第4話

数日後

大樹から連絡があった


昔、よく行ったお店がまだあるらしく、

そこにあの時、よく飲んだ4人で集まろうって


私の友達の美夏と彼の先輩の直人さん

4人でいろんなところへ出掛けた


美夏と直人さんはその後、結婚し

私は大樹と別れた


そして、

涼介と結婚した


直人さんは今でも大樹と一緒に仕事をしてるということもあって、美夏とも連絡をあまり取っていなかった


大樹から、連絡がくる前に美夏から電話があった


「久しぶり、栞、元気?」


「元気だよー。美夏は?」


「私も元気だよ。それより、大樹に会ったんだってぇ、びっくりよー。

直人さんは仕事でいつも一緒だし、私はたまぁに会ってたんだけどね、栞の話は禁句っていうか…」


「もう、いいよ、終わったことだし」


「でもさぁ、大樹、まだ独りなんだよぉ。

あっ、余計なことだね。

それより、久しぶりに会おうってことになってるらしいけど…旦那さん大丈夫?」


「うん、今、出張中なの」


「へぇ、なるほどね、何かドキドキする」


「もう~、美夏、ドラマの見すぎよー。昔の友達に会う、それだけでしょ」


「ごめん、ごめん、幸せな家庭を壊す気はないわよ。近々、大樹から連絡あると思うよ、じゃあね」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


少し緊張しながら、懐かしいお店に入った


「栞ぃー、ここよー。久しぶり、変わってないねぇ」


「そんなことないよ。老けたでしょ?」


「いえいえ、お綺麗ですよ、奥さま」


「栞ちゃん、久しぶり」


「直人さん、お元気そうですね、

…あの…」


「あー、大樹か?アイツ、自分から誘っといて、まだ仕事片付かないから、先に始めといて下さいって。勝手なヤツだよな。いいから、飲も飲も」


「大樹、相変わらずですね」


「栞ちゃん、今日は来ても良かったのか?もう…」


「直人さん、もう、昔のことです」



3人で飲み始めたが、いつまでたっても、大樹は来ない



「っんだよ、大樹、来ねぇなぁ、俺、帰るぞ~」


「直人さん、酔ったぁ?」

栞、ごめん、もう少し、ここで大樹くん待っててよ。私達、もう帰るわ、 直人さん、こんなんだし」


「えー、まだいてよ」


「だって、直人さん寝ちゃうから、ほんっとごめん」


「ちょっと、美夏ぁ」



どうしよ、いきなり大樹と二人で何、話すのよ


私も帰ろうかなぁ

立ち上がった瞬間、勢いよく扉が開いた



「わりぃ、遅くなった、あれっ?栞だけ?」


「ぶっ、フフフ、何、その顔」


「はぁ?なんだよー」


「美夏も直人さんも帰っちゃったよ」


「ひっでぇなぁ、急いで来たのに。

栞は待っててくれたんだ」


「私も帰ろうかなぁって思ったんだよ。

そしたら、大樹が血相変えて飛び込んできたから」


「じゃあ、もう少し付き合ってくれよ。走ってきたから、喉からっから」


「わかった」


「サンキュ」



私達はあの頃のこと

美夏と直人さんのこと

たくさん話した



「栞、お前とこうやって笑って話せるようになるなんてな」


「うん、そうだね」



「今…幸せか?」



私は返事に困った…でも、精一杯の笑顔で答えた


「幸せよ」


強い口調とは裏腹な曖昧な私の顔を真っ直ぐに見つめた彼の目から咄嗟に逃げた



「ふーん、そっか」



大樹は何か気付いたの?

良かったな…とは言わず

目を伏せた


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