部屋
誰もいない部屋で
そっと息を殺していた
部屋の片隅で
膝を抱えていた
窓は無かった
けれどあいつが浸入してくるのを恐れていた
誰もいない部屋で
ぬいぐるみが笑っていた
大声でげらげら笑っていた
一体、何がおかしいのだろうか?
理解不能の分かり合えない奴ら
あいつが浸入してきた
僅かな隙間を見つけ身体を滑り込ませてきた
わたしは真っ暗な部屋で呼吸を止めた
このまま酸欠で死ねればあいつに見つかることはない
そのような結論に達した
けれど限界は訪れた
あいつが微笑んだ
闇の中でもわかる
わたしは必死に目を逸らした
これ以上、あいつのあんな表情を直視していたら頭が壊れてしまう
大丈夫
自分にそう言い聞かせた
声が震えていた
大丈夫だよ
一体、何が大丈夫なのかその根拠を教えてほしい
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