第10話 魔法訓練ー4

ラビタロウのゴーレムと俺のゴーレム、1mクラスゴーレムの模擬戦が始まった、

最初は慣れさせるために追いかけっこで練習する、相手にタッチしたら交代って言うルールでまずは肩慣らしって事で3回攻守が交代した時点で休憩をする、


「じゃあ次ロニーとウイルムで今みたいに追いかけっこで練習して3回攻守が交代したら次に進んでいくからね」


「「はい」」


一通り追いかけっこも終わり魔力の消費残を聞いてみると


「どうだい?魔力消費は多いでしょこれって」


「なれないからかなり魔力を使っています、」とロニー


「面白いですねこのゲームは」ウイルムが答える


「ウイルムのゴーレムもちょっと形変えてみる?サンプルを出すからこれ作ってみて」

そう言って俺はやはり某装甲騎兵のブルーOィッシュOックをサンプルで出してみた、


「コウさんのと似た形ですね」


「まあ雰囲気は似てるけどね多分さっき使っていたのよりは動きがいいかも」


ウイルムは早速作り終えて試運転している、


「なんだか動きが良くなった気がします、」


「それはよかった、」


「じゃあ次は対戦してみよう」


「「「はい」」」




 今俺の目の前には少年少女が倒れている、魔力切れでw 流石に子供達、面白い事に夢中になりすぎて魔力の減り具合を見誤ったんだね、今木陰で休んでるんだ、


「コウさん私達って魔力切れって起こしたことなかったんです、ここまで動けなくなったのは初めてです」


「まあ初めて土系統の魔法を使ってこの位出来れば大したもんだよ」俺が言うと


「ほら、お昼御飯が来てるから食べちゃいなさい」とリエさんが昼食を勧める、


今はお昼時をすっかり過ぎて2時ころだろうか、


ラビノスケとラビミがゴーレムを作って練習していた、サイズは3m位のゴーレムで対戦していた。


ラビタロウ、ロニー、ウイルムが食い入るように二人の訓練を見ていたんだ、


「君ら3人は魔力切れ起したから今日のゴーレム使っての練習は無しね」


「「「え~」」」


「またすぐ魔力切れで倒れてしまうから明日までに十分休養するように」


「「「は~い」」」


渋々返事をしていた、


夕方近くになり本日の昇級検定者もいなかったので、今日は早々に退散する事に。


「只今戻りました、」


「コウさんお疲れさまでした、お怪我は無かったですか?」

用務員さん兼任のグェンさんが本日の受付をやっていた、全員の無事を伝えて本日はこれで解散した。


 ロニーとウイルムが教官控室に向かった、控室で日報を付けていたステファニー姐さんに向かい、

「ステファニー叔母様、良いチームに紹介してくれてありがとう、すごく勉強になりました」


「やあ、ロニーとウイルムおかえり、その調子だと得るものがあったようだね」


「「はい、とっても面白かったです」」


「今まで殆ど使ってこなかった魔法を使っていったんだろ?どうだい土魔法は」


「こんなに面白いとは思いませんでした、それで楽しすぎて私達、初めて魔力欠乏で倒れちやった^^」


「そうかいそうかい、今日はゆっくり休んで明日頑張るんだよ」

そう言って励ます


「「本当にありがとうございました」」

そう言ってロニーとウイルムは帰っていった。



「いよう、ステファニー随分と頑張っていたな、あの二人」


「カイ、お疲れ様今戻り?」


「ああ、今日はマレーが残って教えているよ、しかしあの二人見違える様に素直になったな、いつもはもっと上から目線だったし、近所のガキ共をよく泣かしてたしなぁ~ちょっと手に余る感じだったから、どうなる事かと思ってたぜ、」


「まあいい仲間が出来て良かったんじゃないかな、」


「そうだな、しかしこれ以上はコウのグループには入れられないと思うぞ」


「もう一杯一杯みたいな感じ?」


「チームを分けるか、誰か有能なヤツをサポートで入ってもらうかだな、」


「じゃあ、一人心当たりをあたってみるよ、丁度これから農閑期に入るころだろうからさ」


「農閑期って事は、土魔法の得意な彼か」


「早速このあと連絡してみるよ」


ステファニー姐さんは近所の農家の長男の元へ移動していった。


「こんばんは、ゴロウちゃんいる?」


「いよう、ステファニー どうしただ?もう仕事引けたのけ?」


「いや、まだ途中なんだけどさ、ゴロウちゃんに頼みがあるんだけどいいかな?」


「なんだべ、言ってみ 出来る事なら手伝うだよ。」


「悪いね、いつも頼み事ばかりで、」


「気にすんなや、幼馴染の頼み事はよっぽどの事が無い限り断ったりするわけねえべ っで、どうしただ? 言ってみ?」


「じゃあ単刀直入に、ギルドの臨時教官になって欲しいんだ、」


「ええよ、でも おらは今受講生になってるでな、出来る事は限られてるからその範囲内でしかできねえだよ?」


「それでもゴロウちゃんにお願いしたいんだ、」


「わかっただよ、んで いつからいつまでやれば?」


「明日からでもお願いしたい、あと期間は次の作付けまでの間なんだけど、」


「ええよ、どうせこれからの季節は手が空く所だったからな」


「こまかい賃金とかはミンメイさんに任せちゃっていいかな?」


「全然かまわねえだよ、」


「じゃあ あしたから宜しくねゴロウ教官」


「おう、任された。」


そしてステファニーはギルドに戻っていった、


「ミンメイさん只今戻りました」


「お疲れ様、カイから話は聞いてるわよ、給与とローテーションはゴロウちゃんと相談しながらこちらで組ませてもらうわね」


「はい、宜しくお願いします」


そして翌日


 朝6:00ギルドにゴロウがやって来て早速準備を始めていた、教官室でミーティングをしてから本日の予定を伝えられ行動に移す、そして8:30分受講生に新任の挨拶をしてから移動の開始だ。


「おはようございます、この度臨時教官となったゴロウだ、宜しく頼むだよ、主に土系統の魔法を担当するからわがんね事あったらどんどん聞いてくれればいいだよ」


「「「「「「「「よろしくお願いします」」」」」」」」」


「コウちょっといいだか?」


「はい、何でしょうゴロウさん」


「おめえ、まだ身体強化が出来ねえ奴がいるんだ、ちょいと手を貸してやってくれねえだか?」


「ゴロウさんの頼みとあれば喜んでお引き受けしますよ」


「そう言ってくれるとおらも助かるだよ、」


 そこでゴロウに中級に上がって3週間になったが未だに身体強化を発動出来ない2人組を紹介された。


「この2人なんだがあと少しで身体強化が出来るんじゃないかな、ちょいと押してやるだけで出来るようになると思うだよ」


「了解しました、ゴロウ教官 やり方はお任せいただいてよろしいんですね?」

ニヤリと笑う。


「ああ、きっちり身体強化が出来る様になればいいだよ」

そう言いながらサムズアップする。




この採石場跡に向かう道には鬼が出る。


「オラオラ キリキリ走らんかい!」


何時もの様に細い竹の棒で尻をピシピシ叩いてはヒールを掛けている鬼がいた。


「もうだめです...足が動かないんで...ゲロゲロ~」


「足が動かない? 嘔吐した? よ~しやっと出発点に来ることが出来た訳だな」


「「...」」


「どうした二人ともここが出発点だ、さあ立て 前を見ろそして胸を張れ!足を上げて一歩踏み出せ!」




「か...軽い 足が軽くなってる。」


「俺も、俺の足も軽く動くぞ」


「よ~し、そのまま採石場跡まで全力で行くぞ!」


「「はい」」


俺達は採石場跡に到着した。


「いや~お疲れさん、コウ随分早く仕上げられただな」


「はい、本当に少し押しただけで身体強化が発動しましたよ」


「こっちはグスタフ、ベクター、ハンスが見ててくれたから随分楽させてもらっただよ」


そこは採石場跡の隅に作られたばかりの50mx50mのゴーレム用闘技場が2面作られていて練習試合を行っていた、搭乗タイプのゴーレムは今回は禁止になっている、辺りがすっぱいにおいになるからだw。


 今、2体の3mクラスゴーレムが闘技場内にいる、一体は鉄人の形をしたゴーレムに対するはジャイアントな感じのロボット感満載な奴だった、っでもう一体ポセイドンっぽい感じのも有ったんだ、このデザインは当然俺達の世界のデザインだ、と言う事はあの脇にいる兎獣人の兄妹のゴーレムってリエさんが伝えたんだろうな、


リエさんのゴーレムがまだ出ていないようなのでちょっと期待してみるかな、


「リエさん、ゴーレムは何にするの?」


「某装甲騎兵が多いよね、私もそれに習って作ってみようかな、」


そこに構築されたのは頭部中央にはアンテナっぽい物が付いて左腕にはちょっと丈夫そうな盾が装備され、そして盾には槍が仕込まれていたんだ。


「リエさんその槍、パイルバンカーは使えるの?」


「当然、これ飾りじゃないから」


いきなり強敵が現れたw


俺は今懸命にアームパンチのギミックを作っている所だ、更にもう一つギミックを作る事に、これで更に機動性を上げる事にした。


「リエさんちょっと対戦してみない?」


「宜しくお願いします」


空いている闘技場中央へ2体搬入する、


初っ端から飛ばして行く事にする、全速でダッシュをかけ、足に付けたギミックを作動させる、それは踝の側面に付けたピックを地面に打ち込んでそれを起点に急旋回させる技だ、搭乗タイプでこれやったら多分横Gで気絶する勢いだよ、


瞬時に相手の右側面に回り込んで右腕を殴りつける、リエさんのゴーレムが右腕を吹き飛ばされ体制を崩した、


それと同時にリエさんのゴーレムの左手が上がり盾に仕込まれた槍が俺のゴーレムの右肩を貫く、右腕がもげる。


一瞬動きの止まったリエさんのゴーレムに畳み掛ける様に動ける左腕でアームパンチを連打して盾の付いた腕を破壊する、両腕を失ったゴーレムはなんとかバランスを取りながら突っ込んできた、


踝に装着されたピックを再度地中に打ち込み急旋回をして攻撃を躱したついでに足を引っかけて転倒させた。


練習場の観客からを喝采を貰う、2体を場外に移動させて。


「コウ君ターンピックを装備してたなんて、」


「え?ずるくないよ?」


「あたしも装備すればよかった~」


全員場外に出て皆でゴーレムをいじり始めちゃったよ、暫くすると全員アームパンチかパイルバンカーとターンピックが作動出来る様になっていた。


そこに腕を組んでその光景を見つめる教官のマレーがいた、


「コウ、随分とお前たちのゴーレムは機動性がいいな、あの足の裏はどうなってるんだ?」


「はい、移動速度の遅いゴーレムを早く移動させるためのギミックです、無限軌道を足の裏に仕込んでそれを高速で回すと身体強化した俺と同じくらいの速度が出る様になりました、」


「そうか、今まで土系統の魔法ってあまり覚える奴は少なかったんだが、これは必修科目にしてもいいくらいだな、」


「そうですね、かなり安全な狩りが出来ますよ、これが使えれば、でも魔力消費がかなり負担になると思いますよ」


「ああ、俺も昨日ギルドに戻る前にゴーレム作ってやってみたんだが消耗が激しかったよ、かなり慣れが必要だな」


「そうですね、慣れれば3時間位は連続で動かせますから。」


「集中しっぱなしの3時間か、コウ 随分精神を鍛えたんだな」


「いえ、特に鍛えたつもりは無いんですけど、楽しさに引っ張られて出来る様になったという感じですね、でもゴロウさんの方がもっと長く稼働出来ると思いますよ」


「そうだな、あいつは昔からそうだったんだが、無駄な動きとかが無かったんだよな、」


「あれは何ですか?マレー教官」


俺は遠くの空から近づいて来る飛行物体を指さした、


「ああ、大丈夫だ俺の知り合いだ、」


飛んできた男がマレーの近くに着陸した、


「マレーさんお久しぶりです」


そこに現れたのは25才位の猫耳を付けた青年だった、


「トラネ、帰って来てたのか。」


「コウ、紹介しよう、トラネ・コーナだ」


「初めまして、コウと言います」


「初めましてコウさん、トラネ・コーナです」


「っで、トラネどうしたんだ?こんな所まで来て」


「魔導銃のオーバーホールが終わって戻ってきたので試射をしに来たんですよ」


そう言って魔導銃をホルスターから抜き銃を見せた、


銃身には放熱用のリブが付いているあの有名なコルト・パイソンの形状をした銃だった、


「それ、コルト・パイソンですか?」


「あ~惜しい、パイソンを少し小型化されたダイアモンド・バックって言うんだよコレ」


「今回の点検で判ったんだけど、銃身が少し歪みとクラックが見つかったんだ」


「よく暴発しなかったですね」


「慌てて魔力抜いてなんとか無事に抑えられたんだよ、っで鍛冶屋のおじいちゃんの所で治してもらってきたんだ、オリハルコンで出来た銃の修理って普通の所じゃ出来ないからね、この街に一旦戻ってきたんだ」


「それで試射ですか、見ていていいですか?」


「大丈夫ですよ、マレーさんちょっと奧使わせてください」


「ああ、今奥の方はゴーレムの練習場になっているからその奥でやってくれ」


「はい!使わせて頂きます」


トラネさんの後について俺も移動すると他の連中も集まって来た


兎獣人の兄妹をはじめ、この土地で生まれ育った連中が憧れの眼差しで遠巻きに見ていた。


100mほど先に巨大な岩が有った、直系5m位の岩だ


「じゃあ、ちょっと慣らす感じで」


ダイヤモンド・バックを構える


‘ズドドドドド‘


回転弾倉の銃の音とは思えない音がしたんだ、


「トラネさん、今の打ち方は...」


「ん?連続で撃っただけだけど?」


そう言って再度銃を構える、そして同じ音が聞こえた


「トラネさんの連射の音がおかしいし、弾を入れ替えてる仕草も無かった、ひょっとして魔導銃って弾を入れる必要が無いんですか?」


「ん~そうだね弾を入れるときは本気で対象物を破壊するときだけかな」


「純然たる魔力だけを飛ばしているんですか?」


「うん、そうだよ、試しに撃ってみるかい?」


「いいんですか?撃たせてもらって」


「うん、気が済むまで撃っていいよ」いたずらっぽく笑いながら銃を渡してくれた


バンと一回撃っていきなり魔力をごっそり持って行かれた、


「トラネさんこの銃何ですか?とてつもなく魔力消費が激しいですよ」


「そうだね~慣れないと1~2発撃つだけで魔力切れ起すんだよね」


「あはは、コウお前も魔力切れを起こしそうになってたか、俺も救世主が使う銃を一発撃っただけで魔力切れになったからな」


「銃を戻してもらえるかな?」


俺はトラネさんに銃を渡す。


「じゃあ全力で一発見本で撃ってみるから見てて」


そう言って銃を先ほどの岩に向ける、


バコオオオオオン


一撃で岩が消し飛んで跡形もなくなっていた。


「ドラゴンならこれの一撃で倒せるんだよ」


銃身からは偉い熱気が立ち上って銃身の周りにはかげろうが浮かぶ、


「こんな熱量だから普通の金属じゃ魔導銃は作れないんだよね、多分1発も打てないんじゃないかな、銃身が暴発して終わると思うよ」


「そ、そうですか、貴重な銃を見せて頂き有難うございました」


「うん、魔力は残り大丈夫?帰る事は出来そうかな?」


「多分あと半分くらい有りそうなので帰るのには問題ないです、」


「そうか、意外と鍛えているんだね」


「すいません一つお聞きしても良いでしょうか?」


「何かな?」


「先ほどの飛行魔法のイメージは何をイメージして飛べばいいんですか?」


「ああ、あれね 昔俺が小さかった時兄ちゃんが両手をもってぐるぐる回り始めたんだ、それで急に手を放されてさ、ピューと飛んだんだよっで、姉ちゃんに受け止めてもらったと思ったら今度は姉ちゃんに両足を掴まれてくるくる~っと回って離されるっで また飛ぶって言う事やって遊んでたら覚えたんだ、」


「凄い御兄妹ですね、」


「う、うんまあ ね」


「飛ぶコツだけでも教えてもらえませんか?」


「いいけど、これからまた鍛冶屋の爺ちゃんちに行くんだけど、兄ちゃんと姉ちゃんも爺ちゃんちにいるから兄ちゃんから直接聞いた方が覚えられると思うよ、」


「じゃあ、鍛冶屋さんまでご一緒させてもらってもよろしいですか?」


「こっちは大丈夫だけどマレーさんに聞いてみて問題ないなら行きましょうか」


「あともう一人ご一緒させてもらってもよろしいですか?グスタフ君って子なんですが」


「あまり大人数は爺ちゃんちに迷惑かかっちゃうけどあと一人って事ならいいよ」


俺は離れた場所で見ていたグスタフ君を呼んだ。


「グスタフ君トラネさんの兄さん姉さんが飛行魔法を教えてくれるそうなんだ、一緒に覚えて皆に飛行魔法が使える様になってもらおうよ」


「ええ?飛行魔法ですか? 行きます!いえ是非とも連れて行って下さい」


「マレー教官、自分とグスタフ君はこれよりトラネさんの兄さん姉さんから飛行魔法のコツを習って来るので後の事はリエさんとベクター君ハンス君に任せていきますので自分らはここで早退とさせていただきます」


「わかった、頑張って来いよ」


「「はい!」」


「よし、じゃあいこうか、」トラネが合図した後俺達が追従していく、少し街に向かって走ってから山方面に分岐している道に入る、川が流れていて水車が見えた、


「爺ちゃんただいま、今戻ったよ~兄ちゃんか姉ちゃんいる~?」


「おう、おかえりトラネ銃の調子はどうじゃった?」


「うん、すごくいいよコレ、全然無理が無く使える、前の頃よりいい感じだよ爺ちゃん」


「そりゃよかった、 で、その始めて見る2人は何者じゃ?」


「初めまして、ギルドの魔法学院に通っているコウとグスタフと言います、トラネさんに飛行魔法のコツを教えて頂けるとの事でやってまいりました、どうぞ宜しくお願いします」


「そうじゃったか、トラネの紹介でのう」


「今コージィとシローネとランは夕飯の準備をしておるよ」


「え? まだお昼ですよ」


「料理は下準備が肝心なんじゃよ、食材は十分に下拵えをしないとな」


「はあ、そうですか」 俺はあまり納得できないながらも返事をする。


建物の裏手で大きな鍋で牛筋肉を丹念に煮込んでいた。


「兄ちゃん、姉ちゃんただいま」


「おう、おかえり」人族の30代の男が答える。


「おかえりなさい」白いプレートア-マ-に顔の見えないヘルム、その上からメイドのドレスに割烹着を着ている人も答える。


「兄ちゃん、これかなり調子がいいよ」


「そうか、そりゃよかった」


「でね、兄ちゃんお客さん連れてきたんだけど、飛行魔法を教えて欲しいんだって」


「飛行魔法か、あれって合う合わないって有るからな、万人向けじゃないんだよな、結局セキは浮かぶことは出来ても速度出なかったよな~ まあ覚えたいってんならいいよ、」


「「有難うございます」」


「じゃあトラネ、アクを取るのやってて」


「はい!」


「牛筋肉ですか、牛丼でも作るんですか?」


「牛筋肉って奴は色んな使い方が出来るからちょっと多めに作ってるんだよ」


「へ~まるでレストランで使う位の量ですね」


「ああ、レストランもやってるからな、まあそんな事はいいからすぐやっちまおうか」


「よろしくお願いいたします!」


「まず、質問だ、君は何処か高い所から飛び降りた事はあるかい?」


「飛び降りた事は無いですが...」


「よし、じゃあ」 と言いながら俺の背後に回り込みガッチリ抱え込まれた、


「いくぞ!」抱え込まれたまま上昇して近くの巨木の天辺近くに浮遊している、そして次は降下していく、それを10回位繰り返したんだ、


次にグスタフ君が上下してるよ、


「これが基本の上昇と下降なんだけどイメージ伝わったかな? これを練習するんだけど、俺アクを取ってるからそこでやってみて、」


「俺達2人は30分位格闘してるんだ、たまに体が軽くなったり戻ったりの繰り返しをしてるんだよね」


「どうだい?たまに体が軽くなったりする感覚って掴めたかい?」


「はい、徐々に掴み始めたと思います」


「僕も少し体が軽くなったり重くなったりしてます」


「ほうほう、順調に仕上がって来てるようだねこれなら夕方までに浮く事が出来そうだな」


「え?そんなに早くにもう飛べるようになるんですか?」


「いやいや、自由自在に飛べるのはまだ先の話、今日は浮くくらいじゃないかな」


「はい、頑張って浮いてみます」


あれから3時間くらいたったでしょうか、


「お兄さん俺浮いてますよね?」  今地上5cm位の所に俺は浮遊してるんだ、


「僕も浮いてます、」 グスタフ君も同じ感じで浮遊していた、


「おお~上出来上出来、明日朝から来れるかい?」


「「はい!」」


「うん、ここまでできれば明日の昼くらいまでには何とかなるんじゃないかな?」


「まあ、今日はこの辺で終了にしようか、牛筋肉が出来上がったから、君たちも食っていけよ」


「いいんですか?」


「ああ、たっぷり作ってあるからな、大丈夫だ」


俺達は牛丼をご馳走になりギルドまで帰っていった、


続く


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