異世界燕

・顔


藍黒い羽根、黒い嘴の根元の上と喉のところは赤く、腹は白い。

メス。


・体格


16cm 0.02kg

羽根は大きく、体は細い。尾は長く、二つに割れている。


・服装


200cm 120㎏の黒一色の強化プラスチック製の無人ドローンとこの個体は一体化している。

このドローンは異世界への先行偵察用の試作モデルで、上から見れば六角形をしており、平たいため『タイル』と呼ばれている。

それぞれの角の内側にファンがあり、それを六つ起動させることで浮遊、飛行する。

中心部下にはカメラとメカアームが二つ、下向きについており、このカメラに個体は針金で縛り付けてある。

メカアームは必要に応じて武装を切り替えることができ、今回は右手にボーガン、左手にリボルバーグレネードを装備している。


・経歴


異世界転送実験の野外装置に巣を作っていた個体。カンパニーの規定により五羽のヒナごと巣ごと焼き殺されるはずだったが、それに同情した研究員が苦肉の策としてドローンのパーツとして生き残れるよう、改造した。

改造に用いた費用を経費として捻出するには、サイボーグとしての有用性を証明する必要があり、そのために実験に投入された。


・性格


テストによれば知能は通常のツバメと同程度で、人の顔を覚えることもできない。

しかしやはり母親であり、ヒナの世話は積極的に行っている。


・能力


体は小さく、力も弱い。また鳥類特有の骨のもろさもあって、人力でも捕まえることができれば簡単にひねり潰せると思われる。

一体かしているドローンは完全独立運転で、この個体どころかリモコンによる命令も不要、自動で敵を見つけて、情報収集と殺戮を行う。

それでもこの個体は健気にも鳴き声を上げ続け、相手を威嚇し勝利に貢献しようとできる中で奮闘している。


・装備


ドローン、カメラの付け根、中央部にニトロバッテリーとコンピューターがあり、戦闘込みでの連続飛行時間は30分と短い。ただしコンピューターとセンサー系統は充実しており、高感度カメラで撮影した情報を送信し続けるとともに敵味方の区分を瞬時に行いそれらを直ちに撃滅する。

ボーガン、黒い箱に穴と弓が飛び出ている形をしている。自動装填、自動巻き上げ式でカーボン製の矢を発射する。二秒に一矢の感覚で連射でき、装填数は十二本、鏃に毒はないが返しはあり、引き抜きにくい。銃器の使用に制限のあるカンパニーでは飛び道具として標準装備。

リボルバーグレネード、六連発で全体として大き目。火薬発射式の銃だが、銃弾であるグレネードにヒナを張り付けて『自爆特攻ドローン』というカテゴリーにしているため、ぎりぎり許可を出されている。ただし審議中でもあり、もうすぐ使えなくなる。発射されたグレネードは着弾と同時に爆発、破片を巻いて広範囲にダメージを与えられるが、弾頭に張り付いたヒナが邪魔で不発弾に終わる可能性がある。

自爆、機密保持と失敗のごまかしのため、バッテリーのニトロを起爆させ、爆発させることができる。内部は再生不可能なまでに破壊できるが、外部に対する攻撃力はさほどなく、巻き込まれたとしてもせいぜい破片と高熱で親でも見分けがつかないほどひどい外見に変える程度でしかない。


危険。

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