬けていく、1分ほど過ぎてから確認していくと。
「流石ですね、学院の受講生の方はハズレがないんですね」
「有難うございます、でも試薬に漬けると何が解るんですか?」
「ラニー草は魔力に反応して色が鮮やかになるんですよ」
「そうでしたか、」
「ではこちらが報酬の金額25000Gです」
う~ん2時間弱で25000円相当の25000Gか渡辺さんが冒険者は儲かるって言ってた事納得だな~
俺は朝食を摂る為にレストランセキに向かう、リエさんが丁度食べ終わる所だった。
「やあ、おはようリエさん」
「コウ君今日は随分ゆっくりなのね」
「朝飯前に仕事してきたから。」
「え? 何やってたの?」
「今日は薬草の採取やっていたんだ」
「そうなんだ、っでどんな薬草の採取してたの?」
「ポーションの材料のラニー草って薬草だったんだ、少し発光してる植物だったから見つけるのが楽だったんだよ。」
「へ~ 発光する草かぁ~」
「私も次行くとき誘って、それ見て見たい」
「いいよ、じゃあ次一緒に行ってみる?」
「じゃあ明日の朝って、どう?コウ君が疲れて無ければ行きたいと思うんだけど」
「うん、じゃあ明日朝5時にギルド受付集合でいいかな?」
「はい、宜しくお願いします」
「こちらこそ」
俺達は朝食を済ませギルドへ向かう、
練習所脇には既に全員集まっていた、
「やあ、おはよう みんな早いね」
「「「「「「「「「おはようございます」」」」」」」」」
「全員揃ったようだから受付行ってきます」 ロニーが本日の人員点呼を纏めて受付のグェンさんに報告しに行った、
「只今戻りました、今日はわたしが先頭を行きますので皆さん宜しくお願いします」
「コウさん、さっきコウさんが来る前に相談して飛行魔法の編隊の一番を誰がやるかって事になったんですけど、ジャンケンで決めました」
「それでジャンケンに勝ったロニーが今日の受付に報告をするって事になったのかな?」
「はい、そうなんですよ、」
ロニーが空中で停止して編隊を組んでいる出来上がったので早速出発だ、編隊を崩さずに綺麗に飛ぶことを心がけて採石場跡まで飛行する、途中でモヒカンで革のジャケットに肩パットを付けた男が走っていた、あとでお話しに行こう。
俺達はカイ教官の元に向かい本日の訓練の予定を述べてからから各自訓練に入る、現在うちらのチームは苦手な物を克服しようとしているんだね、治療魔法が不得手なハンス君、ベクター君、ミーナさん、ケンタ、ロニー、ウィルム、ラビタロウ、ラビミラビノスケ、がまだ練習不足の様なのでサリー教官の元で学んでいる。
そこで俺はサリー教官から仕事を与えられた、お弁当の移送と要救護者の回収だ、何時ものサリー教官の仕事のサポートである、俺とリエさんはリヤカーがギルドの倉庫に有るのでそれを引いて来るのが最初の仕事だ、取り敢えず様子を見ながら街道を走って行く、あちこちに受講生がバテて休憩をしている所へ檄を飛ばしながらギルドに向かう。
今日の受付は早朝のグェンさんに代わって右耳の切れた跡が目印のシキ教官だった、
「おはようございます、シキ教官 サリー教官に代わってリヤカーとお弁当の受け取りに来ました」
「おう、御苦労だったな、リヤカーは倉庫にある奴を使ってくれ、弁当はレストランセキに行ってもらってきてくれ、数は今朝点呼を取った分と教官の分を伝えてあるからな」
「はい、わかりました、ではリヤカーお借りしていきます」
俺達はリヤカーを引いてレストランセキに行く、
「おはようございます、魔法学院のお弁当をお預かりに来ました。」
「今日はサリーちゃんじゃないんだね」 熊獣人のムムさんが答える。
「そうなんですよ、今日は俺たちが運搬役です、」
「じゃああと10分程で出来上がるからちょっとこれ飲んで待ってて」
と言われてコーヒーを頂いた、そして10分後
「はい、お待たせ 今日のお弁当53個ね、ここにサインをしてね」
俺は受け取り伝票にサインをしてお弁当を受け取りアイテムボックスへ入れていく。
「お弁当53個確かにお預かりしました、では行ってきますね~」
「気を付けて、行ってらっしゃい」
送り出された俺たちはリヤカーを引いてい街道を行く、元気に走って行く受講生がこの街道を往復しているんだ、そんな中人族の女性が走っている、かなりバテバテのヘロヘロ状態で、
「大丈夫ですか~頑張ってくださいね~」俺たちは声を掛ける。
彼女は頷き声にならない声でそれにこたえてきた、
「あれ?コウ君ちょっとストップ」
「ん?どうしたのリエさん」
さっきの女性に何かあったのかな?と見ていると
「ミホ? 岡田美穂ちゃんじゃない?」
彼女は問いに対して顔を上げて答えた。
「リエ? って 何故ここに」
「貴女も冒険者ギルドに来てたのね」
「うん、それでこっちの世界に来てもう1か月になるんだけどまだ身体強化出来て無いんだ、」
「っで リエさんこの方は?」
「小学校の頃の同級生のミホちゃんだよ」
「そうなんだ、俺はコウ、リエさんと中学の同級生だったんだよ」
「そうなんですか、私は付属中学に行ったから...」
「一人でこっちの世界に来たの?」リエさんが問う
「弟と来てるんだけど、アイツは仕事が自衛官だからずっと一人で走ってるんじゃないかな?走るの好きみたいだから」
「なかなかバテない人なんだね?」
「うん、そうなんだ、」
「リエさん!先にミホさんを身体強化できるように訓練していこうか」
この街道には鬼が出る、今日も細い竹の棒を振り回しながら般若が地獄の亡者を責め立てる様に走って行く、そして相方の鬼は今日はリヤカーを引きながら尻にヒールを掛けていた。
「タコ踊りしながらテレテレ歩いてるんじゃね~キリキリ走らんかい!オラオラ~」
激が飛ぶ、ってか飛ばしまくりだ、旧友だからこそ更に厳しくやっているようにも見えなくもないw
ゲロまみれで倒れている旧友にも容赦がない、
「ミホ、眠いんか?ならばここで永眠するか?」
そう言いながらリエさんによく似た般若が竹の棒を地面に叩き付ける、粉々になっていた、普通なら竹の棒はこんな割れ方はしないんだよ、
竹のはじける音に驚いたのかその場から離れようとするミホさん、 立ち上がって逃げようとする所、俺が叫ぶ、
「前を見ろ!足を上げて一歩踏み出せ!そして走れ!」
すると彼女はロケットブースターでも付けたような勢いで走っていった。
「このまま採石場跡まで行くぞ!」 俺はそう叫んで採石場跡まで走っていった。
俺たちは採石場跡の訓練所に到着したんだ、
そこは阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられていた
続く
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