第26話 アメコミ論
ここ数年、映画業界で世界で流行りの作品群がある。何を隠そう、アメリカンコミック、所謂アメコミだ。
ここ数年のアメコミ原作の映画は飛ぶように売れているものが多い。
その火付け役になったのが、アメコミの二大巨頭の一角を担っている、MARVELの実写映画だと思う。以前は映画と言えば、ライバルのDCにやや押され気味なところがあったが、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)と題した実写映画作品群が飛ぶように売れ、いつしかDCと肩を並べて日本でも知名度が高くなった。
今月の末には、『アベンジャーズ インフィニティウォー』が公開されるが、ここではその作品群について少し述べたい。
そもそも、この作品群の始まりは『インクレディブル・ハルク』と『アイアンマン』のヒットから始まった。特に、『アイアンマン』のヒットと言うのは大きな成功であった。
それまでMARVELは実写映画を何本もヒットさせているのだが、版権を他社に委託して映画を作っていた。
例えば、『X-MEN』や『ファンタスティック4』、『スパイダーマン』知名度は高くないが『デアデビル』や『ゴーストライダー』、『パニッシャー』なども元はMARVEL作品である。だが、これらの作品は独立性を保っている。原作では『X-MEN』のウルヴァリンがスパイダーマンやパニッシャーと共闘することがざらにあるのだが、映画では絶対にありえない。
だが、マーベル・スタジオが製作している作品、MCUは作品毎に独立性はあるが、同一時間軸としての扱いになっている。
なので、作品によっては伏線や小ネタが混じっているなどという事はざらにある。
例えば、『インフィニティ・ウォー』に登場するヴィラン、サノスである。
名前が初めて登場したのは宇宙を舞台にした『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』からである。
しかし、その存在自体は『アベンジャーズ』で既に示唆されていた。エンデング後にその姿が登場しているからだ。なので、コアなアメコミファンには「MCU最大のラスボスはサノスなのか」と予測してその後の作品群を見ていた。僕もそうだった。
エンドロールネタになら他にもある。『インクレディブル・ハルク』にはトニー・スタークが、彼の主演作『アイアンマン』にはニック・フューリーが、それぞれ登場した。また、『アントマン』にいたってはエンドロールで使われたシーンが『シビル・ウォー』のワンシーンだったなんて事例もある。
こういう小ネタを探すとキリがないのだが、そういうネタを探すのもMCUの面白みの一つといえる。
もう一つ、MCUだけに限らないが、ほぼ全ての作品でカメオ出演を果たしているスタン・リー氏を探すのもMARVEL作品の面白さの一つである。
彼はMARVEL作品の多くを捜索したアメコミ界を代表する元編集者である。
昔から映画が好きな彼はMARVEL原作のアメコミにカメオ出演している事がある。
初めの頃は喋らなかったが、いつのまにかその場にいるだけでは足りなくなったのか、登場人物に話しかける事も増えていった。
もはやこれはお役のようなもので映画館で彼が登場すると、笑いが起こる。
アメコミ作品を見る際には是非、眼鏡をかけた老人にも注目して欲しい。
そして、是非、映画館で見たのなら周りに合わせて笑ってほしい
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