第4話 美少女の思いつき
今日の授業中、閑崎はずっと寝ていた。
まあ朝3時までアニメマラソンしたのが初めてなんだろう。
俺も中学生の頃とかはそんな感じだったよ、閑崎。みんなが通る道だ。
...ちなみに閑崎の寝顔はちょっと可愛かった。まあ黙ってれば可愛いんだな。
********************
「淀木君〜!」
放課後。
閑崎がまた俺に詰め寄ってくる。もちろんのことだが、周りの目もある。つまり陰キャラである俺は死ぬしかない。
「な、なぁ閑崎。お前は周りの目とか気にしないタイプの人間か...?」
「どうして?まあ確かに周りの目とかはあんまり気にしないけど。だって関係ないし」
「...そっすか」
流石、金持ちで美人は明るい人生を送ってきただけあって、そんな些末なことは気にしないらしい。
「...それで、何の用だ?」
「相談があるんだけど」
「相談...?」
なんだ?相談って。ラノベ貸すだけならそんなに畏まらなくていいのに。
「部活作らない?」
「.....は?」
「だから、部活!作らないかって!」
「なんで?つか何の?...あぁ言わなくても分かるわ」
は?こいつなんて言った?部活を...作る?頭沸いてんじゃねぇの?部活の内容も想像つくし。
「なら話は早いわ!オタク部を...」
「却下だ馬鹿」
「なんで!?」
「あのな閑崎。お前の考えを正すとだ。まず一点目、アクティブなオタク共がそんなことを考えなかった筈あるか?」
「...あるかもしれないじゃない」
「二点目、部活が成立するほどアニメやゲームが教師に理解されると思うか?」
「理解してくれるかも...」
「三点目、それだけ世間に認知されてるなら俺達オタクはもっと堂々としてる」
「.....むー」
「以上、証明完了。QED」
「じ、じゃあ私が顧問になってくれる先生連れてきたら入ってくれる!?」
「...いいぞ、できるもんならなー」
「〜〜〜!ムカつくぅ〜!やってやるわよ!今に見てなさい!」
そう言うと閑崎はドスドス歩きながら教室から出ていった。
...今のあいつのセリフ、テンプレすぎんだろ。
********************
もちろん、閑崎が顧問となる教師を連れてくるのを待つはずもなく俺は家に帰り、自室でネットという名の海でサーフィンしていた。
「...見つかる訳ないだろ...」
俺はそう呟いた。
そう見つかる訳ない。
...去年逃した限定バレンタインイラストが見つかるはずなんてない!!...違う違う。
もちろん顧問のことである。
これがアニメなら恐らくやる気のない理科教師やら美人だがやたら厳しい国語教師(偏見)が現れ顧問になるのだろうが。
現実はそうもいかない。
都合よく出来ていない点では定評のある三次元だ。
ピンポーン
さて、来期の注目アニメをチェックするか。
ピンポーン
あ、そういえば最近アニ〇イト行ってないな。グッズ確認しに行かねばな。
ピンポーンピンポーンピピピピピピ
「うるせぇ!!」
俺は階段を降りて玄関へ向かう。
誰だ、常識もなく他人の家のインターホンを魂の16連打するやつは!
俺は玄関のドアを開ける。
「やっほ」
ガチャ
俺はドアを閉める。
あーいたわー。いた。見慣れた美少女。見慣れたとか俺贅沢だな、おい。
ピピピピピピピ
「なんだ閑崎!!」
俺はドアを思い切り開ける。
「さっさと出なさいよ!」
「お前でなければすぐさま出てたわ!それで何の用だよ、顧問が見つからずに泣き言を言いに来たのか?」
俺がそういうと閑崎はニヤッと笑った。
え?嘘でしょ...まっさか〜。
「見つかったわ!!」
「嘘つきはビッチの始まりだぞ」
「嘘じゃな...ビッチって言うな!」
「それで、どこの物好きなんだ」
「鎌谷先生よ!」
「...それって俺らの担任じゃん...よく引き受けてくれたな」
「日本の文化を研究して互いに意見を出し合う場を作りたいって言ったらOKだったわ!」
「やっぱりビッチじゃねぇか!」
日本の文化って...ピンポイントすぎるだろ。
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