第46話 司馬懿の高笑い
『真・三國無双』シリーズを始めたのが小学六年生の時。以前書いたが、三国志と僕が出会ったのはほぼ同時期。あまり覚えていないが、三国志を読んでゲームもしたいと思ったのだ、と思う。
購入したのは『真・三國無双5Special』、5シリーズはこれまでの無双と勝手が違うので賛否両論ある作品だが、僕にとっての『無双』との出会いはこの5である。
うる覚えの知識で蜀と呉の武将ストーリーばかりで魏のキャラはほとんど使わなかった。中でも嫌いだったのが司馬懿だった。
理由は今でも覚えている。
あの高笑いだ。
文字に起こすと「フハハハハハハハハハ!」
だが、これがこの上なく嫌だった。
出てきたら真っ先に撃破しようと馬に乗り、倒しにいっていた。
さらにイライラしたのがこの台詞。
「一時の勝利に酔いしれていろ!最後に勝つのは私だ!」
敵として司馬懿が出てくるのは大抵シナリオの最終ステージが多かったので、「このステージで終わりだからお前死んでるっての!」と何度も突っ込んだことか。
曹丕のシナリオだと彼は反乱を起こしているので反逆者じゃないかと勝手に思うようになった。実際、彼は魏を乗っ取りに西晋という新しい国家を作るきっかけを作ったので簒奪者という見方も出来た。
その後も、無双シリーズでは司馬懿があまり好きになれなかった。
流石にもう憎しみはなかったが、操作するということはあえて避けていた。無双OROCHIZで推奨ステージで出てきても使わなかった。
そうしているうちに『真・三國無双6』が発売された。このシリーズから晋という新たな勢力が登場するようになり、あまり語られてこない孔明亡き後の三国志が描かれるようになった。晋伝の最初のステージの操作キャラはまさかの司馬懿だった。
使いたくないなぁ、と思いつつもその後のストーリーを進めるためには仕方なく使ってみる。無双奥義を使うたびに高笑いをするし、「馬鹿め!」、「凡愚」という言葉にイライラしていたが、何度も使ううちに面白くなってきた。
自分に向けてやられるとムカつくが、相手に向けてやるとこれが面白い。
やられている方はたまったものではないが、使っていると心がスッとする。
その後もだいたい司馬懿を使うようにしていた、あの高笑いがいいから。
残念なことに中の人が亡くなってしまい、僕をイライラさせた高笑いはもう聞くことは出来なくなってしまった。
それでも、新しい中の人の元で聞く高笑いと怖い奥さんの張春華との掛け合い、さらに時々出るツンデレ具合を見るために今日も僕は司馬懿を使う。
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