第7話 魔法訓練ー1

俺達は採石場に来ている、昨日は俺ストーンバレットのみをずっとやっていたから今日はゴーレムを作ってみようかと思ってたんだ。


先ずは昨日のゴロウさんのゴーレムを思い出す、兎に角作ってみよう。


「むんっ!」 気合いを入れてゴーレムを作ってみた、身長1m位のかわいい奴ができたんだ、けれど、動かないんだよコレ。


「教官、ゴーレムってどうやって動かすんですか?」


「ゴーレムの動かし方か、それでは基本作業からやっていった方が良いな」そう言って小さな泥人形を作らせられた。


「この土人形を使って練習していくんだ、」と言って教官は土人形前高30cm位を躍らせて見せた。


「ゴーレムはこれの応用だから、基本としてこれを練習するといいぞ、時間はかかるがこの魔法かなり有用だからな」


そう言って動かすコツを教えてくれた。


俺はそれからずっと土人形で遊んでいる。


「お!土魔法使うのけ?」


「ゴロウさん、そうなんですよ、ちょっと練習してるんですがなかなか思うようにいかなくて悩んでたんですよ」


「そうなん?上手くうごかせてるだよね、あとは媒体は何つかってるん?」


「媒体ですか?それってどういうものなんでしょう?」


「にいちゃん媒体なしでずっとやってたんかい?」


「はい、媒体ってわからないので教えてもらえませんか?」


「ええよ、ん~とな、まず自分の好きな物とか思い入れのあるものってもってるけ?」


「はい、」そう言って時計を出す、


「んじゃそれをゴーレムの中に埋め込んでうごかしてみ?」


「はい、やってみます」俺は時計を土人形の中に埋め込む


「んじゃ 軽く体操させてみ?」


「はい、」そう言ってラジオ体操第一を始める、


「動きが軽いですよ、しかも滑らかに動きます、」


「んだな いつも使ってるものには愛着ってのがあるからな、気持ちが入りやすくなるべ?」


「はい、有難う御座います、コツを教えて頂き助かりました」俺は礼を言った。


「いいってことよ、同じ土魔法仲間だべ きにすんなや」そういって彼はまた自分の練習場所に戻っていった。


この講習会って良い人達が多いんだなと感心してしまうよ、まあ生き残るための技でありその技術を教えてくれる所だし、受講生も皆意識が高くなってるのかなと思った。


ちょっと一息入れてグスタフ君たちを見て来る事にした、


ハンス君もそろってる、やはり合格出来てたんだね、


「ハンス君合格おめでとう、今日から上級なんだね?」


「はい、一緒に頑張らせてもらいますよ!」


元気のいい返事が返ってきた、


「グスタフ君も土系統の魔法だよね?」


「はい、そうです、」


「さっきさ、ゴロウさんが来ていいこと教えてもらったんだ、自分の愛着のあるものを媒介にすると良く動くようになったんだ。」


「そうなんですか?、早速試してみます」そう言ってナイフを土人形に入れて動かしてみる。


「本当だ!凄く意思が伝わっていく感じが解りますよ!」


「うん、俺も最初の動きで感動したよ。」


「ハンス君は何系の魔法を使うんだい?」


「あ、自分の実家が漁師なんで水系が良いんじゃないかと思うんですよ」


「漁師さんか、それなら水系が得意になるんだろうね」


「コウさん、僕たち全部使える様にするのが目標なんです、」グスタフ君が答える


「それはいいね、全部使えれば何処へでも行けるようになるよ、きっと」


「はい、僕たち3人は最強のパーティになるのが目標なんです」はにかんで笑いながら答えた。


「いい目標を持ってるんだね」


「はい、その為に僕ら3人は暫くここで訓練する事に決めたんです、覚えられる魔法は全部学んで行こうかと思うんです」


「そうか、俺も全部の魔法が使えるようになるまでここで練習する事にしようかな」


「「そうしましょうよ、」」ベクターとハンスもそれに賛成してくれていた、


「はいみんな~お昼ですよ~」サリーさんが落伍者とお弁当を運んできた、


俺達は昼食を摂り4人で雑談をしながら楽しく食べた。


午後も俺たちは練習だ、土系の魔法は中々難しい、グスタフ君のゴーレムと俺のゴーレムで対戦して練習しているんだ。


あれから早六日たったが、あまり上達していないんだよね、一般的にもゴーレムの操作は難易度が高いらしいんだ。


「ゴロウさん又教えてもらえませんか?」


「ええよ、何がわからんの?」


「ゴーレムを大きくすると動きが遅くなってしまうんですよ」


「ああ~それは媒介で使ってる物でかわるだよ」


「そうだったんですか」


「次に作る時は媒介で使う物に魔力を込めて作るといいだよ」


「ゴロウさん何時も有難う御座います、」


ゴロウさんは手をひらひらと振りながら 「がんばってな~」と言って去っていった。


グスタフ君も一緒に媒介に魔力を込めるそうして3mクラスのゴーレムを作り上げる。


「よ~し、これでやってみようか~」


「はい~いきますよ~」


ちょっと離れてゴーレムを動かす、


「どこおおおん」 「がこおおおおん」 「どすどすどす」 「ばきょっ」 「ガラガラガラ」


相打ちで2体共崩れた、


「動きはやくなったね」


「はい、これなら牛鬼くらいは楽に刈り取れますね」


「二人ともこれはなかなか良い出来だな」


「カイ教官、有難う御座います」グスタフ君が答える。


「ゴロウさんから教えてもらったんですよ、」と俺が言う。


「ゴロウは小さい時から土弄ってたし、アイツの土系の魔法は凄いからな、」


帰りの身体強化の魔力を残し今日は殆どの魔力を使った、クタクタになってギルドに戻り帰還の報告を受付カウンターにいたグェンさんに告げた、このグェンさんはいつもギルドの周りを掃除したり初めてギルドに来た人に説明をしている優しいギルド職員のおじさんだ。


「グェンさん本日の講習終了して4名無事帰還しました」


「お疲れさまでした、お怪我はなかったですか?、打ち身とか有れば軟膏ありますよ」


「あ、大丈夫です治療魔法の練習でかなり慣れてきましたから」とハンス君が言った、


「ではグェンさん僕たちはこれで解散しますお疲れさまでした」


「「「お疲れさまでした」」」


と、俺は宿に向かおうとしたら。


「コウ君今日はこれで終わり?」


「リエさん、うん、今日はこれで終了~」


「ってリエさん今日で1週間じゃない?」


「うん、そうなんだ、ちょっと家に帰って来るね、何か欲しいものあったら買って来るよ?」


「じゃあ、モーリヤさんちに何かお土産ついでにチョコレートをひと箱お願いできると有難いな」


「今日土曜日だから明日の夕方には戻って来るからね、」


「了解~きをつけてね~」


リエさんはロッカールームに入っていった。


さて、俺は飯食って寝る、今日のあの訓練えらく疲れたんだよな。


翌朝何時もの時間に起きる、今日はゴーレムの練習のおさらいとあと違う系統の魔法の練習もしてみようかな。


朝食を摂り、ギルドまで移動、待合場所にはもう皆集まっていた。


「ごめん俺遅かった?」


「いいえ、いつもの時間ですよ、昨日上手くゴーレムが出来たからもっと練習したくて早く来ちゃったんですよ。」


「そうだったのか、じゃあ早速移動しよう。」


「「「はい!」」」


俺達4人は何時もの様に採石場まで走る、何名かもう来ていて練習していた。


「「「「おはようございます」」」」


「いよう、若いもんはげんきがいいな」


「あ!ゴロウさんおはようございます」


「ほい、おはようさん、どうだいゴーレムはうまくできたんかい?」


「はい、おかげさまでなんとか使える様になりました」


「そりゃよかったな」


俺達はきのうのおさらいをやってる、グスタフ君と俺はゴーレムで模擬戦を、ベクター君とハンス君は治癒魔法の練習をしていた。


そんな時に


「上級の受講生は集合だ!」 狼男が吠える。


俺達は集合して今日の出席の確認をしている、そして今日の練習科目を教官に告げて各自練習に入る。


土系の魔法はそこそこ使えるようになったと思う(あとで聞いて解った事だけどここまで使える者はかなり少ないとの事だった)


「グスタフ君次の系統やってみないかい?」


「何をやるんですか?」


「風系をやろうと思うんだ、どうかな?」


「いいですね、汎用性が有ると聞きますからかなり有用なんでしょうね」


「じゃあ早速見本を見に行こうか」


「はい!」


俺達はダークエルフの少女ミーナの練習している所へ行く


「ミーナさんちょっと練習を見せてください」


「うん、いいよ」


「「ありがとう」」


俺達はしばし練習を見学するが結果しかわからない、30m先にある岩が削れて行くだけにしか見えないんだよね。


「ミーナさんちょっとよろしいですか?」


「ン?何」


「どのような技を使ってるんですか?」


「そうだよね、風って見えないからどんな魔法か解りにくいよね」


「「はい」」


「じゃあさ、風系の魔法教えてあげるから代りに土系の魔法教えてくれるかな?」


「はい、喜んで!」


「じゃあ最初に風を吹かす所からやってみようか」


「「はい」」


俺達は林の所に来ている、


「あの木に向かって風を当てて見て」


俺とグスタフ君はそれぞれ目標を定めて風を送る、


「風を当てることが出来たなら台風の風をイメージして今の目標に当てて見て」


「「はい」」


【ぶおん】と烈風が吹き木の枝が折れた。


「なかなか飲み込みが早いわね」


「「有難う御座います」」


「今のがゲイルって言われてる技ね、それを細く更に強くすると...」


「ウインドカッター」


ミーナがそう言うと一陣の風が吹き目標物の木が切り倒されていた、


「基本は風を操るんだけどどんな形にするかが肝心な所なのよね、風って見えないからイメージ作りにくいのよね」


「有難う御座います良いヒントを頂きました」


「なんとかなりそうです、ありがとうございます」


「じゃあ早速なんだけど土系の魔法おしえてくれないかな?」


「はい、では最初に土人形を作る所から始めましょうか」


俺達3人は魔法で土人形を作る、慣れている俺達はすぐに出来るがミーナはなかなか作れない、


「ミーナさん僕が作った土人形と同じに作ってみて、」 グスタフ君が言う


「うん、わかったわ」


「見本が有ると作りやすいからね、」


5分後グスタフ君泥人形レプリカが出来上がった。


「じゃあここから動かす練習をしていこうか、」


「わかったわ、動きを真似して行けばいいのね」


「うん、そうです」


そして今、ラジオ体操第一を練習している。


「なんとか動くようになってきたわ、でも動きがぎこちないのよね」


「はい、そこで愛着のある物っていま持ってる?」


櫛を出して


「コレが何時も使ってる櫛だけどこれでいいの?」


「うん、これなら十分だよ」グスタフ君がそう言って答える、


「じゃあそれを君の作ったゴーレムの中に入れて見て」


ミーナは泥人形のおなかに櫛を仕込む


「さあ、さっきと同じ動きをやってみようよ」


「はい!」


「動く、動くよこの子滑らかに動く!」


かなり感動しているみたいだ。


「じゃあ次はゴーレムを大きくしてみようか。」


そう言って何時もの3mクラスのゴーレムを作り上げた。


「ちょっと魔力を多く使うから注意して、それとさっきの櫛にも魔力込めて置いてね」


3mクラスのゴーレムが3体出来上がっていた。


「じゃあちょっと見本で模擬戦をやるから見ていてね」


「がこ~ん」 「どすどすどす」「ぐぁしゃ」「どこ~ん」


「大体こんな感じ、ちょっと模擬戦してみようよ」


「面白そうねこれ、」


「おもしろいよ~早速やろうよ」


午前中はずっと模擬戦をやっていたんだ、そしたらミーナがいきなり倒れた。


俺達は急いで狼男のカイ教官を呼ぶ。


「ああ~魔力切れだね、ちょっとそこの木陰で休ませてあげれば大丈夫だ、」


「まだ午前中しか動かしていないのに」


「いや、土魔法は意外と魔力を消費するんだよ、まあ、帰るころには身体強化出来る位に回復するだろうから、大丈夫だよ、慣れない魔法を使うと良くあるんだよ」


「そうでしたか、丁度お昼だし看病しながら僕たちも休憩する事にします」


グスタフ君ベクター君ハンス君と俺が集まり昼食にする事にミーナはサリー教官が診ている。


昼食も取り終えた俺達は4人で風系の魔法の練習をする事にした、コツがつかめるまでベクター君とハンス君は随分悩んでいたようだけど、一度理解してしまえば次々と吸収していった。


「ミーナさん大丈夫ですか?」


ミーナが目を覚ましてふらふらとやってきた。


「ご心配かけてすいませんでした、」


「いえいえ、慣れない魔法を使い続けたんだからしょうがないですよ、」


なんとかミーナさんは動けるようになったみたいだ、


「またこれに懲りずに俺達と練習して貰えませんか?」


「私の方こそお願いします」


「ミーナさんも全部の魔法が使える様にするんですか?」


ハンス君が問う


「うう~ん、風、土、水だけかなぁ~と思ってたんだけど」


そう答えたミーナにハンス君が


「一緒に全部使える様になろうよ!」と押して来た。


俺は思った、ハンス頑張れよ!って


そんなハンスの気持ちを知ってか知らずかグスタフ君とベクター君も押して来た、ここは俺も別の意味で押すことにした、


俺は明日から同郷のリエさんが中級に上がるのでその付き添いをする事を告げた。


「じゃあ僕たち4人は先にここに来て練習していますね、」


「うん、早く上級に来るから先に練習やっててね」


夕方近く。


本日の検定者はいなかったのですぐにギルドに帰還した。ミーナを囲って。w


グェンさんがギルドの受付にいたので帰還報告をして解散。


「コウ君お疲れ様」リエさんが声をかけて来る。


「あ!ただいま、夕飯は食べた?」


「これから、一緒にいかない?」


「いいね、じゃあ行こうか」


俺達はレストラン・セキに入り今日のお勧めを注文した、

 

「りえさんどうだった?一週間ぶりの実家は」


「うん、とっても新鮮だったよ、先週までの自分の思考の愚かさに気がついた

って感じかな」


「うん、そうだね顔つきから険が取れて昔に戻ったみたいだよ」


「そんな顔してたんだ、私って」


「仕事でかなりきつい事あったのかな~って思ってたんだ、だからあまり突っ込むのはやめてたんだけどね、今良い顔してるからこんな話もできるんだよな」


「...」


「まあ向こうの世界のことは今は忘れてさ、これからの1ヶ月を楽しもうよ」


「うん、そうね こっちの世界で心のリハビリしてまた戻ったらガンガン行けるようにして行くよ」


りえさん ちゃんとこっちと向こうの区分けができてるんだね、このままのめり込み過ぎずに過ごせるといいなと思いながら、明日の予定を立てる。


「じゃあ りえさんは明日から中級なんだけど俺も一緒に行くよ、身体強化の実習だからサポートがあると楽だからね」


「うん、ありがとうよろしくお願いしますね」 そう微笑みながら言った。




翌朝俺たちは朝食を早めに済ませギルドの受講生待合所に向かう、


8時30分ギルドの待合所に見慣れたタイガーマスクが説明を始める、


説明を受けてからタイガーマスクが俺に問いかける


「コウ、今日は誰かの付き添いか?」


「はい、同郷の友人が来ていますので、」


と答えると


「それはちょうど良い、ちょいとこいつらも見てやってくれないか?」


そういってウサギ獣人3兄弟を指差した このウサギ獣人たちって 丁度俺が初級を卒業する頃に入ってきた子たちだよなと思いながら、


「やあ、ラビ家の兄弟たち、久しぶりだね、」


「「「おはようございます」」」 3人ハモッて挨拶してきた。


仲良し兄弟みたいだね、でもそれが災いして個人の成長の妨げにうなっているんだよなと 思いながら虎獣人の教官を見る、


「コウ、お前のおもった通りにやってかまわんから一発気合入れてやってくれ」


「了解しましたマレー教官!」 俺はタイガーマスクにそう言われたので気合を入れることにする。


「教官、基本は同郷の仲間優先させていただきますが、それでもいいんですよね?」


と確認だけしておいた、


中級クラスは採石場まで移動だ、


「早速開始だ、俺に続け!先ずはこの道をまっすぐいけ!採石場跡地が有るからそこまで行くんだ!それを往復するんだ!」


「お前ら、苦しくなるまで走れ!苦しくなっても更に走れ!もうダメだと言う所まで走れ!」


「もうダメだと言う所で休憩でしょうか?」 新人が挙手をして質問する、


「何を言ってるんだ貴様!そこから更に走り込むんだよ、もう動けなくなって何もできなくなった所が出発点だ!」


鬼軍曹の行軍が始まった、


「コウ、兎獣人はそこそこ足が速いからな先行させるといいぞ」


「はい、わかりました、じゃあラビ家の皆は先に行っていてくれたら後から追いつけるようにするよ」


アドバイスをもらった俺はりえさんについて走っていく


「じゃあ りえさん苦しくなってもわき腹が痛くなってもゲロ出ても走るのをやめないでいこうか」


「マジで?」


「うん,マジッすよ」


5km地点動けなくなったりえさんが息も絶え絶えで道に突っ伏していた、


「さあ!ここからが練習の本番だよ、立ち上がって前を見て!胸を張って足を上げるんだ!」


鬼軍曹パートⅡがそこに爆誕していた、


起き上がり前を見て胸を張って足を上げる、次第に動きが早くなっていく。


来た!身体強化が始まった!


「出来たね身体強化!」俺が声をかけると


「ははははっ楽しい!走るのって!」 そういいながら速度を上げていく


えらい勢いで走って行く俺たちの目に留まった受講生たちがいた、ラビ家の兄弟たちだ。


「ラビ家のみんなどうしたんだい?」


「疲れたから休憩してるところです」


俺は???と思った。


「これ何の訓練やっているのか覚えてるかな?」


「身体強化ですよ」 と答えてきた


「身体強化の魔法の概要を言ってみてよ」と俺が問う


「限界を超えて魔力を発動させて強化するってことですよね」


「うん、わかってるなら何で休憩してるのかな?」


「疲れたから休憩しているんですよ」


「...」 唖然としたよ俺は、


「何故君たちが身体強化出来ないのかが判ったよ、マレー教官に俺は君たちを任されたんだけど、今この場から俺に従ってもらう」


「ぼくたちは魔法学院の生徒であってあなたに従う理由がわかりません」


「では身体強化が使えないままで従う事を拒否するということでいいのかな?」


「身体強化は出来るようになりたいけど、僕たちは指図されたくない!」


「君たちはいいとこの坊ちゃんだったのか、それじゃあ説得しても無駄みたいだな、」


俺が諦めがちにそう言うと


「ちょっと待って、本気であなたたちはそう思ってるの?」


リエさんが問う


「当然さ、だってお金を払ってやって魔法を使えるようになってやるんだからな」


「そうよそうよ、大金払ってるんだから当然よ」


ラビノスケとラビミが言い放った。


「ぼ、ぼくは、本気で魔法が使いたいんだな、どんな苦労してもか、かまわないんだな、だ、だからぼくに魔法を教えてほしいんだな。」


「君はラビタロウ君だったよね、じゃあ君は私たちと一緒に上級目指そうか」


「う、うん よろしくおねがいしますなんだな。」


「じゃあ俺たちはラビタロウと先に行くよ、ラビノスケにラビミさん、気が変わったら付いて来るといい、俺たちは拒まないからね」


「行こうかラビタロウ、」


「う、うん、行くんだなぼくは」


俺たちは走り出した、流石に兎獣人、普通に走っても早い、時速40kmくらいって感じかな、


採石場を折り返してていくと次第に速度が落ちていく、


「ラビタロウしっかり走らんかい!」鬼軍曹パート3が爆誕した、今リエさんがラビタロウの尻を叩きながら追い回しているw いや実際竹の棒で尻叩きながらだよコレ


「おなかいたいよ~」


「何ぬるい事いっとるんじゃ~キリキリ走らんかい~」リエさんから激が飛ばされる


ラビタロウが止まった、


「げろげろげろ~~」


朝食ったものを全てリバースしたようだ


「よ~しラビタロウこれで少しは軽くなって走りやすくなっただろう!キリキリ走れ~」


リエさん人格変わったのか?


ラビタロウが倒れて動かなくなった、


「よ~しラビタロウよくここまで出来た!さあ、これからだ、ここでお前の本気を見せてみろ!」 鬼軍曹パート3から更に激が飛ぶ


「う、うん、ぼくがんばるんだな」


「よ~しラビタロウ、前を見ろ!そして胸を張れ、足を上げて前に踏み出せ!」


「は、はい、ぼくは胸を張って足を上げて前に進むんだな」


そう言ってラビタロウは前に踏み出していく、


「はやいんだな、ぼく、こんなに早く走れるんだな、もうくるしくないんだな」


「ラビタロウ君ついにやったね、身体強化できたじゃないの」


「あ、ありがとうなんだな、リエさんのおかげで身体強化できたんだな」


「そんなことないよ、ラビタロウ君が本気で魔法が使いたいと思ったから出来うるようになったんだよ」


「えへへ、ありがとうなんだな」


俺たちは採石場まで移動することにした、途中でラビノスケとラビミをえらい速度で追い越して採石場に到着、


「マレー教官、とりあえずラビタロウは身体強化出来うるようになりましたが...」


「あの二人が俺たちに教わることを拒否したので出来ることを先にやっておきました」


「そうか、ご苦労だったな、しかし一人出来るようになればあとは簡単だ、ラビタロウ、お前があとの二人をやる気にさせるからな、」


「ぼ、ぼくは、何も出来ないんだな、あの二人ぼくの言うことなんかきかないんだな」


「知ってるよ、だからこそなんだよ、いつもあの二人はラビタロウのことを見下していたからな、見下していた者にいきなり置いて行かれる体験をした彼らはどのような行動をとるか、コウおまえは判るよな」

  

「はい、マレー教官、彼らは必ず身体強化が使えるようになろうと努力するはずです」


「そうだ、今まで下に見下したものが自分よりも前にいった場合更に上を行こうとするはずだ、もしここでひねてしまった者はそこまでだった奴という事で切り捨てるだけだしな」


「マレー教官厳しいっすね」俺が言うと


「いや、命がかかっているんだ、中途半端なプライドなんかを大事にしてるような奴らじゃこの先何も成し遂げられないからな、ならばいっそのこと魔法使いになるのは諦めてもらうってのが、このギルドの方針だからな」


「そうですよね、中途半端な連中はいない方がいいですね...」 リエさんが呟く


「さあ、コウはその彼女の練習に付き合っていくんだろ?こっちはもう大丈夫だ、ありがとうな」


「いえ俺達も勉強になりました、有難う御座いました。」


そう言ってグスタフ君たちの元へ向かう、


「やあ、みんなおはよう!」俺は元気よくみんなに挨拶する、


グスタフ君ハンス君ベクター君ミーナさんが集まって全員でゴーレムを作って練習していた。


すると全員が手を止めて「「「「おはようございます」」」」と挨拶


「おはようございます皆さん初めまして、コウ君の同郷のリエと申します宜しくお願いしますね」


「「「「おねがいします」」」」一斉に挨拶が帰ってきた、


「じゃあ俺達は中級の訓練をそこでやってるから何か用が有ったら声かけてね」


「「「「はい」」」」


各自練習に入っていった。


「さて、中級の検定なんだけど瞬時に身体強化をやるって言う事が検定内容なんだ、だからその練習をしていこうと思うんだ、」


「わかったわ、でも何をして行ったらいいのかな?」


「先ずはリラックスして身体強化のON・OFFの反復練習だね」


「ちょっと難しそうね」


「やっていけばすぐに感覚は掴めるから大丈夫だよ」


あれから30分位ON・OFFを繰り返しているんだ、かなり早く身体強化出来る様になっていったんだね、


「じゃあちょっと軽くテストしてみようか、俺がりえさんの前に行ったら身体強化を発動させてみてね、俺軽く腹にパンチ入れるから、」


俺は5m位離れてからりえさんの前に行き即座にパンチを繰り出す、


「がつん」と拳が弾かれる感じがしたかと思ったらりえさんの腹筋で俺の拳が止められていた、


「腕でブロックして良かったんだよ?」


おれはそうアドバイスしたんだけれど、


「下手にブロックするより腹筋を身体強化して防いだ方が早いと思ったから」


「うん、そうだねその方が早いかも」


「これで今日中級合格できるかな?」


「うんうん、この位早い発動なら合格間違いなしだよ」


「じゃあ反復練習していきましょうか」


「そうだね、確実な物にしていこうか」


昼食も済み午後の訓練も終わってからタイガーマスクが吠える


「よし、今日の昇級試験を始める、臆さぬものはかかって来い!」


「はい!」 りえさんが名乗り出た。


「今日中級に来たばかりのお前か、よしいい度胸だ!俺がお前の腹に拳を打ち込む、身体強化でそれを防げれば合格だ」


「はい、判りましたマレー教官」


マレーは無言でリエさんの前に移動し一撃を放った、


「がつん」といってマレーの拳はリエさんの腹筋により止められていた、


「うむ、無駄のない見事な身体強化だ、判定は合格だ!」


「次!臆さぬものはかかって来い」 そういうと


「ぼ、ぼくもやるんだな」


「うむ、ラビタロウか、」そう言ってラビタロウの前に移動するタイガーマスク


「むん!」完全に不意打ちでパンチを繰り出すタイガーマスク


「ぽにょん」


「「「「「「え?」」」」」」


なんだか変な音がした、が、ラビタロウは普通に立っている、


「判定は合格なんだが、何だ今の感覚は」


「ぼ、ぼくは、いつもみんなに叩かれてたから、叩かれる前の雰囲気はすぐわかるんだな、叩かれたあとすぐに身体強化やめるとこんな音がでるようになったんだな」


「そうか兎獣人特有の危険を感知するテクニックの成せる事なのか」


「た、たぶんそうなんだな」


「よし、ラビタロウ明日から上級だ、がんばれよ」


「うん、ありがとうなんだな、ぼ、ぼくはがんばるんだな」


「次、誰かいないか?いなければまた明日、臆さぬものはかかってこい!」


「次は上級で検定を希望する者はいないか?」


「いないようなので本日はこれまで、解散するが今日は俺が暫くここにいるからなんでも聞いてくれ、以上本日の講習を終了する!」とタイガーマスク教官が言った。


俺達はギルドに向かって走っていった、


「グェンさん只今戻りました、グスタフ、ハンス、ベクター、ミーナ、リエ、コウ怪我も無く本日の講習を修了してきました、」とグスタフ君が報告しその場での解散となった、


そして次の日へ








続く

      

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