異世界蛭

・顔


黒色の髪、赤い目をしている。

顔つきだけならば長い髪をオールバックにして、鋭い眼光、がっちりした顎、歴戦の武士といった風貌をしている男。ただ顔面を含めたすべての筋肉が隆起しており、表情の変化や何かを喋るたびに流動し、蠢いて見える。まるでヒルが張り付いてるかのよう。


・体格


178cm 124kg

何もかもが太く、厚い。シルエットだけならば肥満体とも思えるが実際は筋肉の塊であり、体脂肪率は2%を下回っている。

指一本でさえも力強さをアピールしており、蹄のような厚く硬い爪は市販の爪切りが砕けるほどに硬い。

胸には大きくYに切り裂かれた手術跡がある。


・服装


カンパニーにはビジネスで来ているため、常にスーツ。その巨体にピタリと合った高級スーツをおしゃれに着こなしている。ただし時計やネクタイなどは地味で、アクセサリーは全く付けない。荷物も最小限に抑えている。


・職業


カンパニーのスポンサーの一人


・経歴


とある軍事国家の独裁者、今年で九十を超える。

軍人の家に産まれ、腐った前政権をクーデターで失脚させた後に首相の地位についた。

愛妻家で、結婚し、首相についてた当初は今と同一人物とは思えないほど慈悲深い政治家だったが、難民受け入れからの国庫の疲弊、からの人気低下、さらには乗っ取りに近い独立運動、そこへの平和大使として向かった妻の暗殺、ぶっ壊れた。

武勇には事欠かない歴戦の戦士、素手でのライオン殺しもなせるほど強かったが、過労と殺してきたものたちの呪いが現実の体を蝕み、そこへ老いが重なり急激に弱体化していった。

そこにカンパニーの営業がやってきて、スポンサーを打診、そこから異世界転送実験に興味を持ち、現金、資源、土地、実験動物、生贄の人間、その他必要なものを提供するスポンサーとなった。

その見返りとして求めたのは『より強固で強靭な体』で、それに対してカンパニーが出した答えは変異したヒルの移植だった。

結果には大いに満足しているが、更なる飛躍を求めて、進んで実験に協力している。


・性格


口数少なく、話すより先に行動する。

単純に冷酷非道な独裁者、というわけではなく、根底にあるのは徹底した弱肉強食の実力主義。力こそ正義が信念で、それを突き詰めた結果独裁となる。そうできるほど優秀で知能も高かった。

趣味は勉強、菜食主義者、馬は嫌い。


・能力


カリスマ、徹底した実力主義で国を治め、弱者救済のための一切の福祉を切り捨てたが、逆に能力があれば過去など無視して登用されるため、人気は高い。最も、嫌う人間は弾圧されてるだけとも言われている。

移植されたヒルは僅かな血液を体内で増強し栄養満点にする能力が備わっており、また切り刻まれても血を与え続ける限り死なない生命力を持っていた。それらを流用し心臓に作り替えて移植している。

結果、体内の血液が強化され、それを栄養とする細胞も強化、さらに多くの血液を産み出してヒルの心臓に与えての好循環により総合して強化されていくようになり、ただ生活するだけで能力が向上し、強くなっていく。

ちなみに両手効き。

身体能力、この外見を見てなお想像を超えるような圧倒的なパフォーマンスを誇る。具体的にはベンチプレス400kg、100mは10秒で駆け抜け、その速度を二時間キープできる。握力は片手で人間の頭蓋骨を握りつぶせるほど。

体内時間、ヒルの鼓動は通常の心臓の三倍は速く、それを基準に全身の時間も加速されている。結果、周囲の時間が三分の一以下に見え、なおかつ持ち前の頭の回転の速さと反射神経の良さが重なり、別次元の速度で動いている。

結果、当然のようにスナイパーライフルの銃弾を素手で捕まえる。

格闘術は軍隊格闘をベースにオリジナル流派、それ以外でも銃器を含め、だいたいの武器は使える。

弱点としてはYの傷口、ここを刺激されると体内のヒルが危険だと判断し、飛び出そうとする。また同様に、血液中にストレスや恐怖で分泌されるホルモンが混ざると見限られる。


・装備


鉈、刃渡り40cmほどで、タングステン合金で中程に黄金を流し込んで重量を増している。切れ味よりも重さと硬さに赴きを置いており、武器よりも防具として使うことが多い。オリジナルデザイン。

爪鑢、鉛筆サイズでダイヤモンドコーティングの特注品、先端は鋭く、そのまま投げナイフにもなるが高価なのでやりたがらない。


・口癖


無駄にならなければよいがな


産まれるべきではなかった。

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