第8話 この馬鹿弟子がぁぁ!

馬鹿というと、すぐに頭に浮かぶのは孔子門下の一人、子路です。

字は

彼は『論語』でもよく登場する弟子の一人で一番弟子で勉強が良くできる顔回よりも出てます。

門弟の一人、子貢が

「1を聞いて10を知る」男として有名ですが、残念な事に早逝してしまったのが悔やまれます。

一方の子路はタイトル通り馬鹿弟子。

度々孔子に諌められています。

「中華だと私の思想は叶いそうにもない。いっそいかだに乗って異国へ行こうか。そういったら、ついてくるのは子路ぐらいかなぁ」とある時、孔子が言った時、子路は得意満面な顔をします。当然でしょう、聖人の孔子に褒められてるのですから。

が、それを見た孔子は

「勇猛だねぇ、君は。だが、よく考えたまえ。どうやって君はいかだを作る気?」

と、熱い手のひら返しで答えます。

子路は登場すると大体褒められません。

大体、諌められます。

弟子になった時は雄鶏の頭をつけ、豚の皮を付けた剣を腰につける非常に身なりが汚い格好で孔子に無礼を働いたりしてますし、直情的過ぎる性格だったようです。

ただ、孔子はそんな子路のこともちゃんと高く評価しています。

ある時、彼の琴の音を孔子が批判すると、門人達が孔子の言葉を間に受け、子路を軽んずるようになると、「あいつはもう堂に登ってるんだ(だから私は批判できるんだ)」と言って子路が既に高みにいる事を弟子に伝えたり、外見を取り繕うことのない事を褒めたりしています。

子路は早くから孔子の弟子になったので、弟子というよりかは親子の関係に近いのかもしれません。

しかし、子路も最期は自らが仕えていた衛の政争に巻き込まれる形で死んでしまいます。

しかし、ただでは死なないのが子路。

死の間際、紐の切れた帽子を被り直し

「君子は被り物を正しくして死ぬんだ!」

と言って絶命します。

孔子は衛で政変が起きたと聞くと、「子路は死ぬな」と予言しましたが、本当に通りになってしまいました。

孔子はこの二年後に亡くなってしまいます。

愛した弟子と息子に先立たれたのが響いたのでしょうか・・・。

何れにせよ、馬鹿弟子ですけど子路は愛されてたんだなぁと思います。

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