頭を吹っ飛ばして殺す

頭を吹っ飛ばして殺す

頭を吹っ飛ばして殺すという詩を書いている

つまり現在進行形である

わたしは今、頭を吹っ飛ばして殺すという詩を書いている真っ最中

「誰の頭を吹っ飛ばして殺す?」

きみは問い掛ける

だがその問いはあまり意味を持たないと考える

頭を吹っ飛ばして殺す

それが具体的に誰を指しているかは問題ではないと思う

質問をしている暇があるのならとっとと行動に移すべきだと思う

さもなくばお前の頭を吹っ飛ばして殺すぞ

頭を吹っ飛ばして殺す

頭を吹っ飛ばして殺す

何度でも言おう

さあ頭を吹っ飛ばして殺そう

勿論、詩の中だけの話しである

この現実世界で頭を吹っ飛ばして殺すなどという行為はあってはならないと考える

わたしは深く頷く

心の底から同調する

頭を吹っ飛ばして殺すなどという残虐な行為は詩の中だけにするべきだと思っている

それ以外のあらゆる場所で頭を吹っ飛ばして殺すなどという行為は行われてはならないのだと考える

きみは詩の中でも頭を吹っ飛ばして殺すべきではないと言う

それは間違っている

詩の中では寧ろ頭を吹っ飛ばして殺さなくてはならないのだと考える

例え多数決で否定されたとしても徹底的に頭を吹っ飛ばして殺すべきだと思う

きみは勘違いをしている

ここが現実世界の延長ではないということをわからずにいる

論点がずれたまま喚いている

根本的な世界認識が間違っている

わたしは溜息が出る

そして燃える理性が火を噴く

頭を吹っ飛ばして殺すべきだと主張する

革命の最初の犠牲者にまず自分自身を選ぶ

頭を吹っ飛ばして殺さないで頭を吹っ飛ばして殺すだけの有意義な何かを見出せないでいる

頭を吹っ飛ばして殺す

わたしは拡声器を使用して宣言する

これからますます詩の中で頭を吹っ飛ばして殺してみせますと微笑みかける

観客は青ざめる

季節はおそらく春である

頭を吹っ飛ばして殺すための武器は揃っている

頭を吹っ飛ばすためにこれほどまでの想像力を人間が駆使したのかと思うとうっとりとしてくる

頭を吹っ飛ばして殺す

そこには数えきれない美学がある

角度についてはまた違うところで述べることにする

頭を吹っ飛ばして殺す

まずは実際にそれを行ってみて壁に手当たり次第ぶちまけてみることにしよう

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