第6話 上級へ

 何時もの時間通りに俺は目が覚める、朝食を食べてからギルドへ向かう。


「やあ、おはようグスタフ君、ほかの皆は?」


「あ、おはようございます、ハンスはトイレでベクターはあそこに」


と言ってグスタフ君は受付を指さす、


戻って来たベクター君に聞いてみる。


「やあ、おはようベクター君、受付で何かあったのかい?」


「おはようございます、ウチの家業の手伝いでギルドに納品してたんですよ」


「そうか、偉いね、っで何を納品してたんだい?」


「コウさんも付けてるその腕輪の納品ですよ、」


「ああ、この魔力を無駄に消費させるという謎アイテムは君の家で作ってたのか。」


「ええそうなんですよ」


目の前をあのカッパの二人組が通る、俺はちょっと声をかけてみる事にした。


「フェルさんメルさんおはようございます」


「「おはようございます」」 息もぴったりハモッて挨拶が返って来た 流石双子だよね。


「ちょっとお聞きしたいのですが、川田さんって日本から来た方ですよね?」


「「スイマセンそれにはお答えできないデス」」


これもハモッて回答された、


「そうですか、解りました、有難う御座います、っで質問ついでにもう一ついいですか?」


「「はい」」


「あなた方の魔法で分子振動を使って居ましたよね、これって川田さんが編み出した技なんですか?」


「「はいそうです」」


「やはりそうですか、有難う御座いました、朝の忙しい所お呼び留めしてすいませんでした。」


「「いいえ」」 そう言ってギルドの2階治療施設の方に荷物を持って上がっていった。


やはりあのカッパさん達の川田さんは日本人の様だった、しかし何か隠す訳でもあるのかなと考えていると


「コウさん、みんな揃ったから行きましょう」グスタフ君が声をかけてきた。


「そうだね、行くとしようか」


街の門の所に来て全員が身体強化をかける、 【あひゃ】という掛け声と共に急発進するハンス君その後を無言で追いかけるグスタフ君とベクター君、それを追うように俺が走る。


互いに追い抜きながら走っていくからどんどん速度が上がっていくんだよ、体感で時速100km/h位まで行ってる感じだ、バイクでの速度感覚だとそんな感じだね。


最高速はほぼ同じくらいでひとかたまりになって走っていくと途中で中級になりたての人達が走っていたのを追い越す、ちゃんと邪魔にならない様にこっちがよけて走っていくんだ、身体強化出来ないで走っていくキツさは中級者は全員知ってるからね。


俺達は採石場に着くとタイガーマスクが待っていた、


「中級クラスはこっちに集合だ!」 タイガーマスクが吠える。


「身体強化の発動が出来ている者は素早く強化出来る様に練習だ!先ず近くにいる者と二人組になれ」


「よ~し、そうしたら向き合って片方の者は身体強化無しで相手の腹にパンチを打ち込む、打ち込まれた方は身体強化してそれを受ける、簡単な実習だ、それを10セットで交代しながら行う、相手が見つかり次第はじめ」


俺は隣にいたグスタフ君を誘い練習をする、


「行きます!ハッ!!!!!」


「むん!」


そんな事を10セットやってから交代


「いくよ!」


「はいっ!」


だんだん早くなってきている、これなら今日こそ中級試験終了できるかも。


10セットづつ終わったら相手を変えて次々とこなして行く


羊獣人のサリーさんが本日の落伍者たちを荷車に乗せてやって来た、


「はいみなさん~昼食の時間ですよ~」


 俺達はお弁当を受け取り適当に座って昼食を取る、相変わらずこのお弁当は美味いし量も多い、レストランセキのお弁当だ。


食べ終わったらゴミをかたずけ荷台に集める、全員がちゃんと掃除をしてる、それを当たり前のように全員がやっている、民度の高さを感じられるよね、これって。


昼休みの間全員寝転がっている、と言ってもお昼寝している訳ではない、身体強化のオン・オフの練習をやっているんだ、


午後の授業も身体強化の即時発動訓練だった。


とにかく反復練習で体に覚え込ませているんだねコレ。


さあ、お待ちかねのタイガーマスクのお言葉があった。


「よし、今日の昇級試験を始める、」


今日は俺が最初に名乗りを上げる。


「コウ、今日はお前が先に来るのか。」


「はい!宜しくお願いします」


「よし、良い覚悟だ!前に出ろ」


「はい!」


俺はタイガーマスクの前に対峙する、教官が構えたと同時に身体強化を発動させた瞬間に衝撃が来るが、体のダメージはなかった、


「うむ、良い反応速度だ合格!」


「次、臆さぬ者ははかかって来い!」


グスタフ君が前に出てきていう、


「教官!お願いします」


「よし、グスタフ、前に出ろ」


教官と対峙するグスタフ君、


グスタフ君が前に来たと同時にタイガーマスクが正拳突きを打って来たが、


「ガキン」という音と共にその拳は止められていた、


「おお、グスタフ素晴らしいぞ、完全な不意打ち状態からの身体強化だ!合格!」


「はい!有難う御座います」


「次!臆さぬものはかかって来い!」


「ハンス、行きます」


「ハンスか、よし練習の成果、見せて見ろ!」


対峙すると一呼吸空けて正拳が叩き込まれる


「あひ...」


「バキッ」嫌な音がした。


「うむ、ハンス、明日からは無詠唱の訓練だな、詠唱してからの発動ではタイミングがわずかにズレるからな」


「サリー、ハンスの腕を頼む」


「はいは~い、右手の骨折と左はひびがはいったのね~」


「はい終了~なおったわよ~~」


相変わらずとんでもない治癒速度で治してくれていた、後で聞いたことだったんだけどこの人、元救世主のチームメンバーだったそうだ。


その他今日は5人ほど検定を受けていたが3人の合格があった、


「この頃は卒業検定の受験者が増えて中々良い状態になってきた、明日もより多くの受験者を待つ!臆せぬものはかかって来い!」


「本日の合格者は3名だ!明日から上級になる訳だが更に気を引き締めて望んで欲しい!」


「は~い今日上級に上がった人はこっちに来てねぇ~」サリー教官が合格者を集めて小冊子を配り治癒魔法の講習を始めていた。


俺達はまた上級の検定をみようと思っていたが、今日は受験者がいなかったんだ、


「本日は受験者がいないのでこれにて解散とする、居残りで練習したいものは今日は俺が付き合う」


そう言ってタイガーマスク教官が居残る様だ。


狼男教官が荷車を引きその荷台には羊獣人さんが一緒に帰っていった。


俺達はハンスの特訓に付き合ってさっきから練習しているんだ、無詠唱の発動を。


「ハンス君、口を閉じてやってみる事ってできるの?」


グスタフ君が聞いていると


「それ、やってみるね」と言ってもごもご言ってる。


「できるよ、うん,いけそう」


ハンス君はそう言って何度もオン・オフを繰り返していくうちに無詠唱が出来る様になっていった。


「出来るようになったよ!」嬉しそうに言うハンス君


「やっぱりお前はやればできる子なんだよ」とベクター君


「ハンス君凄いよもう出来るようになったんだね」とグスタフ君


「おめでとう、これで上級に近づいたね」と俺が言う


「ハンス、明日は中級卒業して俺達と一緒に上級で練習して行こうな」とベクター君


「3人の夢が早く叶いそうだね」とグスタフ君が言うと


「うん、みんなで一緒に行けるね」とハンス君が答えた。


「さて、それじゃギルドに帰ろうか」俺が言う


「「「はい」」」


4人で競争しながらギルドに帰っていった。


本日の講習の終了を受付にいたミンメイさんに告げて解散となり、俺は何時ものパターンで夕食を食べにレストランに来た、


「ムムさん今日のお勧め一つとエールをお願いしますね」


「は~い」


暫くすると魚の煮物が小さな鍋に入って出てきた、あと白米、サラダ、スープがセットになっていた。


美味しく頂きお代を払って201号室に戻る。


まだ宵の口である、ここは酒場にでもと思ったが考えて見れば手持ちの金があまりない事に気が付く、


「ああ~課金しないとまずいな~」ポツリと呟く


俺はギルドに向かい歩いていく、


「リンちゃん、ちょっと課金したいんだけどいいかな?」


俺はロッカールーム受付にいたリンちゃんに声をかけた。


「はい、コウさんも課金ですね」


コウさんもって言ったよな~と思いながら。


「え?誰か他にも課金しに来た人がいたの?」


「はい、今日向こうから来た人でリエさんと言う方がいたんですよ」


「へ~女性の方でこの世界を希望されたんですか」


「意外と多いんですよ、こっちに来ている女性の方って」


「あ、今ロッカールームに忘れ物取りに行ってるからすぐ会えますよ」


「じゃあ、挨拶だけでもしておきますか」


「そうですね」


俺は課金の為のカードを出し5万円分課金して5万ギルダンを受け取る、とロッカールームから現れた人は何だか見覚えのある人だった、


「あれ?コウ君?」


「リエさん?」


「あれ~互いに知り合いだったの?」


「ああ、リンちゃん、この人はね俺の中学の時のクラスメイトのリエさんだよ、」


「この近所だったし、コウ君と会う可能性は高いよね」


「そうだよな~、って事は他にも知り合いがいるかもしれないな、この駅周辺の人くらいでしょあの店に来る人って」


「そうだねぇ~」


「っでリエさんはこれからどうするの?」


「宿を探してそこから始めようかと思ってるんだ」


「宿ならダイさんの宿がお勧めなんだけど、あいてるかな?」


「コウさん、それなら2部屋空きが出来たから大丈夫だよ、今日出発した刀祢さんと拳志さんがいた所が空いてるんだ」


「あの二人もダイさんの所にいたのか、気が付かなかったよ」


「知り合いの人?」


「いや、先に上級者教習を終わった人たちなんだ、これから冒険の旅にでるのか~いいな~」


「ねえ、コウ君は今何級なの?」


「上級に上がったばかりだよ」


「じゃあ、あたしが上級になったら一緒に旅をしない?」


「お!いいね、知り合いがいた方が楽しいからね、」


「じゃあリンちゃん、宿の方に移動するね、ありがとね」


「リンちゃんこれからお世話になります、宜しくお願いいたしますね」


「はい、宜しくおねがいしますね」


そう言って俺たちは宿に入りダイさんを探すと椅子に腰かけパイプを燻らせていた。


「ダイさん、新しいお客さんですよ。」俺が言う


「リエと申します取り敢えず7日間お願いしたいのですが。」


「はい、丁度今日2部屋空いたからね、大丈夫だよ。」


宿帳にサインをして鍵を渡されるリエさん、荷物を持って208号室へ向かう。


「何この大きなベッド」


第一声がこれであった、やはりデカいよねこの宿のベッドって。


俺は運び込んだ荷物を置きながら答える。


「熊獣人のダイさん基準みたいだよねこれって」


「そうね、ダイさんってかなり大きいから、この位ないとダメなんでしょうね」


荷物を置いて俺達は一階のレストランに入る。


「ムムさん又来ました」


「あらあらいらっしゃい、かわいい人連れて再来店ね」


「はぁ」 ちょっと照れながら俺は答える


「大きくて綺麗な人ね。」


「うんそうなんだよね、っでもう一人同じ感じの人がギルドで働いてるんだ、双子の姉さんが」


「へ~そうなんだ、」


「もう夕飯は済んだ?」


「これからなのよ」


「じゃあ、ここのおすすめが良いよ、兎に角美味いから、」


料理が来るまでこの世界の事と自分の体験談を話したんだ、流石に腕を切られたことにはドン引きしてた。


「なにこれ、すっごく美味しい」


「そうだよね、ここの料理ってすっごく美味しいんだよね」


「ああ~あたしの料理チートの夢が崩れ去っていく~」


そんな事を言ってリエさんは悔しがっていた。


食事が終わってから有益そうな情報を伝えていったんだ、


とりあえず今週一週間はリエさんが初級を受けて中級になったら一緒に訓練する事を約束して部屋に戻る事にした。


俺はいつものように魔力を使い切り眠りについた。


いつもの時間に目が覚める、


ビュッフェで朝食を取っているとリエさんが声をかけて来る


「コウ君おはよう」


「おはよう、よく眠れた?」


「うん、すっごくよく眠れたよ、久しぶりだなぁこんな気分で目覚めたのは」


リエさん実社会でかなり疲れていたんだろうなと推測する。


リエさんも食事を取ってこのテーブルに来る、


「なにこれ、このパンすっごく美味しい、それにこのスープも」


「うん、このレストランってさ、日本のレストランより美味いかも」


「そうね、すっごく美味しい、バターも凄く美味しいからそこでも差が出ちゃいそうよね」


「うん、食材そのものがすっごく美味しいよねこの世界って」


食事を済ませてギルドへ向かう、


「ミンメイさん、おはようございます」


「知り合いがこちらにやって来たのでご紹介をさせて頂きます、リエさんです」


「初めまして、リエです、宜しくお願いいたします」


「っで早速何ですがリエさんも初級から講習をお願いします、」


「リエさんここでだけなんだけどクレジットカード使えるからそれで代金払えますよ」


「へえ~便利なのね、じゃあこれでお願いしますね」


カーボン紙を使うプリンタでガッチャンと印字する、金額は40万分の課金を一括払いだ。


上級までの講習とこちらでの活動資金を引き出しギルドに30万ギルダン残りは生活活動費になる、


こちらのギルドカードを作りギルドに登録してから講習会場へ、俺はそれを見送り採掘場を目指す、


途中で中級者コースの人達を幾人も追い越し採掘場に到着。


グスタフ君、ハンス君、ベクタ―君が先に来てハンス君の練習を手伝っていた、


「やあ、みんなおはよう」


「「「おはようございます」」」


「今日はハンス君行けそうかい?」


「はい、かなりの確率で行けると思います」


「そうか、それじゃあ今日サクッと上がっちゃおうか」


「はい、サクッといきますよ~」


かなり手ごたえを掴んだらしいね、グスタフ君とベクター君がかなり練習に付き合ったらしい。


狼男が吠える


「はい、上級はこっちだ、」


俺達は狼男の前に集まった。


今日は上級になったばかりの者が多数いるから心得を説くらしい、


それはこの世界の過酷さ、常に死が隣り合わせでいる事、欠損部位再生は出来るが、心に大きな傷を負った場合2度と冒険者に復帰できなくなる事等の諸注意と心得を教えられる。


「以上!何か質問の有るものはいないか?なければ実習に移る」


「先ずは炎系の魔法からだ、誰か見本を見せてやれ、」


「押忍!自分が行きます」


現れたのは犬獣人のような耳を持つ青年であった。


「まずは通常のファイア」


そう言うと炎の塊を飛ばす、炎の塊が目標物の大きな岩に当たって爆散した、


「次はファイアバレット」


これは火山弾の様に焼けた石が目標物の大きな岩を焼き砕く、岩が熱で溶けていた。


「うむ、普通はこんな感じで出来ればよい」


「熱は高ければ高いほど色が変化する、一番高いのは何色になるかわかる者はいるか?」


俺が答えてみる事にした。


「白色です」


「ほう、お前は向こうから来たんだよな、」


「はい、そうです」


「残念ながらこっちの世界では、そこまでの温度をまだ魔法以外で人為的に作り出せないんだ、しかしそれを知っているのと知らないのではとても大きな差が出来ると言う事を覚えておいてくれ」


「はい教官」


「こちらの世界ではまだ炎が白色であるイメージが定着しないからな、イメージが湧いたらそれを魔法にするのが良いだろう」


「次! 水系統の魔法で誰か得意な者いるか?」


「はい、私が行きましょう」


エルフの少女が其処に居た。


「あの岩でよろしいですか?」


「うむ、やって見てくれ」


「はい! ウオーターカッター!」


そう唱えると岩が綺麗に切断されていった。


「次いきます!アイスバレット!」


そう唱えると氷の弾丸が岩を削っていく。


「よし、良い感じで発動してるな」


「有難う御座います」丁寧な礼をして後ろに下がっていった。


「次は土系統の得意な者、誰かいないか?」


「おらがやるだよ」


人族の30才前後の男が前に出てきた。


「ゴロウ、やってくれるか」


「おら以外いねえべ、土魔法が上手く使える奴って」


そう言ってゴロウは土を操る。


「先ずはストーンバレット!」


岩に石つぶてが当たる、その石つぶてが岩を貫通していく。


「ゴロウのストーンバレットは相変わらず強力だな」狼男教官が呟く。


「次、いくだよ、ゴーレム!」


土が盛り上がり人型になっていく、それが動き始めて岩まで移動するそして岩を一撃で粉砕してしまった。


「やはりゴロウの土系統魔法は強いな」


「ありがとうごぜえますだ」


「次 誰か風魔法行けるか?」


「では私が行きましょう、」


出てきたのはダークエルフの少女だった、


「ミーナがやってくれるか、」


「では参ります、ウインドカッター!」


岩が風で切り刻まれていく、


「次いきます、ゲイル!」


岩が烈風により飛ばされていった、恐ろしいほどの風圧を操っていたようだ。


「ミーナ、見事だ、風系統の魔法が凄く上手いな」


「以上基本の魔法を披露してもらったわけだが、今の魔法をよく覚えて置くと良いだろう、イメージの元になる程の威力があったからな、」


「魔法はイメージだ、ここにいる全員が今と同じ魔法あるいはそれ以上の魔法が使える可能性が有る、常に今以上の魔法が発動できると信じて魔法を発動するよう心掛けてくれ」


「では各自攻撃魔法を的に向かって放つ練習の開始だ!」


「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」


全員が的に向かい、魔法を放つ。


「教官!」俺がカイ教官に質問を投げかける。


「なんだ?コウ言ってみろ」


「はい!最初はどんな魔法が良いのでしょうか?」


「お前は向こうから来たんだよな、得手不得手が無いはずだから人があまり使って居ない魔法から入っていくといいぞ」


「それは何故ですか?」


「うむ、それはな大勢の者達がやっているとそれに引き込まれてある程度の形って奴にはまりやすいんだ、だからあまり他人がやっていない物から始めると感化されにくくなるんだよ、そうする事により魔法に偏りのない使い手になれる訳だ」


「はい、わかりました、では土系の魔法から練習していきます」


「うむ、頑張れよ。」


俺はストーンバレットの練習を始めた。


兎に角石を飛ばしまくった、しかし威力が無いんだよ


「カイ教官!ストーンバレットに威力を乗せる方法が知りたいのですが何か方法が有るのでしょうか?」


「コウは一個一個の石つぶてに魔力を込めてないから軽すぎて威力が上がらないんだよ、沢山飛ばすんじゃなく一個一個を大切に魔力を込めて飛ばしてみなさい」


「はい、やってみます」


俺はストーンバレットの石に魔力を込めて飛ばす、標的の岩に穴が開いた。


「うむ、良い感じで穴が開いたな」 カイ教官が言った。


「はい!有難う御座います」 俺は礼を言って続ける。


途中昼食をはさみながら今日はストーンバレットの練習を一日ずっとやって終了の時間が来た、


かなり魔力を消費した、ギルドに戻れるかなと、心配になるくらいだったよ。


今日はかなり疲れた、ギルドに戻ってきた俺たちは受付に本日の講習の終了と帰還の挨拶を済ませて宿に戻っていった、他の3人もほぼ魔力を使い切ってすぐにでも倒れてしまいそうな感じだった、


宿に戻るとリエさんがいた、


「コウ君、夕飯まだでしょ?一緒にどう?」


「うん、食べよか」


現状かなり眠くなってるけど気合いで飯をかき込むことにしたんだ、リエさんと何かを会話していたと思うんだけど記憶が定かでなくなっている、かなりねむい、ってことで食べ終わったらリエさんに今日の疲れ具合が酷いのですぐに部屋で休むと告げてよたよたと201号室まで移動しベッドに倒れかかって翌朝7:30分に目を覚ます、


俺はシャワーを浴びてから着替えを済ませビュッフェに向かう。


「やあ、リエさんおはよう、昨夜はごめんね、上級の講習がかなりきつくてあまり話が出来なくて」


「ううん、かなり眠そうだったよね昨夜は、」


また今日も講習だ、頑張って行こう、




続く


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