第3話 水滸伝
三国志から遅れること一年、中学生の時に水滸伝と出会った。
きっかけはまたしても横山光輝氏の漫画。
全7巻が中学校の図書館の片隅に置かれていたので驚いたことは忘れない。
しかしこの横山光輝氏の『水滸伝』は施耐庵の『水滸伝』とはかなり異なっている。
例えば、蛇矛を使う林冲の武器は棒だし、呼延灼の武器も双鞭ではなく、ただの鞭。
ただ、これは『三国志』の20巻ぐらいと同じで中国との国交が回復してない頃に書いてるという事を知っていれば、察しがつく。
張飛の武器も初期は槍、関羽に至ってはただの剣だったから仕方ない。
次に好漢の大量リストラがある。
腹わたを抉り出すだの、人肉を使った豚饅を売るだのそういう描写を少年誌で描いたらクレームが来るはず。
それに全員を登場させたところで覚えきれないのと話が長くなってしまう。
なので、有名なエピソードを読んで興味関心を持つ意味ではこの横山光輝氏の『水滸伝』は非常に良い作品だと思う。
ちなみにこの漫画を読んで生まれた僕の誤解が黄信の扱いである。
横山『水滸伝』の黄信は秦明の役割そのままで登場した。
しかし、原作の方では貧乏くじを引かされっぱなしの好漢としてのイメージが強い。
特に因縁深い青州討伐に負傷で行けないなんて残念でならない。
もっと黄信のカッコいい活躍を見たかったなと今も思う。
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