第33話 若気の至り?

張良と言えば、明察鋭く打つ手に失策がなかった劉邦の軍師である。四面楚歌の戦略も彼の立案によるものである。が、若い頃の張良はかなり危険な事に手を出していたようである。元々、張良は戦国の七雄の一つ韓の出身である。祖父と父はそれぞれ宰相として韓の政治を引っ張る人材であった。ところが、韓は秦によって真っ先に滅ぼされてしまう。幸か不幸か、張良は官にはついていなかったご、秦に対する憎悪は想像を絶するものであった。全財産をはたいても秦に復讐しようと考え、弟の葬式すらしなかったと言う。

その後、同志を募り、始皇帝が巡幸の途中に重さ約30キロの鉄槌を投げ、始皇帝の車を破壊しようと試みた。車は壊れたが、始皇帝のものではなかったようでその場で張良達は散り散りになった。思慮深い張良も復讐心に取り憑かれた若い頃はかなり破天荒だったようである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る